女の子には内緒の活動休止公演が上演中、柳生二千翔「未来を思考するために」

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女の子には内緒「老いは煙の森を駆ける」が12月28日に東京・こまばアゴラ劇場で開幕した。

女の子には内緒「老いは煙の森を駆ける」より。(c)金子愛帆

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女の子には内緒「老いは煙の森を駆ける」より。(c)金子愛帆

柳生二千翔が劇作・演出を務める「老いは煙の森を駆ける」は、女の子には内緒の活動最後となる公演。劇中では、老いゆく猟師と、彼の子供を殺した森の化身・獸(ケモノ)を軸に、人間と獣が共存した山での人間と自然の過去・現在・未来が描かれる。出演は中野成樹+フランケンズの洪雄大、高山玲子渡邊まな実で、声の出演に安藤真理、青年団の石渡愛、劇団子供鉅人のうらじぬの、モメラスの上蓑佳代、範宙遊泳の埜本幸良が名を連ねる。主宰の柳生はパンフレットで「成長志向が限界を迎える世界。私はその先の未来を思考するために、自然と人間の関係のあり方を再考し、過去・現在・未来に問いかける場を築く」とコメントしている。

女の子には内緒「老いは煙の森を駆ける」より。(c)金子愛帆

なお、本公演で女の子には内緒は活動を休止。今後は新たなメンバーを迎えた新体制となり、改名して活動を行っていく。上演時間は1時間5分。公演は1月6日まで。

女の子には内緒「老いは煙の森を駆ける」より。(c)金子愛帆

柳生二千翔コメント

柳生二千翔(c)横田史 / AtsushiYokota

私たちはカタストロフの中心地にいる。現在、COVID-19は人間より上位に立ち、私たちの生活を制限し、命を奪う。その関係の終わりがどこにあるのか。目を凝らしても、霞がかった時代は明瞭な答えを映し出さない。改めて自然、そして地球というものは人智の及ばぬ存在であり、人の万能さは幻影なのだと感じる。

現代人は、支配されることに慣れていない。狩られる側としての心詰まりがない。なぜなら脳を使い、技術力高め、動植物をコントロールすることで、ツリー・オブ・ライフの外側に移動したからだ。先祖のたゆまない努力と蓄積のおかげである。しかしその進歩の陰で、産業革命以降、異常な速度で地球上を侵食し、環境を一変させ、多くの植物や動物を絶滅に追いやってきた。例えばサンゴは海水温の上昇で白く染まり、やがてドロドロに溶けていく。例えば農地へと開墾するため森を刈り上げ、そこで暮らしていた生物を排除する。他者を犠牲にして、自身の生活を豊かに変える。その繰り返しの果てが今の地球の姿だ。

私は支配することも、されることも疲れた。

もちろん、その相互関係が完全になくなることはないだろう。自然災害は起きるし、人間は誰かの命を食べなければならない。生きているということは、互いの存在と影響し合うことなのだから。しかし、どのように関わりながら生きていけるか、他者を無視せず、その可能性を探し、思いを巡らせ、そしてより良い道を選択することはできるはずだ。成長志向が限界を迎える世界。私はその先の未来を思考するために、自然と人間の関係のあり方を再考し、過去・現在・未来に問いかける場を築く。

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女の子には内緒「老いは煙の森を駆ける」

2020年12月28日(月)~2021年1月6日(水)
東京都 こまばアゴラ劇場

劇作・演出:柳生二千翔
出演:洪雄大、高山玲子渡邊まな実
声の出演:安藤真理石渡愛うらじぬの上蓑佳代埜本幸良

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