坂東玉三郎、6月に南座で上演の「阿古屋」を語る「歌舞伎らしい華やかな演出」

6月に京都・南座で行われる「坂東玉三郎特別公演」より坂東玉三郎の取材会が、昨日5月1日に京都府内で行われた。

「坂東玉三郎特別公演」では、玉三郎による口上、片岡千次郎による「阿古屋」解説のあと、玉三郎が女方の大役・遊君阿古屋を勤めるほか、岩永左衛門役で千次郎、榛沢六郎役で坂東功一、秩父庄司重忠役で中村吉之丞が出演する「壇浦兜軍記『阿古屋』」が上演される。玉三郎は、本公演について「歌舞伎をよくご覧になっていらっしゃる方は、『阿古屋』の琴責の段だけでもよくお分かりになるかと思うのですが、今回は改めて皆さんにこの演目をご理解いただければということで『解説』をつけさせていただきました。景清と平家、そして源平の関係や、どうして傾城がこういう形で出てくるのか、どうして人形振りなのかなど、改めてお分かりいただけることもあると思いますので『解説』をつけさせていただきましての公演になりました」と思いを述べる。

また今回初めて「阿古屋」を観る観客に向け、演目の見どころを「『阿古屋』はとても動きの少ないお芝居なのですが、内容は奥が深く、幾重にも重なっています。五条坂で見染めあった景清、その景清がお尋ね者になり、詮議を受けるという物語ですが、その中で傾城に三曲を弾かせて、音色の中で（物事を）判断をしていくという趣向が『阿古屋』を人気狂言にしたのだと思います。また文楽では、阿古屋が1人で出てくるんですが、歌舞伎では捕り手が6人も出てくるというのも歌舞伎らしい華やかな演出だと思います」と語った。

公演は6月12日から26日まで京都・南座にて。チケットの一般販売は、5月9日10:00にスタート。