静岡を“フェスティバルシティ”に「ふじのくに→せかい演劇祭」宮城聰が展望語る

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4・5月に静岡県で行われる「ふじのくに→せかい演劇祭2019」のプレス発表会が、本日3月19日に東京都内で開催された。

「ふじのくに→せかい演劇祭2019」プレス発表会より。

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「ふじのくに→せかい演劇祭2019」ビジュアル

会見には、SPAC芸術総監督の宮城聰、「メディアともう一人のわたし」の翻案・演出を手がけるイム・ヒョンテク、「ストレンジシード静岡 2019」の参加者より、梅棒伊藤今人BATIK黒田育世範宙遊泳山本卓卓ロロ三浦直之ホナガヨウコ企画のホナガヨウコ、関連企画「しりあがり寿 presents ずらナイト」のホストを務めるマンガ家のしりあがり寿が出席した。

宮城聰

まず宮城は「今、日本人の中で“分断”が起きています。平たく言えば、国民の過半数が『自分は損をしている』と感じている状況にあり、そこから『既得権益層の人々のことを傷付けても構わない』という考えが生まれてしまっているように感じます。そしてその既得権益層には、劇場に行けるような余裕のある人たちや、舞台芸術に関わる人たちも含まれているのではないか、そんなふうに感じて仕方がありません」「日本では、劇場に行く人と行かない人の間にも“分断”があります」と現在の日本の状況を危惧。「フェスティバルによってその溝をなんとか埋められないかと思い、静岡の街を“フェスティバルシティ”にする計画をスタートさせました。この『ふじのくに→せかい演劇祭』によって、特定の人だけが芸術を楽しむことができる、という先入観を壊していけたらと思います」と「ふじのくに→せかい演劇祭」を開催する意義を語った。

イム・ヒョンテク

宮城の挨拶ののち、アート・オブ・サーカス「Scala -夢幻階段」を演出するヨアン・ブルジョワ、ミュージカル「マイ・レフトライトフット」の作・演出を手がけるロバート・ソフトリー・ゲイルからのビデオメッセージを上映。さらに、「歓喜の詩」の構成・演出を担当するピッポ・デルボーノと宮城がビデオ通話で会談したほか、会見に出席した「メディアともう一人のわたし」演出のイム・ヒョンテクが、宮城と作品について意見交換した。

山本卓卓

三浦直之

「ストレンジシード静岡 2019」には、日本、フランス、スペインから26組の団体が参加。本日の会見には、プログラムディレクターのウォーリー木下に代わって広報担当の森隆一郎氏が出席し、ウォーリーのコメントを代読。また各団体の代表者からは、それぞれの作品のタイトルやコンセプトが発表された。

しりあがり寿

しりあがりがホストを務める「ずらナイト」は、「ふじのくに→せかい演劇祭2019」の会期中、静岡・GARDEN CAFE LIFE TIMEで“夜な夜な”繰り広げられる“脱力系しゃべり場”。しりあがりは、自身が静岡県静岡市出身であることに触れつつ、「静岡の夜って寂しいんですよ(笑)。なので、昼間の公演が終わったあと、演者さんやお客さんが集まって楽しめる場所を作れたらと思います」と語る。続けて「『ずらナイト』のテーマは“反断絶”。宮城さんのお話を聞いてさっき思い付きました(笑)。いろいろな要素を入れながら、とにかくゆるっと楽しめるようなイベントにしたいです」と笑顔を見せた。

「ふじのくに→せかい演劇祭2019」は、4月27日から5月6日まで静岡・静岡芸術劇場、舞台芸術公園、駿府城公園ほかにて。

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「ふじのくに→せかい演劇祭2019」

2019年4月27日(土)~5月6日(月・振休)
静岡県 静岡芸術劇場、舞台芸術公園、駿府城公園 ほか

「マダム・ボルジア」

2019年5月2日(木・祝)~5日(日・祝)
静岡県 駿府城公園

作:ヴィクトル・ユゴー
訳・翻案:芳野まい
構成・演出:宮城聰
音楽:棚川寛子
出演:SPAC

「『ふたりの女』平成版 ふたりの面妖があなたに絡む」

2019年4月27日(土)・28日(日)
静岡県 舞台芸術公園 野外劇場「有度」

作:唐十郎
演出:宮城聰
出演:SPAC

アート・オブ・サーカス「Scala -夢幻階段」

2019年4月27日(土)~29日(月・祝)
静岡県 静岡芸術劇場

コンセプト・演出・舞台美術:ヨアン・ブルジョワ

ミュージカル「マイ・レフトライトフット」

2019年5月2日(木・祝)・3日(金・祝)
静岡県 静岡芸術劇場

作・演出:ロバート・ソフトリー・ゲイル

※「レフト」は取り消し線付きが正式表記。

「歓喜の詩」

2019年5月5日(日・祝)・6日(月・振休)
静岡県 静岡芸術劇場

構成・演出:ピッポ・デルボーノ

「メディアともう一人のわたし」

2019年4月27日(土)~29日(月・祝)
静岡県 舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」

原作:エウリピデス
翻案・演出:イム・ヒョンテク

ドキュメンタリー映画「コンゴ裁判~演劇だから語り得た真実~」

2019年4月27日(土)・28日(日)
静岡県 グランシップ 映像ホール

脚本・監督:ミロ・ラウ

「ストレンジシード静岡 2019」

2019年5月3日(金・祝)~6日(月・振休)
静岡県 駿府城公園、静岡市役所・葵区役所 ほか静岡市内

プログラムディレクター:ウォーリー木下
出演:Magik Fabrik、HURyCAN、ままごと×康本雅子、梅棒黒田育世BATIK)、範宙遊泳ロロ、山田うん、FUKAIPRODUCE羽衣、ホナガヨウコ企画、KPR/開幕ペナントレース、川村美紀子×米澤一平、いいむろなおきと静岡ストレンジシーズ、劇団壱劇屋、オイスターズ、こふく劇場、ブルーエゴナク、カゲヤマ気象台、劇団 短距離男道ミサイル、渡邉尚(頭と口)、突劇金魚、Mt.Fuji、劇団「Z・A」、TEAM 劇街ジャンクション、超歌劇団、富士フルモールド劇場

※「ふじのくに→せかい演劇祭2019」の→は相互矢印が正式表記。

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ぼのぼの @masato009

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