第36回東京国際映画祭のオープニングを飾る「
「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」で知られるドイツ出身のヴェンダースが、日本の公共トイレに「small sanctuaries of peace and dignity(平穏と高貴さをあわせ持つ、ささやかで神聖な場所)」を見出し、清掃員の平山という男の日々のゆらぎを丁寧につづった本作。役所は第76回カンヌ国際映画祭の男優賞を受賞し、第96回アカデミー賞では国際長編映画賞の対象となる日本代表作品に選出されている。
ヴェンダースは「友人の姿も客席にありますね。1年前は絶賛撮影中だったので、友人たちに会えなかった。今、横にいるみんな(キャスト)のせいで、友達に会うことができなかったのです」と笑い交じりにとぼけつつ、「キャストもスタッフも日本人の映画。撮影のときから観客の皆さんに伺いたかったのは、『この映画はドイツ人監督が撮ったものだと思いますか?』ということ。自分はドイツの監督だと思ってきましたが、自分には日本の魂もあると感じました」と明かす。各国の映画祭での上映を振り返りつつ、多くの日本人が観る今日の上映について「今夜が本番です。ぜひ楽しんでいただきたい」と呼びかけた。
ゆったりした口調で話すヴェンダースを横目に、役所が「監督は飛行機が4時間も遅れて、ちょっと前に日本に着いたばかりで時差ボケのようです」と話すと、ヴェンダースが役所の肩で眠るしぐさで笑いを誘う一幕も。続いて役所は、「平山みたいに生きたい。この生き方がうらやましい」というヴェンダースが現場で言っていた言葉に触れ「そういう人物を目指せばいいのか、と。都会で生きている男だけど、ほかの人とは違うゆったりとした時間にいる。彼だけが森の中で静かに呼吸しているような人物だなと感じていました」と、平山の人物像を紹介した。
本作で映画初出演を果たした
平山と奇妙なつながりを持つホームレス役の
「PERFECT DAYS」は、12月22日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。明日10月24日から30日にかけて東京・TOHOシネマズ 日比谷では先行上映も行われる。このほか舞台挨拶には平山の同僚の清掃員を演じた
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