ヴィム・ヴェンダースらがカンヌで会見、役所広司「世界がもっといい方向に」

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第76回カンヌ国際映画祭で「PERFECT DAYS」(原題)の公式記者会見が行われ、キャストの役所広司中野有紗、監督のヴィム・ヴェンダース、ヴェンダースとともに脚本を手がけた高崎卓馬が登壇した。フォトコールにはキャストのアオイヤマダ田中泯も参加している。

「PERFECT DAYS」第76回カンヌ国際映画祭フォトコールの様子。

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本作は、日本の公共トイレに「small sanctuaries of peace and dignity(平穏と高貴さをあわせ持つ、ささやかで神聖な場所)」を見出したヴェンダースが、清掃員・平山の日々の小さな揺らぎを丁寧に紡いだ物語。役所が平山、中野が彼のもとを突然訪れる姪を演じた。

左からヴィム・ヴェンダース、役所広司。

ヴェンダースは本作について「コロナ禍でも東京に文化的なものが戻ってきている瞬間を捉えたいと思いました。高崎さんと去年の5月にアイデアを交換し、企画のために東京に行き、長編というアイデアをもらって2週間で書き上げました」と明かす。さらに彼は「平山さんが大好きなんです。謙虚さがあって何かに役に立つことに喜びを感じている。今、この瞬間に描きたいのはこのキャラクターなんです」と語った。

ヴィム・ヴェンダース

左から役所広司、ヴィム・ヴェンダース。

田中が扮したホームレスのキャラクターに関してヴェンダースは「田中さんは映っている時間が短かったとしても、この映画の魂です」と称賛。役所は「泯さんは木の象徴なんです。そんな彼を見ながら、平山さんもあと一歩でホームレスになった過去があるのかも。ということを考えたり、ホームレスの男が本当に実在するのか、もしくは幻なのかわからない。そんな、自分の分身のような気持ちで撮影していました」と振り返った。

中野有紗

中野は「現場に行くと監督が(役名の)『ニコ!』と手を広げて呼んでくれるんです。私自身が自然とニコになることができました」と述懐。役所は「平山の秘密を明かすなと言われているので、どういうことがあってこういう生活をしているかというのは明かせないのですが、平山みたいな人間が増えてくると世界がもっといい方向に向くと思います」と口にする。

ヴェンダースは「他の国でフィクションを作るのはとても怖いことです」と述べ、「本作は完全に外側からの目線で作品を作ることはせず、 高崎さんに常に近くにいてもらい作成することができました。そういった眼差しみたいなものは高崎さんのおかげであり、キャストのおかげです」と伝えた。

「PERFECT DAYS」(原題)は同映画祭のコンペティション部門へ正式出品されている。授賞式は現地時間5月27日に実施。

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高崎卓馬 TAKUMA TAKASAKI @takumantakuman

This team is truly the best. I have the utmost respect for all of them.
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