高齢者の引っ越しをテーマに広場で繰り広げられる演劇「Moving Day」開幕

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OiBokkeShi×Entelechy Arts 共同製作「Moving Day-引っ越しの日-」が昨日10月16日に三重・三重県総合文化センター 知識の広場にて上演された。

OiBokkeShi×Entelechy Arts 共同製作「Moving Day-引っ越しの日-」より。(撮影:西岡真一)

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OiBokkeShi×Entelechy Arts 共同製作「Moving Day-引っ越しの日-」より。(撮影:西岡真一)

これは菅原直樹らを中心とした「老いと演劇」OiBokkeShiと、イギリス・ロンドンのルイシャムに拠点を置く団体Entelechy Artsとの共同製作作品。今回はイギリスと日本、それぞれで“高齢者の引っ越し”をテーマにした短編演劇を作成し、さらに後日、互いの作品を映像で鑑賞しながら高齢者を取り巻く環境について意見交換を行う。

OiBokkeShi×Entelechy Arts 共同製作「Moving Day-引っ越しの日-」より。(撮影:西岡真一)

日本側の作品を手がけたOiBokkeShiの菅原は「今回、台本には台詞を書かずにあらすじだけを書きました。台詞はそれぞれ演じる出演者に考えてもらったり、即興で演じてもらったりしました。ぼくが俳優だったら『勘弁してよ』と思う作劇法ですが、みなさん『これなら台詞覚えがなくていいわ』と自然に取り組んでいました。人生経験が豊富なメンバーをとても頼もしく感じました」と言い、「老いや介護を題材に生活者が自身の演劇を広場で上演する。メンバーの演技がお客さまの人生と響き合い、明るくてユーモラスな老いの未来を描くことができたのではないかと思います」と公演を振り返った。

OiBokkeShi×Entelechy Arts 共同製作「Moving Day-引っ越しの日-」より。(撮影:西岡真一)

なお本作には、三重県文化会館「介護を楽しむ」「明るく老いる」アートプロジェクトの一環として公募で集められた、老いのプレーパークのメンバーが参加。作品は三重県総合文化センター内で行われているフリーマーケットに“出店”され、観客は3つのブースを回って作品を鑑賞した。

菅原直樹コメント

これは、もしかしたら「老いのプレーパーク」の真骨頂かもしれません。

劇場から飛び出して、実際のマルシェで出店する形で演劇作品を上演しました。テーマは「高齢者の引っ越し」。

今回、台本には台詞を書かずにあらすじだけを書きました。台詞はそれぞれ演じる出演者に考えてもらったり、即興で演じてもらったりしました。ぼくが俳優だったら「勘弁してよ」と思う作劇法ですが、みなさん「これなら台詞覚えがなくていいわ」と自然に取り組んでいました。人生経験が豊富なメンバーをとても頼もしく感じました。

そして、そのような表現が、「だれでもアーティストになれる」というマルシェの温かくて自由な雰囲気と見事にマッチしました。ぼくはずっとこれがやりたかったのかもしれません。

老いや介護を題材に生活者が自身の演劇を広場で上演する。メンバーの演技がお客さまの人生と響き合い、明るくてユーモラスな老いの未来を描くことができたのではないかと思います。

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OiBokkeShi×Entelechy Arts 共同製作「Moving Day-引っ越しの日-」

2022年10月16日(日)※公演終了
三重県 三重県総合文化センター 知識の広場

構成・演出:菅原直樹
出演:老いのプレーパーク

読者の反応

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菅原直樹 Naoki Sugawara @sekiseita

イギリスのエンテレキー・アーツとの共同製作「Moving Day」、無事に終了しました。エンテレキー・アーツとの対話によって、高齢者演劇の新たな手法をみつけることができました。ご来場いただいたみなさん、ありがとうございます! https://t.co/IKdZAJmYlu

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