櫻坂46武道館で守屋茜&渡辺梨加を送り出し2年目へ、Buddiesと心に刻んだ思い出のユニット曲

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櫻坂46のアニバーサリーライブ「1st YEAR ANNIVERSARY LIVE」が12月9、10日に東京・日本武道館で開催された。

左から守屋茜、渡辺梨加。(撮影:上山陽介)

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櫻坂46は昨年10月、欅坂46から現在のグループ名に改名して再出発。コロナ禍の中で最大限の活動を続け、昨年12月9日に1stシングル「Nobody's fault」をリリースしてからちょうど1周年を迎えたこのタイミングで「1st YEAR ANNIVERSARY LIVE」を行った。1期生として欅坂46の結成時から活躍し、今年12月19日のミート&グリートを最後にグループから卒業する守屋茜、渡辺梨加にとってはこの公演がラストライブに。有料生配信の視聴者を含む多くのBuddies(櫻坂46ファンの呼称)が櫻坂46の歴史のおける重要な瞬間を目に焼き付けた。この記事では昨日12月10日の2日目公演の模様をレポートする。

田村保乃(撮影:上山陽介)

開演時刻が近付くと、守屋と渡辺による影ナレが流れ始め、「ラスト、最高の思い出を作るぞ! みんな大好き!」という言葉に大きな拍手が沸き起こる。そして「OVERTURE」が響き渡り、ライブへの期待感が日本武道館いっぱいに充満。大型のLEDスクリーンが左右に開き、ステージ上の階段に凛々しい表情を浮かべた櫻坂46が姿を現した。彼女たちは2ndシングル曲「BAN」で力強くライブの幕を開け、レーザーが飛び交う派手な演出の中、スカートの裾をはためかせながら気迫のこもったパフォーマンスで観客を圧倒。曲が終わると表情を和らげ、会場とカメラの向こうにいるBuddiesに挨拶した。1期生の田村保乃は「この1年、ホントにいろんなことがあったなと思うんですけど、全部全部大切な思い出で。不安なときもBuddiesの皆さんがいてくれて、こうして今一緒に時間を共有できていることが本当に幸せだなと思います」と現在の心境を言葉に。この1年の間に中学生から高校生になった2期生の山崎天は「メンバーの存在が一番大きいなと私は思っていて。みんなと一緒だからなんでも楽しいんです」と顔をほころばせた。

山崎天(撮影:上山陽介)

左から藤吉夏鈴、小林由依、遠藤光莉。(撮影:上山陽介)

冒頭の挨拶を終えた櫻坂46はここからクールなダンストラックを挟みつつ、息つく暇もなく楽曲を畳みかけていく。「半信半疑」ではセンターの山崎がカリスマ性に満ちた表情や、アイソレーションと呼ばれる動きを取り入れたダンスで会場中の視線を釘付けにし、「ブルームーンキス」では森田ひかるが「あ、キスしちゃった」「あ、こんなに好き」というセリフでBuddiesの胸をときめかせる。また、メンバーが晴れやかな笑顔を浮かべてお互いにハグをする「思ったよりも寂しくない」や、歌唱力に定評のある2期生の井上梨名、松田里奈の“ふたりな”によるユニット曲「On my way」が届けられると、場内が明るくさわやかな空気でいっぱいに。曲によっては天井から大型の球体型照明が現れ、歌詞の持つ世界観をステージ上で体現した。その後も緩急に富んだ構成が続き、ライブ中盤に披露されたスタイリッシュなサウンドのナンバー「ジャマイカビール」では9月より休養していた小林由依がパフォーマンスに復帰。藤吉夏鈴、遠藤光莉とともにレザーのスキニーパンツ姿でキレのあるダンスを繰り広げたあと、「このライブから少しずつ復帰していければと思います。櫻坂の2年目と一緒に、私もがんばってスタートしていきます」と意気込みを口にして盛大な拍手を浴びた。

櫻坂46「1st YEAR ANNIVERSARY LIVE」の様子。(撮影:上山陽介)

ライブが後半戦に差し掛かると、櫻坂46はポップでカラフルな衣装に着替えてステージへ。森田の迫真のソロダンスで始まるディスコロック「Dead end」、ミュージックビデオと同様にセンターの藤吉に無数の糸を絡ませる「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」というクライマックスにふさわしいナンバーを連発し、会場の盛り上がりを加速させていく。神々しく壮大なサウンドに希望に満ちた歌詞を乗せた「Buddies」ではスクリーンにBuddiesへの感謝の気持ちをつづったメッセージが映し出されたほか、山崎が「もっともっと大きなグループになって皆さんに恩返しできるようにがんばりますので、これからも一緒に坂道を駆け上ってくれますか!? ありがとう!」という聞く者の胸を打つメッセージを生き生きとした表情で叫んだ。

櫻坂46「1st YEAR ANNIVERSARY LIVE」の様子。(撮影:上山陽介)

Buddiesとの絆を確かめ合い、会場を強固な一体感で満たしたメンバーは続いて櫻坂46としての始まりの曲「Nobody's fault」を堂々と響かせ、この1年の間に重ねてきた成長、進化をはっきりと見せつける。ライブ本編のラストには躍動感みなぎる最新シングル曲「流れ弾」を投下し、小林を含むフルメンバーでのパフォーマンスをMV撮影以来に実現させた。一斉に沸き起こる拍手に包まれた彼女たちはステージ上に1列に並び、深々とお辞儀。階段上で「I」から「II」に変化する整列を見せて退場し、活動2年目も歩みを緩めることなく邁進していくことを明示した。

手紙を読み上げる守屋茜。(撮影:上山陽介)

アンコールでは守屋と渡辺の卒業セレモニーが行われ、これまでの軌跡を振り返るVTRを経て、2人が順番にステージに登場。この瞬間のために用意してきた手紙を読み上げた。黒のドレスに身を包んだ守屋は声を震わせつつ、「素敵なファンの皆さんと本当はもっとたくさんの素晴らしい景色を一緒に見たかったし、叶えたい夢もたくさんありました。けど、自分の性格はアイドルに向いていないと感じていて、何事にも嘘がつけませんでした。もっと賢く立ち回ることができたなら……私の力不足のせいでこの決断を選択してしまったこと、ごめんなさい。けれど、いつ最後になっても後悔しないように、1つひとつのお仕事にすべて本気で向き合ってきました。ここにいてできることはすべてやりきったと心から言えます」と胸の内を語る。

渡辺梨加(撮影:上山陽介)

守屋茜、渡邉理佐、菅井友香、渡辺梨加からなる青空とMARRY。(撮影:上山陽介)

一方、まぶしい純白のドレスを着た渡辺は涙ぐみながら、「メンバーのみんなとくだらないことをして笑った日々が大好きでした。何気ない日常がすごく楽しかったなと思います。でも、楽しいことばかりじゃなくて、苦手なダンスや、思うように活動できなかった時期など、つらいことも悔しいことも悲しいこともたくさんありました。そんなとき、私の周りには大好きなメンバーがいて、いつも温かく見守ってくださるファンの方がいて、たくさん支えてくれるスタッフがいて、皆さんがいるから私はここまでがんばれました。この6年間、欅坂46、櫻坂46でたくさんの愛をもらって、たくさん素敵な思い出を作って、少しは成長できたかなと思います。卒業してもグループの一員でいられたことを誇りに、これからもしっかり前を向いて自分らしく楽しくのんびり進んでいけたらいいなと思っています」とひと言ひと言丁寧に紡いだ。そして同期である菅井友香、渡邉理佐と言葉を交わした守屋と渡辺は、この4人が参加する欅坂46のユニット・青空とMARRYの楽曲「ここにない足跡」「青空が違う」をパフォーマンス。どちらも櫻坂46への改名後に披露されるのは初めてで、Buddiesはこの選曲に驚きつつもペンライトの青色に点灯させ、この瞬間を噛み締めるように心を込めて踊る4人の姿をしっかりと心に刻んだ。

櫻坂46「1st YEAR ANNIVERSARY LIVE」の様子。(撮影:上山陽介)

キャプテンである菅井は「2人は本当にたくさんのことをグループに残してくれました。いろんな乗り越えてきたことや経験が必ずこれからの2人の人生、背中を押してくれると思うし、自信を持ってやりたいことをいっぱいやって笑ってほしいなと思っています」と守屋と渡辺へエールを送り、「Buddiesの皆さんに1年前の選択が間違っていなかったと思ってもらうために、私たちは目の前の道を信じて歩み続けるしかなくて。でも、精一杯みんなで歩んでいくうちにこの1年、櫻坂というものがかけがえのない大切なものになりました。これからたくさんの方々に愛を返していきたいし、もっと大きな“櫻”を咲かせたいです。謙虚、優しさ、絆を忘れず、誇り高く、美しく咲き誇る、そんなグループを目指して、一丸となってこれからも歩み続けます」と決意の言葉を並べて挨拶。欅坂46はこの1年を締めくくる楽曲として「櫻坂の詩」を歌唱した。最後の曲を歌い終えたメンバーは守屋と渡辺へのサプライズとして1人ひとりから花を手渡し、別れの言葉を交わしていく。その後ろではスタッフが「卒業おめでとう」というプラカードを掲げ、2人の門出を祝福。桜の花びらのような紙吹雪が舞う中、両手いっぱいの花を抱えた守屋と渡辺は頬を涙で濡らしながらも、幸せそうな顔で客席に手を振っていた。

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櫻坂46「1st YEAR ANNIVERSARY LIVE」2021年12月10日 日本武道館 セットリスト

SE. OVERTURE
01. BAN
02. 美しきNervous
03. 半信半疑
04. それが愛なのね
05. 偶然の答え
06. ブルームーンキス
07. 思ったよりも寂しくない
08. Microscope
09. On my way
10. ソニア
11. 無言の宇宙
12. ジャマイカビール
13. Dead end
14. なぜ 恋をして来なかったんだろう?
15. Buddies
16. Nobody's fault
17. 流れ弾
<アンコール>
18. ここにない足跡
19. 青空が違う
20. 櫻坂の詩

※山崎天の崎はたつさきが正式表記。

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