歌舞伎座新開場十周年「錦秋十月大歌舞伎」夜の部「『水戸黄門』讃岐漫遊篇」で水戸光圀（水戸黄門）を勤める
「『水戸黄門』讃岐漫遊篇」は、宮川一郎が作劇、齋藤雅文が演出を手がける作品。彌十郎は、光圀役のオファーを受けたときの心境を「びっくりしました」と明かし、「僕で大丈夫なの？と思いましたが、せっかくのチャンス。お客様にはほっこりして、ご覧いただいたあと、にこやかに帰ってもらえる水戸黄門になりたいですね」と意気込みを述べる。また去る9月21日に発表された「水戸黄門」ポスタービジュアルの反響に「『水戸黄門史上一番背が高い』『助さん格さんより強いんじゃないか』とのお声をよく見かけました（笑）。反応していただくこと自体、とてもありがたい。実際に衣裳を着てみると、こういう笑顔になりますね」と微笑み、「子供の頃から、月形龍之介さんを始め、いろいろな方々の黄門様を拝見していました。実はうちの父（坂東好太郎）も黄門様を演じていたんですよ。そういった歴代の黄門様のイメージは僕の中にもありますし、お客様にとっても違和感のないよう、役を作り上げていければ」と語る。
作中では、水戸黄門が、お供の佐々木助三郎（助さん）と港屋辰五郎（格さん）と共に、お忍びで訪れた四国の讃岐を舞台にした物語が描かれる。水戸の百姓老爺に身分を偽った光圀がうどん屋にいると、そこで領主・松平頼常に対する領民たちの不満を耳にする。実は、頼常は光圀の長男だった。今作の魅力について「黄門様と頼常だけではなく、作中にはさまざまな親子が出てきます。彼らの“親子の情愛”というものにほんわかしていただければ」と述べる。
また、今回助三郎を中村福之助、辰五郎を中村歌之助が勤める。彌十郎は「福之助さんが助さん、歌之助さんが格さんとして出てくれるのは安心ですね。2人の出演が決まったとき、ちょうど同じ興行に出演していたので、彼らの楽屋に行き、『ちょっと後ろに立ってくれない？』と3人で鏡の前に立って、並びのバランスを確認しました。2人は不思議そうな顔をしていましたね（笑）」と笑顔を見せる。さらに「2人のことは小さい頃から知っていて、今でも（2人の本名から）“むねちゃん（福之助）”、“よっちゃん（歌之助）”と呼んでしまいますね。むねちゃんは、平成中村座のニューヨーク公演のときも一緒で、そのときたくさん僕の似顔絵を描いてくれたんですよ。今、その似顔絵を彼に見せると恥ずかしがるのですが（笑）、未だに鏡台の中に大事にしまっています」と話した。「錦秋十月大歌舞伎」は10月2日から25日まで東京・歌舞伎座にて。
歌舞伎座新開場十周年「錦秋十月大歌舞伎」
2023年10月2日（月）～25日（水）
東京都 歌舞伎座
昼の部
「天竺徳兵衛韓噺」
作：四世鶴屋南北
出演
天竺徳兵衛：尾上松緑
梅津掃部：坂東亀蔵
佐々木桂之介：坂東巳之助
銀杏の前：坂東新悟
奴磯平：中村吉之丞
山名時五郎：中村松江
宗観妻夕浪：市川高麗蔵
吉岡宗観：中村又五郎
「文七元結物語」
口演：三遊亭圓朝
脚本・演出：山田洋次
脚本：松岡亮
出演
左官長兵衛：中村獅童
長兵衛女房お兼：寺島しのぶ
近江屋手代文七：坂東新悟
長兵衛娘お久：中村玉太郎
家主甚八：片岡亀蔵
角海老女将お駒：片岡孝太郎
近江屋卯兵衛：
夜の部
「『双蝶々曲輪日記』角力場」
出演
濡髪長五郎：中村獅童
藤屋吾妻：中村種之助
濡髪弟子閂：市村光
茶亭金平：松本錦吾
山崎屋与五郎 / 放駒長吉：坂東巳之助
「菊」
作：中内蝶二
出演
菊の精：中村雀右衛門
菊の精：市川男寅
菊の精：中村虎之介
菊の精：中村玉太郎
菊の精：中村歌之助
菊の精：中村錦之助
「『水戸黄門』讃岐漫遊篇」
作：宮川一郎
演出：齋藤雅文
出演
水戸光圀：坂東彌十郎
松平頼常：中村歌昇
うどん屋娘おそで：坂東新悟
佐々木助三郎：中村福之助
渥美格之進：中村歌之助
娘お蝶実は九紋竜の長次：中村虎之介
うどん職人茂助：澤村宗之助
目付沢木源之助：中村吉之丞
吉太郎妹お光：市川男寅
港屋の伜吉太郎：大谷廣太郎
山崎又一郎：中村亀鶴
港屋辰五郎：片岡亀蔵
うどん屋女将お源：中村魁春
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