ポップカルチャーの変化と進化──アーティストたちが振り返る15年

ナタリー15周年に寄せて【ステージナタリー編】

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ナタリーは15年前の2007年2月1日に、音楽ニュースメディアとしてスタートした。その後マンガ・アニメ、お笑い、映画、舞台・演劇と取り扱う分野を拡大し、現在では5ジャンルにわたって最新ニュースや特集記事を配信している。

十年一昔と言うが、2007年はどんな世界だっただろう。iPhoneの第1世代が発表されたのは2007年1月。Twitterの日本語版がリリースされたのも2008年4月と、今では当たり前のように触れているスマホやSNSが、15年前にはまだ身近なものではなかった。時代の変化に合わせて、エンタテインメントをめぐる環境も大きく変わっている。最前線を走るアーティストたちは、この15年の変化、あるいは進化をどんなふうに感じているだろうか。

ナタリーでは15周年に合わせて、日頃ナタリーを盛り上げてくれているアーティストたちに、エンタテインメントに関する「この15年で最も印象に残っていること」を聞いた。

寄稿者一覧(※50音順)

荒牧慶彦 / 安蘭けい / いのうえひでのり / 井上芳雄 / 黒沢ともよ / 末満健一 / ソニン / 平野綾 / 松本幸四郎 / 吉田都

本企画はナタリー全5ジャンルで展開中

音楽ナタリー編 / コミックナタリー編 / お笑いナタリー編 / 映画ナタリー編

荒牧慶彦(アラマキヨシヒコ)

荒牧慶彦

この15年で最も印象に残っていること

「ミュージカル『テニスの王子様』」です。
僕は大学卒業から俳優をしているのですが、それまで舞台というものを社会科見学以外でちゃんと観劇したことがなく、テニミュがほぼ初観劇でした。
その時の衝撃は今でも忘れられません。
僕と同じ年の俳優たちがものすごくキラキラしていて、それだけじゃなく、激しく動き回るわ歌う踊るわと、「こんな世界があったのか。なんてかっこいいんだろう」と思わされました。
頭をガツンと殴られた気分です。
そんなテニミュにデビュー作として出演できたことが本当に誇りです。

メッセージ

僕は、15年前は芸能界に全く興味がありませんでした。大学に進学して、大学生活を謳歌し、就職するものだと思っていました。
漠然と生きていました。
そんな僕が今こうして舞台を中心に芸能活動をしているなんて15年前には夢にも思っていなかった。
「将来」というものはそれくらい不確定なもので、自分の意志一つ、行動一つで変わっていくものです。
誰にも「夢」や「やりたい事」が存在するはず。例えそれがなくとも焦る必要はない。
ありきたりな言葉ですが、人生はなるようになります。挫折も経験するでしょうしやりたい事ができないこともあると思います。
それでいいと思います。僕も挫折しそうになる事を沢山経験しました。
そんな時に、今僕らが携わっているエンタメを観ることで元気を与えられたらな、みんなの勇気の後押しができたらな、と思っています。
ナタリーさんもきっとその役割を持っていらっしゃると思いますし、僕らの後押し、皆の後押しをしていらっしゃると思います。15年もの長い年月の間、幾人にも刺激を与え続けていらっしゃる。本当に感服致します。
15周年、本当におめでとうございます。
これからも共に皆の夢の後押し、引いては皆の人生の後押しをしていけるよう頑張ります。

プロフィール

東京都生まれ。2012年、「ミュージカル『テニスの王子様』」2ndシーズンで本格的に俳優デビュー。主な出演舞台に、「舞台『刀剣乱舞』」「MANKAI STAGE『A3!』」「『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage」など。映画「映画演劇 サクセス荘 ~侵略者Sと西荻窪の奇跡~」が公開中。水江建太と期間限定ユニットプロジェクト・まっきーとけんたとしても活動し、テレビドラマ「たびくらげ探偵日記」に出演する。7・8月に明治座主演公演・舞台「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎役が控える。

荒牧慶彦の記事まとめ

安蘭けい(アランケイ)

安蘭けい

この15年で最も印象に残っていること

この度は15周年おめでとうございます。
この15年の間に私に起きたトピックスと言えば、宝塚を退団したことでしょうか。
声の出し方、動き方、演じ方など、男役がなかなか抜けなくて苦労しました。
13年経った今でもまだ時々油断すると男役がひょっこり顔を出してしまいます(笑)。
約20年続けてきたことを「忘れる」ということは難しい!と今更ながら感じています。
それと同時に、わざわざ忘れなくても、残っていても、それが今の私の個性や武器になっていると感じています。
そして、応援してくださるファンの皆さまのおかげで今も舞台生活を続けていられるんだな、と感謝の気持ちでいっぱいです。

メッセージ

これからもナタリーさんには演劇界を応援し、支え、益々盛り上げてくださることを期待しています!

継続は力なり。

最近改めて好きになった言葉です。

今後ともよろしくお願い致します。

プロフィール

滋賀県生まれ。元宝塚歌劇団星組トップスター。退団後もさまざまなミュージカルやストレートプレイ、映像作品に出演。第38回菊田一夫演劇賞、第28回読売演劇大賞優秀女優賞受賞。近年の出演作品に「Hamlet-ハムレットー」、ミュージカル「サンセット大通り」、「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」、舞台「Oslo(オスロ)」、ミュージカル「ジェイミー」「蜘蛛女のキス」、テレビドラマ「危険なビーナス」(TBS系)などがある。2021年には、芸能生活30周年記念アルバム「AVANCE」を発売。3・4月にはミュージカル「next to normal」への出演を控えている。

安蘭けいの記事まとめ

いのうえひでのり(イノウエヒデノリ)

いのうえひでのり(Photo by Yoshie Tominaga)

この15年で最も印象に残っていること

もともと楽しいものがやりたいと思ってスタートした僕らですが、2007年の劇団☆新感線は当時の社会状況もあり、Inouekabuki Shochiku-mix「朧の森に棲む鬼」(中島かずき作)や「犬顔家の一族の陰謀~金田一耕助之介の事件です。ノート」(宮藤官九郎作)、2008年の初めにはいのうえ歌舞伎☆號「IZO」(青木豪作)など、人間ドラマを強烈に意識した作品が続きました。でもそこからの揺り戻しのような感じで、SHINKANSEN☆RX「五右衛門ロック」が生まれて。僕たちにとってはある意味原点回帰のような作品だったけど、それが新宿コマ劇場のような大舞台でもウケたことに驚きましたね(笑)。その後、「鋼鉄番長」で主演の橋本じゅんさんがケガで降板したり、東日本大震災があったりと、2010年から2011年にかけてはすごく大変だったし、2017年から2018年にかけてはIHIステージアラウンド東京で「髑髏城の七人」と「メタルマクベス」をロングランしたりと、いろいろありましたねえ。でもそれらを乗り越えた自信というか、心のタフさが身に付いたと思います。演出面ではプロジェクションマッピングなどさまざまな技術が進歩しましたが、やっぱり歌舞伎やコンサートから影響を受けることが多いですね。特に歌舞伎は、観るたび新たな発見があります。

メッセージ

この2年はコロナに悩まされましたが、決まり文句のようですけどエンタテインメントは不滅だと思っています。昨年、「月影花之丞大逆転」「狐晴明九尾狩」を上演してそれを確信しました。お客さんが劇場に入って我々がパフォーマンスして、ダイレクトなリアクション込みでの芝居。お客さんがニコニコして帰っていくのを見て、やっぱり「これは無くしてはいけない、無くさないように努力しよう!」と思いました。そうそう、「狐晴明九尾狩」で陰陽道指導してくださった高橋圭也先生は、 “陰陽師もの”の芝居には祓いの力があるとおっしゃっていました。だからぜひみんなも “陰陽師芝居”をやったら良いんじゃないかって思ってるんですよね(笑)。

プロフィール

1960年、福岡県生まれ。1980年に劇団☆新感線を旗揚げ。以降、ドラマ性に富んだケレン味たっぷりの時代劇“いのうえ歌舞伎”、生バンドが舞台上で演奏する音楽を前面に出した“Rシリーズ”、いのうえ自身が作・演出を手がける笑いをふんだんに盛り込んだ“ネタもの”など、エンタテインメント性に富んだ多彩な作品群で人気を博す。第14回日本演劇協会賞、第9回千田是也賞、第57回芸術選奨文部科学大臣新人賞、第50回紀伊國屋演劇賞個人賞など受賞歴多数。近年演出を手がけた舞台に「2020年劇団☆新感線 39(サンキュー)興行・春公演 いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)」「2019年劇団☆新感線39興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎《亞》alternative『けむりの軍団』」など。2022年は3月から5月にかけて演出作「2022年劇団☆新感線 42周年興行・春公演 いのうえ歌舞伎『神州無頼街』」が控える。

いのうえひでのりの記事まとめ

井上芳雄(イノウエヨシオ)

井上芳雄(Photo by osamu kurihara)

この15年で最も印象に残っていること

一番印象に残っているのは、StarSの結成ですね。
浦井健治くん、山崎育三郎くんと3人でユニットを結成して、コンサートをして、CDデビューをし、メディアにも出て、最終的には武道館にまで行きました。
それぞれ一俳優だった自分たちが集まることにより、それまでとは違う方面でも活動して、注目してもらえ、結果としてミュージカル界にも多少の恩返しはできたのではないかと。
その後また個人に戻ってやっていく上でも、たくさんのプラスがあったと感じています。
他の2人もそう感じてくれていたらいいなあ。
自分の意識の上でも、舞台俳優という基本的には受け身の立場から、こちらからも新しいものを企画して生み出していけるという自信を得るきっかけになりました。
因みにリーダーは僕で、今のところ解散した覚えはないことをお伝えしておきます。

メッセージ

この2年間、皆さんそれぞれに大変な時間を過ごしていらっしゃると思います。
そんな中で、変わらず劇場に足を運んでくださったり、僕たちの活動に思いを馳せてくださることで、演劇を支え続けていただき本当にありがとうございます。
これまで僕たちが舞台上から語り続けてきた言葉が、今自分たちにも語りかけられている気がしてなりません。
その言葉たちを信じて、劇場という夢のゆりかごで、皆さんと一緒にその夢の真実を考える時間が持てることを、僕たちはいつでも待っています。
ステージナタリーさんも、引き続き、いやさらに力を貸して下さい。
15周年おめでとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いします。
井上芳雄

プロフィール

1979年、福岡県生まれ。2000年、大学在学中にミュージカル「エリザベート」の皇太子ルドルフ役でデビュー。舞台出演のみならず、音楽番組出演やコンサートの開催、歌手活動のほか、テレビドラマなどにも出演し、活躍の場は多岐にわたる。また、高い歌唱力と演技力で多数の演劇賞に輝く。WOWOW「オリジナルミュージカルコメディ 福田雄一×井上芳雄『グリーン&ブラックス』」にレギュラー出演するほか、TBSラジオ「井上芳雄 by MYSELF」ではパーソナリティ、NHK総合「はやウタ」では司会を務める。2月6日までミュージカル「リトルプリンス」に出演。3・4月に「奇蹟 miracle one-way ticket」、ミュージカル「ガイズ&ドールズ」が6・7月に控える。

井上芳雄の記事まとめ

黒沢ともよ(クロサワトモヨ)

黒沢ともよ

この15年で最も印象に残っていること

「声優アワード」で主演女優賞をいただいたことです。お芝居に関することで、他の人から明確に褒めて、期待してもらえたのははじめての経験でした。主演賞に関してはわたしは、わたしの力ではなく「わたしを主演にしてくれた全てのクリエイティブチームに対する賞」だと思っているのでそっくりそのまま大喜びというわけではないのですが、そんな素敵な皆様と一緒に作品作りに携われている自分がいることを自覚し、これからも芝居をして生きていくのだと腹を括ったありがたい機会でした。

メッセージ

15年前のわたしはちょうどミュージカル「マリー・アントワネット」の公演に携わっていたと思います。初めて栗山民也さんの演出に出会ったのもこの「マリー・アントワネット」で、以後わたしは栗山さんから大きな影響を受けて少女時代を過ごしました。あの頃に比べ、ミュージカルを筆頭に舞台芸術はずいぶん親しみやすくなってきたように感じます。しかし未だ演劇に触れることなく大人になった同世代に多く出逢います。わたしは演劇から多くを学び、感じてきました。演劇をはじめとした数々の物語たちに触れることでたくさん救われてきました。敷居が高いと思われますがくだらないものだってたくさんあるし、そのくだらなさをとても愛おしいと思うことも、それを知ることで普段の生活にちょっぴり優しさが増えることも、どうか知ってもらえたらなあと思っています。ナタリーさん、いつも素敵な舞台写真を添えての心あるレポートありがとうございます。とはいえチケット代も高いし、劇場に行くのも時間がかかる。幼い頃から当たり前のように劇場に行く習慣がなければ、気楽な気持ちで劇場に行くことができないという気持ちも共感します。なのでこれからの業界にはより舞台芸術に親しみを持ってもらえるような、お子さんと一緒に舞台を観に行くことが容易いような環境作りを期待しますし、わたし自身も、ある意味責任を持ってそういう環境作りに取り組んでいきたいと思っています。
最後になりますが、改めてナタリー15周年おめでとうございます。ステージナタリーに音楽ナタリー、コミックナタリー、お笑いナタリー、映画ナタリー……たくさんのエンタメに全力で向き合うナタリーさんを大尊敬しております。俳優として大感謝をしつつ、読者として大変お世話になっているので、大変だとは思いますがこれから先も末長く続けてくださると嬉しいです。わたし自身もナタリーさんに負けないように、声優として俳優として、全力であちこちに出没していけたらと思います。これからもどうぞよろしくお願いします!

プロフィール

1996年、埼玉県出身。2000年にNHK大河ドラマ「葵 徳川三代」でテレビドラマに初出演し、子役として映像や舞台で活躍。音楽ユニットSound HorizonのPVやコンサートではモーションアクターを担当し、のちにアルバム「Marchen」ではゲストボーカルを務めた。2010年に声優デビューし、出演作は「アイカツ!」「アイドルマスター シンデレラガールズ」「響け!ユーフォニアム」など多数。近年の出演舞台は、おぼんろ「ビョードロ~月色の森で抱きよせて」「メル・リルルの花火」、キ上の空論「脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。」、PAT Company「グッド・イブニング・スクール」、ミュージカル座「ひめゆり」など。2月3日からはKERA CROSS 第4弾「SLAPSTICKS」東京・シアタークリエ公演に出演し、3月には舞台「アクダマドライブ」が控える。

※「Marchen」の「a」はウムラウト付きが正式表記。

黒沢ともよの記事まとめ

末満健一(スエミツケンイチ)

末満健一(撮影:鈴木智哉)

この15年で最も印象に残っていること

加齢と共に出不精に輪がかかり、興味のある映画が劇場公開されても「配信を待つか」などと不届きな考えが浮かびます。娯楽が多様化していると言われて久しいですが、演劇の根源的な面白さというものは15年前はもちろん、何百年も前から変わらないように思います。演劇が観客の目の前で繰り広げられる出来事だということです。コロナ禍で劇場に通いづらくなった昨今、公演のライブ配信やネット発の演劇なども、新しい表現の形です。でもやはり、同じ空間を観客と共有できるという誘惑は、演劇が演劇である限りずっとなくならないのではないでしょうか。

メッセージ

15年前は大阪で活動していました。ただでさえ宣伝媒体の少ない土地柄。公演告知に四苦八苦し、いかにして情報誌に取り上げてもらおうかと頭を捻っていました。紙媒体の衰退とともに情報誌が次々となくなり、「今後どうやって宣伝したらいいんだ!?」と路頭に迷っていたところに、颯爽と現れたのがステージナタリーさんでした。いつも大変お世話になっております。ナタリーさん、15周年おめでとうございます!

プロフィール

1976年、大阪府生まれ。脚本家・演出家・俳優。関西小劇場を中心に俳優として活動したあと、2002年に自身の脚本・演出作品を発表する場として、演劇ユニット・ピースピットを旗揚げ。2019年には、自身が手がけるライフワーク的作品「TRUMPシリーズ」が10周年を迎えた。3月から5月にかけて「舞台『刀剣乱舞』綺伝 いくさ世の徒花」(脚本・演出)、5月に浪花節シェイクスピア「富美男と夕莉子」(脚本・演出)、8月に舞台「漆黒天 -始の語り-」(作・演出)、9・10月に「舞台『鬼滅の刃』其ノ参 無限夢列車」(脚本・演出)が上演されるほか、初夏に映画「漆黒天 -終の語り-」(脚本)が公開される。

末満健一の記事まとめ

ソニン

ソニン

この15年で最も印象に残っていること

15年前に私はミュージカルデビューしました。舞台に身を捧げ続けた15年間、すべてが意味をもたらしてくれた出会いだらけでしたが、やはりミュージカルの出会い無くしては今の私はいません。15年前に乾杯。

メッセージ

15年間でエンタメ界もたくさん変化しました。時代や世代も、世の中も変わっていく中で、やはりライブのエンタメの尊さはいつまでも変わらないと感じています。ナタリーさんもこれからも変化への順応と共に、エンタメの素晴らしさを届ける我々の気持ちの代弁、よろしくお願いします。この度はおめでとうございます!!

プロフィール

1983年、高知県生まれ。2000年にEE JUMPのメインボーカルとして「LOVE IS ENERGY!」でCDデビュー。2001年に「おっととっと夏だぜ!」がヒットする。同年よりソロ活動を開始し、2002年に発表したシングル「カレーライスの女」が話題を呼ぶ。2007年には初のミュージカル「スウィーニー・トッド」に出演。2015年にはミュージカル「RENT」「ダンス・オブ・ヴァンパイア」と「トロイラスとクレシダ」で第41回菊田一夫演劇賞を、2018年にはミュージカル「1789 -バスティーユの恋人たち-」と「マリー・アントワネット」で第26回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞した。近年の出演舞台にKERA CROSS「グッドバイ」、ミュージカル「ビューティフル」「17 AGAIN」「オリバー!」など。テレビ朝日系木曜ドラマ「となりのチカラ」にレギュラー出演中のほか、今年秋にはブロードウェイミュージカル「Kinky Boots」に出演を予定している。

ソニンの記事まとめ

平野綾(ヒラノアヤ)

平野綾

この15年で最も印象に残っていること

20歳になったばかりの15年前。
SNSの普及と共に世界中のエンタメをリアルタイムで体感できるようになり、より身近に当事者のような感覚で作品に触れることができるようになりました。
個人的なことですが、長年の夢であった舞台の世界に活動の場を移し、総合的なエンタメを体現できる機会を得ました。
最近では生活様式の変化に対応した配信事業も伸びていますが、元々舞台のような劇場空間のみを共有することに価値があるクローズドのエンタメもあれば、空間を飛び出していくジャンルのものもあります。
コロナ禍により強制的に閉鎖された娯楽の世界が……、日常生活における優先順位が低いと思われがちなエンタメが、危機を脱する為の原動力としてたくさんの方の個々の想いで繋がっていく様を、現在進行形で見ている自分こそが既にエンタメの一部であるということが、とても大きな発見でした。

メッセージ

新しいものが生まれる時はいつだって不安です。
常に先を見据えながらどんな時でもアンテナを張り巡らせて、時代に取り残されないように、エンタメ業界の波に揺蕩いながら自分を確立していきたいと思います。
ナタリーさんには、そんなエンタメを作っているのは実はこんな人物なんだよ?と、人間味を感じさせていただけるインタビューで、今後も盛り上げていただきたいです。
15周年おめでとうございます!

プロフィール

1987年、愛知県生まれ。俳優、声優、歌手。1998年に児童劇団へ入団し、ドラマやCMに出演。2006年にテレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の主役・涼宮ハルヒを演じて人気を博す。その後も「DEATH NOTE」「らき☆すた」「NANA-ナナ-」といった話題のアニメに出演し、歌手としてソロデビューも果たす。舞台俳優としては「レ・ミゼラブル」「レディ・ベス」「モーツァルト!」「レベッカ」「サンセット大通り」「ブロードウェイと銃弾」「エニシング・ゴーズ」といったミュージカル作品に多数参加。2月6日までミュージカル「ヴェラキッカ」に出演しており、4・5月にはミュージカル「ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート」が控える。

平野綾の記事まとめ

松本幸四郎(マツモトコウシロウ)

松本幸四郎

この15年で最も印象に残っていること

2018年、父、私、倅の三代で同時に襲名をしたことでしょうか。
祖父、父、私で三代同時襲名を1981年にして以来、代が変わって再び三代で襲名ができたことは、三代が同時代に生きていることはもちろんのこと、父が現役で役者を勤めていること、倅が憧れを持って役者の道を歩んでいなければできなかった“奇跡”でした。
最高の幸せである奇跡を力の源として現在も舞台に立ち続けています。

メッセージ

“堂々たる嘘”というフィクションで人の心を揺さぶるエンタテインメントは、決して豊かで平和の時代にしか必要とされるものではありません。
笑う、泣く、怒る、発見する、知る、妄想をする、これは人が生きていく上で必要不可欠なものです。しかしどれも形になるものではありません。
ステージに立ち、演じる役に自分自身の心に感動という刺激を与えているエンタテインメントを1人でも多くの方と共有できることを目指しています。
その”いざない人”としてナタリーが存在し続けてほしいと願っています。

プロフィール

1973年、東京都生まれ。1979年に「侠客春雨傘」にて三代目松本金太郎を名乗り初舞台。1981年に「仮名手本忠臣蔵」七段目の大星力弥ほかで七代目市川染五郎を襲名。古典から復活狂言、新作歌舞伎まで幅広い演目に取り組む一方で、劇団☆新感線の舞台やテレビドラマ、映画などにも出演し人気を博す。2018年に高麗屋三代襲名披露公演「壽 初春大歌舞伎」にて十代目松本幸四郎を襲名した。2月19・20日に「第64回日本舞踊協会公演」、3月3日から28日まで「三月大歌舞伎」に出演する。

※「侠客春雨傘」の「侠」は旧字が正式表記。

松本幸四郎の記事まとめ

吉田都(ヨシダミヤコ)

吉田都(Photo by Joergen Axelvall)※Jorgenのoはウムラウト付きが正式表記。

この15年で最も印象に残っていること

この15年間、私は英国ロイヤル・バレエ団の退団、東日本大震災でのチャリティー公演、現役引退、そして新国立劇場の舞踊芸術監督就任と、まさに人生の転換期を過ごしましたが、その中でもやはりコロナ禍ほどインパクトを受けた出来事はありません。生身の人間が同じ空間・時間を共有し生み出される舞台芸術へ、かつてこれほどまでに大きな影響を及ぼしたことはあったでしょうか。
私の芸術監督としてのキャリアはコロナと共にスタートしました。度重なる公演中止に演目変更、日々の感染対策や大きな財政的な損失……。そんな中でも何とか活動を続けていこうと、オンライン配信など行いました。2021年5月の「コッペリア」で行った無料の無観客公演ライブ配信では、延べ16万7千人以上の方に見ていただき新たな可能性を感じました。また、皆さまからの温かい支援やメッセージに本当に勇気づけられ、国立の劇場として果たすべき役割というものを再認識できたように思います。
昨年10月にはようやく就任してから初めての新制作「白鳥の湖」を上演することができたのですが、オミクロン株の影響で2022年の公演は演目変更など、早速翻弄されています。
しかし、舞台芸術は人間らしく、心豊かにあるためにも必要不可欠。困難な道のりであっても新国立劇場バレエ団はただ毎公演、今できるベストを尽くし、何があろうとも歩みを止めずに進んでいくのみです。

メッセージ

まずは15周年、本当におめでとうございます。
15年の間で世の中には様々な変化がありましたが、舞台芸術とウェブメディアの在り方も非常に変わったように思います。そんな中でナタリーさんはエンターテインメント専門のウェブメディアとして、先頭に立ってきてくださいました。
芸術監督に就任してから、ますますウェブメディアを通してバレエについて発信することの重要性を感じております。ぜひ今後ともバレエの裾野を広げ、魅力を伝えていくために協働していけましたら幸いです。

プロフィール

東京都生まれ。9歳でバレエを習い始め、1983年にローザンヌ国際バレエコンクールでローザンヌ賞受賞。同年、英国ロイヤル・バレエ学校に留学。1984年、サドラーズ・ウェルズ・ロイヤルバレエ団(現バーミンガム・ロイヤル・バレエ団)へ芸術監督ピーター・ライトに認められて入団し、1988年にプリンシパル昇格。1995年に英国ロイヤル・バレエ団へ移籍後、2010年に退団するまで、約22年にわたり同バレエ団でプリンシパルを務めた。2020年、新国立劇場舞踊部門の芸術監督に就任。2001年芸術選奨文部科学大臣賞、2006年英国最優秀女性ダンサー賞、2011年第52回毎日芸術賞、2019年菊池寛賞など、受賞歴多数。2007年に紫綬褒章ならびに大英帝国勲章(OBE)を受章し、2017年には文化功労者に認定された。

吉田都の記事まとめ

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