デラシネラ新作はカミュの未完小説をモチーフにした「the sun」

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小野寺修二率いるカンパニーデラシネラの新作公演「the sun」が、来年3月22日から24日まで東京・シアタートラムにて上演される。

カンパニーデラシネラ 新作公演「the sun」イメージビジュアル

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これはアルベール・カミュ未完小説をモチーフにした作品。演出を小野寺が担い、音曲師の桂小すみが音楽を手がける。上演に向けて小野寺は「今回のデラシネラ新作『the sun』で描くのは、アルベール・カミュの自伝と言われる未完小説をモチーフとした、尊厳と誇りと家族についての物語です」とコメントした。

出演者には數見陽子、丹野武蔵、鈴鹿通儀藤田桃子、そして小野寺が名を連ねている。チケットは来年1月に販売予定。

小野寺修二コメント

アルベール・カミュのエッセイに、こんなくだりがあります。「私は所有ということを知らない…(中略)…あり余りはじめるやいなや消滅するあの自由に貪欲なのだ…(中略)…私はなにも羨望しない。それは私の権利である」そしてカミュは「太陽は私に、歴史がすべてではないことを教えてくれた」と言います。

カミュの反語的姿勢を考えると、何周もした「羨望しない」と感じますが、僕自身、持たないことからくる自由、ということに実感があります。金銭面だけではない所有、例えば際限なく求める情報、際限なく求める快適さ、人と横並びたい心境、そしてそこから離れるには? 立ち止まることと沈黙にヒントがあると思っています。一度止まる。

カミュの母親は、ろう者だったそうです。家族を描くカミュの視線。その心に通底する信念。カミュはいつか書く作品の中心に据えたいこととして次をあげます。「一人の母親の素晴らしい沈黙と、この沈黙に釣合う愛や正義を見出すための一人の男の努力」

今回のデラシネラ新作「the sun」で描くのは、アルベール・カミュの自伝と言われる未完小説をモチーフとした、尊厳と誇りと家族についての物語です。

(アルベール・カミュの文章抜粋は全て「裏と表(訳:高畠正明)」より)

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カンパニーデラシネラ 新作公演「the sun」

2024年3月22日(金)~24日(日)
東京都 シアタートラム

演出:小野寺修二
音楽:桂小すみ
出演:數見陽子、丹野武蔵、鈴鹿通儀藤田桃子、小野寺修二

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