ONE OK ROCKがWANIMAとドームで競演、3万人を熱狂に導いた一夜

17

1751

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 170 1536
  • 45 シェア

ONE OK ROCKがオーガナイザーを務める対バンライブ「SUPER DRY SPECIAL LIVE Organized by ONE OK ROCK」が5月18、19日に埼玉・ベルーナドーム、25日に大阪・京セラドーム大阪で開催された。

左からTaka(Vo / ONE OK ROCK)、KENTA(Vo, B / WANIMA)。(Photo by Masahiro Yamada)

大きなサイズで見る(全13件)

ONE OK ROCKとWANIMA。(Photo by Yukihide "JON..." Takimoto)

3日間にわたり行われた本公演。ライブは各日対バン相手が異なるオムニバス形式で行われ、ONE OK ROCKは18日にWANIMA、19日にAwich、そして25日にVaundyと競演した。ここでは約3万人が熱狂した18日公演の模様をレポートする。

WANIMA

WANIMA(Photo by Yukihide "JON..." Takimoto)

日が落ちきる前のベルーナドームにさわやかな風が吹き抜ける中、先攻のWANIMAがステージに登場。KENTA(Vo, B)は「待ちに待ったこの日がやってきたよ。ここに集まった全員に、そしてONE OK ROCKに、ありがとうを込めて」と語り、オープニングナンバーの「THANX」で冒頭から渾身の歌声を披露する。さらにKENTAは「みんなで歌おう」と観客に呼びかけ、場内をピースフルなムードへと先導。2022年3月から2024年6月にかけて、2年3カ月におよぶロングツアー「Catch Up TOUR~1Time 1Chance~」を敢行中のWANIMAは、ツアーで培った胆力やライブ力を余すことなく見せ付けた。

WANIMA(Photo by Yukihide "JON..." Takimoto)

1月に配信したアコースティックミニアルバム「1Time」のインタビュー参照:WANIMA初のアコースティックミニアルバム「1Time」特集|追憶にひたり、得たものとはで、「歳を重ねて成長していくにつれて、『歌を届けよう』という思いが強くなってきて」と語ったWANIMA。それを体現するかのように、彼らはこの日のライブで「THANX」をはじめとした数曲の冒頭を、歌声をフィーチャーしたアレンジで演奏し、曲に込めたメッセージを純度高く届けた。

2018年8月に初のドーム公演として、ベルーナドーム(当時の名称:メットライフドーム)でワンマンライブ「WANIMA Everybody!! Tour Final!!」を実施したWANIMA は、この会場に立つのは6年ぶり。KENTAはベルーナドームを“因縁の場所”と説明し、その理由として「WANIMA Everybody!! Tour Final!!」の初日にFUJI(Dr, Cho)が脱水症状のため救急車で搬送され、2日目はKO-SHIN(G, Cho)がライブ中にトイレに行ったというエピソードを語った。その後に彼は「だから今日は失敗することは許されないんですよ。WANIMAやべえ、かっけえ!と思われるようなライブをしようと思います」と力説した。

WANIMA(Photo by Yukihide "JON..." Takimoto)

「リベンジ」ではその言葉通り、3人は炎が吹き上がるステージで重低音を轟かせ、先の「THANX」のピースフルなムードとは一転した“カッコいい”WANIMAを提示。さらにKENTAが「みんなのバイブスと俺らのバイブスぶつけ合おうぜ」と前置きしてから鳴らしたのは、最新アルバム「Catch Up」の収録曲「Oh!? lie! wrong!!」のイントロ。ミクスチャーテイストのメロディでバンドの新機軸をアピールした。さらに勢いはそのままにダンサブルな「オドルヨル」、カッティングやイントロのベースフレーズが印象的な「BIG UP」でオーディエンスを踊らせた。

WANIMA(Photo by Yukihide "JON..." Takimoto)

KENTAはONE OK ROCKとの出会いや同バンドのTaka(Vo)とのエピソードについて、「最初にアリーナツアーでWANIMAを静岡に呼んでくれて。そこでTakaがLINE交換しようと言ってくれたんやけど、そこから4、5年くらい一切連絡取らんくて。Takaは俺が嫌っとるって思ったみたいで、俺は俺でTakaのことを自分と両極端におる人やと勘違いしとって。そんな中、[re:]プロジェクト(2020年6月にTakaと清水翔太が発足したプロジェクト)に誘ってくれた。そのときに腹割って話した日が何回もあったとよ。そしたらめちゃくちゃ共通点が多くて、最近では毎日一緒におって深い話まで相談する仲になってさ。ワンオクに出会えたこと、Takaに出会えたことは俺にとって財産です」と静かに語った。

WANIMAのライブの様子。(Photo by Yukihide "JON..." Takimoto)

その雰囲気を引き継ぐように、WANIMAはエモーショナルに「りんどう」をパフォーマンス。観客は曲の雰囲気に合わせて携帯のライトを灯して幻想的な光景を生み出した。そしてWANIMAはギアを入れ替えるように代表曲の「夏暁」、キラーチューン「いいから」、力強いギターリフが印象的な「眩光」、エネルギッシュなショートチューン「Hey Lady」を畳みかけ、ベルーナドームの熱気をぐんぐん上昇させる。ラストの「ともに」でKENTAは「出逢えてよかったありがとう」という歌詞にONE OK ROCKや観客への思いを込めるようにして熱唱。WANIMAはフルパワーで11曲の演奏を駆け抜け、6年前の“リベンジ”を果たした。

ONE OK ROCK

ONE OK ROCKのライブの様子。(Photo by Masahiro Yamada)

すっかり日が落ちて暗くなったベルーナドームに姿を現したのはONE OK ROCK。1曲目の「We are」はビジョンも派手な特攻も使わない、シンプルにONE OK ROCKの音楽が堪能できる演出に。場内にスケール感のあるサウンドが響きわたり、荘厳な雰囲気で彼らの演奏がスタートした。続く「Take me to the top」を境に4人はモードチェンジ。アグレッシブなパフォーマンスを繰り広げて観客のテンションを一気に引き上げる。さらに2015年にリリースされたアルバム「35xxxv」の収録曲「Cry out」をひさびさに披露し、Taka(Vo)がメインステージから伸びるセンターステージへ駆け出してオーディエンスの視線を集めた。

左からONE OK ROCKのTaka(Vo)、Toru(G)。(Photo by Masahiro Yamada)

ライブを行うのが約半年ぶりだというONE OK ROCK。Takaは「ちょっと緊張してます。でも、ステージに立ったら『よーしやったるぞ』という気持ちになってます」と奮起した。その後ONE OK ROCKはダイナミックなサウンドの「Stand Out Fit In」で半年のブランクを感じさせない強靭なグルーヴを放ち、世間へのアンチテーゼをはらんだ歌詞の「Mad World」で攻撃的な側面を提示した。

左からONE OK ROCKのRyota(B)、Toru(G)、Taka(Vo)。(Photo by Kosuke Ito)

MCでTakaはKENTAとのさまざまな共通点や重なるルーツを話しつつ「バンドのボーカリストで信頼している人って何人かしかいないんだけど、その中でも同い年で深い話ができるのは彼くらいだなと思っていて。本当に僕の大切な親友の1人」と語った。さらに「今までWANIMAとちゃんとした対バンライブってやったことなかったな。普段は(KENTAと)音楽の話をしないんですよ。まったく。だからこういう場所で歌っている姿を見ると、ちょっと他人のような感じもするんですけど、やっぱ素敵な歌手だなと思います」と賞賛した。

Toru(G / ONE OK ROCK)(Photo by Masahiro Yamada)

この日の公演は作品のリリースに紐付いたライブではないことから、セットリストは新旧楽曲を交えた構成に。Takaの「ONE OK ROCKを好きでいてくれる人たちが喜んでくれる曲をやろうと思う」という前置きから演奏されたのは、2007年リリースのアルバム「ゼイタクビョウ」の収録曲「欲望に満ちた青年団」だ。リリースから約17年という月日が経ったにも関わらず根強い人気のこの曲を、ONE OK ROCKは当時よりさらに豊かな歌唱力と安定感のある演奏でアップデートした。

ONE OK ROCKのライブの様子。(Photo by Kosuke Ito)

宇宙空間へ出発する“Wonder号”への乗車をうながす映像演出でオーディエンスの期待感が高まったところで、ONE OK ROCKは2021年発表の「Wonder」を演奏。スペーシーな映像をバックに、ハードロック調のメロディやビートに乗せて軽やかに体を揺らしながらパフォーマンスを繰り広げた。最新曲であるロックナンバー「Make It Out Alive」ではイントロのフレーズを繰り返して、観客をヒートアップさせる。4人はさらに重低音を叩き付けてヘッドバンギングをうながし、ベルーナドームを熱狂へと導いた。

Tomoya(Dr / ONE OK ROCK)(Photo by Masahiro Yamada)

ONE OK ROCKのライブではTakaが歌詞をアレンジし、観客を焚き付けるように叫ぶ姿がおなじみ。「Mighty Long Fall」では、「じゃどうする?どうしよ!」という歌詞パートで、Takaが「じゃあどうすんだよ!?」と力強く問いかけてオーディエンスを沸かせた。バンドはさらに「The Beginning」を熱演し、ステージをあとにした。

熱烈なアンコールの声を受けて、ONE OK ROCKは静かに再登場。静謐なムードの中、「Fight the night」の雄大なサウンドに乗せてTakaが伸びやかな歌声を響かせた。ここでONE OK ROCKはWANIMAをステージに呼び込む。熱唱しながら登場したKENTAに向かって、Takaが「長いよ!」とつっこむなど、2人はフランクな口調でやり取りを繰り広げ、気心知れた様子をうかがわせた。ラストナンバーは明るい曲調のエールソング「キミシダイ列車」。KO-SHINがギター演奏で参加したかと思えば、FUJIは客席へ向けてキャノン砲を発射する。さらにTakaとKENTAがアリーナの外周エリアへ駆け出し、屈託のない笑顔で並走。最後にTakaが「そのキラキラした気持ち絶対忘れんなよ!」と観客に向かって呼びかけ、晴れやかなムードで2組の対バンライブの幕を閉じた。

セットリスト

WANIMA

01. THANX
02. リベンジ
03. Oh!? lie! wrong!!
04. オドルヨル
05. BIG UP
06. りんどう
07. 夏暁
08. いいから
09. 眩光
10. Hey Lady
11. ともに

ONE OK ROCK

01. We are
02. Take me to the top
03. Cry out
04. Stand Out Fit In
05. Mad World
06. One Way Ticket
07. 欲望に満ちた青年団
08. Always coming back
09. Wonder
10. Make It Out Alive
11. Mighty Long Fall
12. The Beginning
<アンコール>
13. Fight the night
14. キミシダイ列車

この記事の画像(全13件)

もっと見る 閉じる

読者の反応

みつと @mitsuto_

【ライブレポート】ONE OK ROCKがWANIMAとドームで競演、3万人を熱狂に導いた一夜(写真13枚) https://t.co/dPN0Fdv9eX

コメントを読む(17件)

おすすめの特集・インタビュー

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 ONE OK ROCK / WANIMA の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。