井上芳雄・花總まりが「運命」や「第九」に乗せて紡ぐ“愛”のミュージカル「ベートーヴェン」

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ミュージカル「ベートーヴェン」が、12月9日に東京・日生劇場で開幕。ステージナタリーでは、8日に行われたゲネプロの様子をレポートする。なお記事には舞台写真や演出に関する記述も含まれるため、ネタバレを避けたい読者は注意してほしい。

ミュージカル「ベートーヴェン」より。(写真提供:東宝演劇部)

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本作は、「エリザベート」「モーツァルト!」などで知られるミヒャエル・クンツェシルヴェスター・リーヴァイのコンビによるミュージカル。今年1月に韓国で世界初演された本作では脚本・歌詞をクンツェ、音楽・編曲をリーヴァイが手がけ、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの生涯を“愛”をテーマに描き出す。

本公演では演出をギル・メーメルトが担当。出演者にはルートヴィヒ役の井上芳雄、ルートヴィヒの思い人“トニ”ことアントニー・ブレンターノ役の花總まり、ルートヴィヒの弟であるカスパール・ヴァン・ベートーヴェン役の海宝直人小野田龍之介、銀行家でありトニの夫フランツ・ブレンターノ役の佐藤隆紀(LE VELVETS)、坂元健児らが名を連ねる。なお8日のゲネプロではカスパール役を海宝、フランツ役を佐藤が務めた。

ミュージカル「ベートーヴェン」より。(写真提供:東宝演劇部)

ステージ後方には大きなディスプレイが設置されており、ルートヴィヒのコンサート会場やドナウ川、花火が上がる空など、さまざまな景色が映し出され、シーンの移り変わりが示される。ルートヴィヒがピアノを演奏する場面には6人のダンサーが登場し、しなやかなダンスで彼が奏でる音楽のイメージを具現化する。また劇中には、ルートヴィヒ自身が実際にオーケストラピットに降り、タクトを振って白いかつらを被ったオーケストラのメンバーを指揮する演出も取り入れられた。

ミュージカル「ベートーヴェン」より。(写真提供:東宝演劇部)

本作のストーリーの大部分は歌によって進行。劇中音楽には「悲愴」「運命」「エリーゼのために」など、ベートーヴェンの名曲として知られる数々の楽曲が織り込まれ、キャストたちはドラマチックなメロディに乗せて掛け合いを披露した。「第九」の旋律がどのような場面で演奏されるか、ぜひ劇場で確かめよう。

ミュージカル「ベートーヴェン」より。(写真提供:東宝演劇部)

ルートヴィヒは身体の後ろで両手を組んで早足で歩く、少し神経質そうな人物。父から虐げられて育ち、愛を信じないルートヴィヒは、ピアノの演奏技術や音楽は評価されていても周囲からは敬遠されており、聴力を失うと診断されたことで絶望する。井上はそんなルートヴィヒが、トニと出会って関係を深めていくことで少しずつ周囲との関わり方を変化させていくさまを、多彩な歌声で感情豊かに表現した。

ミュージカル「ベートーヴェン」より。(写真提供:東宝演劇部)

ミュージカル「ベートーヴェン」より。(写真提供:東宝演劇部)

ミュージカル「ベートーヴェン」より。(写真提供:東宝演劇部)

花總は、満たされた生活を送りながらも恋愛を知らず、虚しさを感じているトニが、ルートヴィヒとの出会いをきっかけに様々な感情に揺り動かされる様子を、表情の繊細な変化で表す。酒に酔ったトニがルートヴィヒの手を取って踊り出す場面では、その愛らしさで観客を魅了した。また海宝は、カスパールが兄ルートヴィヒと激しく対立するシーンで、井上と力強いデュエットを披露。さらに佐藤は、「金がすべて」と言うフランツを、重厚感のある歌声を響かせて演じた。

上演時間は休憩25分を含む約2時間50分。東京公演は12月29日まで行われ、その後1月4日から7日まで福岡・福岡サンパレス、12日から14日まで愛知・御園座、19日から21日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホールで上演される。

ミュージカル「ベートーヴェン」 井上芳雄&花總まり、クンツェ&リーヴァイの貴重な4ショット

この記事の画像・動画(全8件)

ミュージカル「ベートーヴェン」

2023年12月9日(土)~29日(金)
東京都 日生劇場

2024年1月4日(木)~7日(日)
福岡県 福岡サンパレス

2024年1月12日(金)~14日(日)
愛知県 御園座

2024年1月19日(金)~21日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出:ギル・メーメルト

キャスト

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(孤高の音楽家):井上芳雄
アントニー・ブレンターノ(ベートーヴェンの想い人“トニ”):花總まり
カスパール・ヴァン・ベートーヴェン(ベートーヴェンの弟):海宝直人小野田龍之介
ベッティーナ・ブレンターノ(“トニ”の義理の妹):木下晴香
バプティスト・フィッツオーク(野心家の弁護士):渡辺大輔
ヨハンナ・ベートーヴェン(カスパールの妻):実咲凜音
フェルディナント・キンスキー公(ベートーヴェンのパトロンの一人):吉野圭吾
フランツ・ブレンダーノ(銀行家であり“トニ”の夫):佐藤隆紀(LE VELVETS)、坂元健児

家塚敦子中山昇、中西勝之 / 岡崎大樹、鈴木凌平、福永悠二、樺島麻美、松島蘭、横山博子、荒木啓佑、川島大典、後藤晋彦、田中秀哉、俵和也、村井成仁、横沢健司、彩橋みゆ、池谷祐子、石原絵理、大月さゆ、島田彩、原広実、樋口綾、吉田萌美

ショルシュ:西田理人、三木治人
マクセ:井澤美遥、長尾侑南、若杉葉奈

※海宝直人と小野田龍之介、佐藤隆紀と坂元健児はWキャスト。

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真珠 @mieko__0606

【公演レポート】井上芳雄・花總まりが「運命」や「第九」に乗せて紡ぐ“愛”のミュージカル「ベートーヴェン」(舞台写真あり) https://t.co/uT3asGp0Xo

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