由来を教えて!劇団名50 その23 [バックナンバー]

安住の地

ミクストメディアな表現を武器に、探究し続ける

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次々と新たな作り手が頭角を表す演劇界。数ある劇団の中から、ジャケ買いならぬ“劇団名買い”で観劇に行った経験はないだろうか。チラシやニュース、SNSなどで目にする劇団名は、シンプルなものから不思議な音の響きを持つもの、「どういう意味?」と目を引くものまでさまざまだが、それには名づけ主の希望や願い、さらには演劇的活動戦略が込められているはず。このコラムでは多彩な個性を放つ若手劇団たちの、劇団名の由来に迫る。劇団名が持つ秘密と共に、未来の演劇界を担う彼らの活動の軸を紐解いていく。

23番目に登場するのは、安住の地。京都を拠点に活動する劇団 / アーティストグループである彼らは、演劇に軸足を置きつつも、他ジャンルとのコラボレーションなどを通じて、常に表現の幅を広げるような取り組みを行っている。また“生と死”や“争い”“歴史”などその時々でメンバーから持ち上がるビビッドなテーマを据えて創作しているのも特徴で、「かながわ短編演劇アワード2021」で披露した「ボレロの遡行」はグランプリを受賞した。6月に新体制となり、9月15日に開幕する新作「かいころく」を皮切りに、さらに活躍の場を広げていく彼ら。

安住の地(アンジュウノチ)

Q. 劇団名の由来、劇団名に込めた思いを教えてください。

旗揚げをするか考えていた当時、活動拠点である京都の主要劇場“アトリエ劇研”の閉館が決定されました。関西の演劇シーンを支えてきた劇場の閉館を受けて先々の活動の難しさを感じながらも、「それでも」と思い団体を立ち上げました。

その影響もあり、自分たちの居場所を一処に安住させず、すべてに満足し続けられる安住の地はきっとないだろうけど、それでも安住の地をさがし続けていきたいという希望からこの名前をつけました。

Q. 劇団の一番の特徴は?

作家・ダンサー・メーキャップアーティスト・衣裳作家・写真家・俳優など、異なる分野で活動しているメンバーが集っているところです。主軸は演劇におきながら、音楽、写真、映像、ファッションなどさまざまな分野とコラボレーションし、“ミクストメディア”な作品を発表しています。

Q. 今後の目標や観客に向けたメッセージをお願いします。

旗揚げ当初から根幹にある“ジャンルや従来の枠組みにとらわれることなく、皆さんが楽しめるような作品をつくること”を目標に、今後も活動を続けていきます。

2023年下半期は拠点である関西での上演を多数予定しております。ぜひお越しください!

安住の地の過去公演より。

プロフィール

2017年に旗揚げされた、京都を拠点とする劇団 / アーティストグループ。演劇を主軸に置きながら、音楽や写真、映像、ファッションなどさまざまなカルチャーとのコラボレーションも行なっている。このあと、9月15日から18日まで兵庫・日本基督教団 但馬日高伝道所(「豊岡演劇祭2023」フリンジ セレクション参加)、23日に長野・LA MORA(地域芸術祭「GR19」内で上演)にて、新作「かいころく」を上演。また11月3日から12日まで大阪・扇町ミュージアムキューブにてアートフェス型演劇公演「PLOW#2『INTERFERENCE』」を開催、12月21日から25日まで京都・The Sideにて中村彩乃の一人芝居「声」を上演予定。

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