白石晃士や深田晃司らが称賛、自殺図った女子高生の孤独な復讐劇「彼女はひとり」

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中川奈月の監督作「彼女はひとり」を鑑賞した白石晃士深田晃司安川有果ら著名人のコメントが到着した。

「彼女はひとり」

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「彼女はひとり」ポスタービジュアル

中川が立教大学大学院の修了制作として完成させた本作は、自殺を図ったものの生還した高校生・澄子の孤独な復讐劇。その脚本の完成度の高さから芦澤明子が撮影監督を務め、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018ではSKIPシティアワードを受賞した。澄子を演じた福永朱梨は第13回 田辺・弁慶映画祭で俳優賞を獲得している。

「彼女はひとり」

「彼女はひとり」

白石は「日常を緊迫の連続に変える脚本! 青春のエグさを、サスペンスフルな時空を、ホラーのど真ん中を的確に形作る演出&撮影! そして主演・福永朱梨の観客までをも射抜く眼光! どれを取っても鋭く繊細な冴えに驚嘆し感動する、恐るべき日常サスペンス映画! とにかく最高ってことですよ!」と絶賛。福永が出演した「本気のしるし」の監督・深田は「劇場公開おめでとうございます。ロケーションの選択と切り取り方が素晴らしくて、高低差を生かし上下に配置された舞台装置を漆黒の意思を全身に湛えた福永朱梨が往還する。面白くないわけがない。次回作も楽しみです」と称賛の言葉を寄せる。

「彼女はひとり」

また安川は「冷たくて突き放した響きのするタイトルだと思ったけど、そうではなかった。彼女が周囲の偽善を暴き、拒絶し、破壊すればする程、カメラがその孤独に寄り添って、変化の兆しが訪れるのをじっと見守っているようだったのが心に残った。このとんでもない映画を初めての長編で撮ってしまった中川監督は、一体今後どうなってゆくのだろうかとちょっと心配になる」と感想をつづった。映画監督や俳優、映画祭ディレクターなど計19名によるコメントは下記に掲載。

「彼女はひとり」は10月23日より東京・K's cinemaほか全国で公開。

綾乃彩(俳優)コメント

彼女から1ミリも目が離せなかった。離してはいけない気がした。狂気を孕んだ彼女の奥深くには澄んだ何かがあるようにも思えた。澄子が本当に息を吹き返したときに私も涙が止まらなかった。とんでもない映画と出会えました。

礒部泰宏(俳優)コメント

この映画は監督・中川奈月と主演・福永朱梨という二人じゃないと生まれていない。澄子役は福永さん以外考えられないし、あの時点での福永さんの最高の芝居を引き出せたのは中川さんしかいなかったんだと、「彼女はひとり」を見終わって、そう思わされた。この二人の出会いはちょっとした奇跡だと思う。

亀山睦実(映画監督)コメント

危うげで、謎の迫力を感じる福永さんを見つめてしまう60分間
孤独な復讐をひとりで完遂しようとする主人公を演じる彼女を、今後も見守りたいと思わせる作品でした。

川瀬陽太(俳優)コメント

独り、一人、ひとり、、、それぞれが代わるがわる彼女を責め苛む世界。お前らが私を見捨てるなら私はお前らを殲滅する。彼女の手にした武器は絶望のみ。まるで狂戦士なのだ。ならば闘え! もがけ! 抗え! 悪意を叩きつける彼女の貌は、美しかった。

木村知貴(俳優)コメント

ダークな復讐劇のその先に何が待ち受けているのか、固唾を呑んで見守っていた。その瞬間が訪れた時、本能的な愛に気付かされ、人間も捨てたもんじゃないなと熱い涙が頬を伝った。まさか泣かされるとは…。

佐伯日菜子(俳優)コメント

冒頭から何かが起きるのではないかという、不穏な空気が漂い続けている。
客観的に見ているつもりが、いつの間にか同じ世界で生きているような気持ちになる。「彼女」は「私」かもしれない。あの子は「ひとり」かもしれない。水の中の小さな太陽のように、ゆらりと見える輝きを見つけた気がする。そんな苦しくて真摯な映画だった。

白石晃士(映画監督)コメント

シンプルで核心を突くタイトル! 日常を緊迫の連続に変える脚本! 青春のエグさを、サスペンスフルな時空を、 ホラーのど真ん中を的確に形作る演出&撮影! そして主演・福永朱梨の観客までをも射抜く眼光! どれを取っても鋭く繊細な冴えに驚嘆し感動する、恐るべき日常サスペンス映画! とにかく最高ってことですよ!

杉田協士(映画監督)コメント

落下したときに彼女はすべてを手放してる。だからいつでも両手は空いてる。それはいつか誰かを抱きしめるためにある。この映画を作ったすべての人たちはきっと願いつづけてる。どれだけの年月が経っても上映されるたびにその願いはスクリーンに映りつづける。

壷井濯(映画監督)コメント

世界を憎むあまり燃えてしまっている澄子の眼、僕にはうつくしい星や、たいまつの灯りの様に見えました。「彼女はひとり」に救われる「ひとり」が、きっとたくさんあると思います。ラストのあの一言まで含め、100パーセント、希望の物語。

鶴岡明史(ちば映画祭実行委員会)コメント

中川奈月監督はジャンル映画を目指していると思う。ホラー、サスペンス、メロドラマといったジャンルに魅力的な人物を登場させる。そしてその人物は時に溶鉱炉のような燃える感情を秘め、時に厭世観とも言える絶望的な感情を持ち、眼球で訴えかけてくることで、映画はジャンルを超え深みを持つ。
本作では学校という限定された場所がメインだったが、今後はその舞台が広がるのか、否ひとつの場所にこだわるのか、そこもまた楽しみである。

西山真来(俳優)コメント

彼女はひとりに打ちのめされてる。彼女はひとり、彼女はわたし、これはわたしの映画だ

長谷川敏行(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 プログラミングディレクター) コメント

初見では、主人公・澄子が同じ高校の女性教師と付き合っている幼馴染みを脅迫するという、あまりにインモラルなストーリーに脳天を殴られたような衝撃を受けた。
二度目は、澄子を演じる福永朱梨の瞳に宿る、怒りと哀しみの激しさに言葉を失った。しかし三度目は、「彼女はひとり」というタイトルとは裏腹な、中川奈月監督が澄子に託した一筋の希望に心震えた。
見る度に色を変えてゆく本作を、私はこれからも何度も見続けてゆくのだろう。

廣田朋菜(俳優)コメント

階段を自在に行き来するメランコリックな主人公に睨まれて歪んでいく幼なじみの顔を嬉々として見てしまっていた自分がいました。怖いと思った時にはもうその強さに引きずり込まれ感嘆しました。素晴らしいサスペンス/ホラー作品。中川奈月監督のファンです。

深田晃司(映画監督)コメント

劇場公開おめでとうございます。
ロケーションの選択と切り取り方が素晴らしくて、高低差を生かし上下に配置された舞台装置を漆黒の意思を全身に湛えた福永朱梨が往還する。
面白くないわけがない。次回作も楽しみです。

宮崎洋平(TAMA映画フォーラム実行委員会 TAMA NEW WAVEディレクター)コメント

福永朱梨が演じた少女・澄子の、孤独の深淵を感じさせる瞳が忘れられない。「本当のことを言おうか」と欺瞞にみちた世界への復讐を眼差したその目は、どんな涙を流しうるのか。愛が世界を壊し、愛がそれらをつなぎとめる、この異色の青春譚をスクリーンで確かめてみてほしい。

安川有果(映画監督)コメント

「彼女はひとり」、冷たくて突き放した響きのするタイトルだと思ったけど、そうではなかった。彼女が周囲の偽善を暴き、拒絶し、破壊すればする程、カメラがその孤独に寄り添って、変化の兆しが訪れるのをじっと見守っているようだったのが心に残った。このとんでもない映画を初めての長編で撮ってしまった中川監督は、一体今後どうなってゆくのだろうかとちょっと心配になる。

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(c)2018「彼女はひとり」

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