山形国際映画祭2015、ペドロ・コスタ監督最新作が国際コンペで大賞獲得

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10月8日より開催されている山形国際ドキュメンタリー映画祭2015の受賞結果が、本日14日に発表された。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2015で大賞に輝いたペドロ・コスタ。

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山形国際ドキュメンタリー映画祭2015授賞式の様子。

「ホース・マネー」

インターナショナル・コンペティション部門には、116の国と地域から1196本の応募があり、15本が上映作品に選ばれた。そのうち大賞にあたるロバート&フランシス・フラハティ賞に輝いたのは、ポルトガル出身の監督ペドロ・コスタの最新作「ホース・マネー」。自身の過去作「コロッサル・ユース」同様、リスボン郊外のスラム街に暮らす人々の記憶と苦しみをあぶり出した作品となっており、総評として「旧作での確信は剥ぎ取られ、あとに生じたものは、呪文、祈り、塊、部分的にしかつかめない記憶の映画、夢のドキュメンタリー、夢としてのドキュメンタリー、幽霊譚とも言われかねないものだ」と言及されている。

「真珠のボタン」 (c)Atacama Productions, Valdivia Film, Mediapro, France 3 Cinema - 2015

また、2011年出品作「光のノスタルジア」に続き、「真珠のボタン」でも最優秀賞を獲得した監督パトリシオ・グスマンは、メールにて「『光のノスタルジア』と『真珠のボタン』は2部作で、その両方が山形国際ドキュメンタリー映画祭で最優秀賞を受賞したことを大変うれしく思います」と喜びを伝えた。両作は、東京・岩波ホールなどで現在公開中。

「祖国─イラク零年」

アジアの新進ドキュメンタリー作家による作品が集うアジア千波万波部門では、マーヤ・アブドゥル=マラクによるフランス・レバノン合作「たむろする男たち」が小川紳介賞に選出された。審査員からは「故郷を捨てた者の悲痛な哀しみが、巧みな映画的手法により、思いやりのあふれた物語に結晶した」との評価を受けている。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2015では、明日10月15日に受賞作の一部が一挙上映される。そのほかの受賞結果は以下の通り。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2015 受賞結果

インターナショナル・コンペティション

<ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)>
「ホース・マネー」監督:ペドロ・コスタ

<山形市長賞(最優秀賞)>
「真珠のボタン」監督:パトリシオ・グスマン

<優秀賞>
「祖国 ─ イラク零年」監督:アッバース・ファーディル
「銀の水 ─ シリア・セルフポートレート」監督:オサーマ・モハンメドウィアーム・シマヴ・ベデルカーン

<特別賞>
「女たち、彼女たち」監督:フリア・ペッシェ

アジア千波万波

<小川紳介賞>
「たむろする男たち」監督:マーヤ・アブドゥル=マラク

<奨励賞>
「蛇の皮」監督:ダニエル・フイ
「ラダック それぞれの物語」監督:奥間勝也

<特別賞>
きらめく拍手の音」監督:イギル・ボラ
「ミーナーについてのお話」監督:カウェー・マザーヘリー
「鉱(あらがね)」監督:小田香
「わたしはまだデリーを見ていない」監督:フマイラ・ビルキス

市民賞

「祖国 ─ イラク零年」監督:アッバース・ファーディル

日本映画監督協会賞

「私の非情な家」監督:アオリ

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