愛とロックのフランス革命、小池徹平・神田沙也加が情熱燃やす「1789」

10

1849

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 499 1301
  • 49 シェア

ミュージカル「1789 -バスティーユの恋人たち-」が東京・帝国劇場で4月9日に開幕した。ステージナタリーでは、8日に行われたゲネプロの模様をレポートする。

ミュージカル「1789 -バスティーユの恋人たち-」ゲネプロより、小池徹平演じるロナン(左)、神田沙也加演じるオランプ(右)。

大きなサイズで見る(全6件)

ミュージカル「1789 -バスティーユの恋人たち-」ゲネプロより。

本作は、フランス革命の激動の最中に生まれた愛を描くミュージカル。2012年にフランスで誕生し、15年4月に宝塚歌劇月組が上演、16年には東宝版の初演が行われた。今回の上演版では、宝塚版、東宝版の初演に続いて小池修一郎が演出を務めるほか、農夫ロナン役を小池徹平加藤和樹、侍女オランプ役を神田沙也加夢咲ねね、マリー・アントワネット役を凰稀かなめ龍真咲が演じる。さらに三浦涼介上原理生渡辺大輔ソニン吉野圭吾坂元健児広瀬友祐岡幸二郎らも出演。なお4月8日のゲネプロには小池、神田、凰稀が登場した。

岡幸二郎演じるペイロール(左)、小池徹平演じるロナン(中央)。

舞台は18世紀末のフランス。貴族が贅沢に溺れる一方、民衆は貧困に苦しんでいた。ある日、兵士たちの理不尽な取り締まりに抗議したことで、ロナン(小池)は目の前で父を銃殺されてしまう。敵討ちを誓ってパリへと向かったロナンは、革命派のロベスピエール(三浦)、ダントン(上原)、デムーラン(渡辺)らと出会い、革命への情熱を燃やしていく。一方、王太子ルイ・ジョセフに養育係として仕えるオランプ(神田)は、マリー・アントワネット(凰稀)とフェルゼン(広瀬)の逢瀬を手引きするためにパレ・ロワイヤルへ来ていた。ひょんなことからアントワネットをつけ狙う一味との騒動に巻き込まれたロナンとオランプは、運命の出会いを果たす。

凰稀かなめ演じるマリー・アントワネット(手前)。

農民や街の人々の色あせた服装に対して、貴族の衣装にはレースやフリル、金糸があしらわれ、大きな貧富の格差をうかがわせる。夜会のシーンでは、豪奢なドレスをまとったアントワネットが舞台上方からゴンドラで登場。そこでアントワネット役の凰稀は、ベルサイユ宮殿をイメージした鏡を使用した舞台装置を背に、色鮮やかなドレスの貴族たちと華やかなパフォーマンスを繰り広げる。また、民衆が怒りと不満を爆発させて革命へと向かっていく様を、キャスト陣はエネルギッシュなダンスで表現。市民が王や貴族に抗議を行う球戯場の場面では、民衆が力強く足を踏み鳴らす振付を披露し、会場を盛り上げた。

さらに、ラマール(坂元)ら秘密警察3人組のコミカルな立ち回りも見どころの1つだ。僧侶、貴族、平民が一堂に会する三部会の場面では、議場に立つルイ16世やロベスピエールらを人形に見立て、秘密警察の面々が彼らの身体を操作しながらセリフを代弁する。ラマール役の坂元らは、観客の笑いを誘いつつ、会議の顛末を滑稽に表現した。

小池徹平演じるロナン。

ロナン役の小池は、実直な農民が革命に向かう過程を熱くまっすぐに演じる。激しいアクションやパワフルなダンスを交えながら、切実に自由を希求する若者を体現した。神田は聡明で誠実なオランプを知的に演じつつ、アントワネットへの忠誠心とロナンとの身分違いの恋心に揺れる様子を細やかに表現。また裾の大きく広がったドレスを優雅にさばく凰稀は、フェルゼンとの恋に悩みながらも、妻、母、フランス王妃として生きる道を選ぶアントワネットの気高さを、儚い表情で繊細に表した。さらに三浦、渡辺、上原の3人は革命派の面々を力強く演じ、吉野や岡もロナンらを迎え撃つ王族、貴族として貫禄たっぷりの佇まいを見せた。

神田沙也加演じるオランプ。

対立する身分の壁を越え、強く惹かれ合うロナンとオランプ。2人を主軸に、激動の時代の中でお互いを求め合う恋人たちの姿が、アップテンポなポップスやロックナンバーなど現代的な楽曲群に乗せてドラマチックに描き出された。バスティーユへの襲撃を前に、革命派の恋人たちが激しいダンスと共に披露するナンバー「サ・イラ・モナムール」を、ぜひ劇場で堪能しよう。

上演時間は25分間の休憩を含む約3時間。東京公演は5月12日まで帝国劇場で行われ、その後6月2日から25日まで大阪・新歌舞伎座、7月3日から30日まで福岡・博多座で上演される。

※初出時より、本文の表現を一部変更しました。

この記事の画像(全6件)

ミュージカル「1789 -バスティーユの恋人たち-」

2018年4月9日(月)~5月12日(日)
東京都 帝国劇場

2018年6月2日(土)~25日(月)
大阪府 新歌舞伎座

2018年7月3日(火)~30日(月)
福岡県 博多座

潤色・演出:小池修一郎

キャスト

ロナン:小池徹平加藤和樹
オランプ:神田沙也加夢咲ねね
マリー・アントワネット:凰稀かなめ龍真咲

ロベスピエール:三浦涼介
ダントン:上原理生
デムーラン:渡辺大輔
ソレーヌ:ソニン

アルトワ:吉野圭吾
ラマール:坂元健児
フェルゼン:広瀬友祐
ペイロール:岡幸二郎

磯部勉 / 増澤ノゾム岡田亮輔加藤潤一、則松亜海、渚あき、松澤重雄 /(以下男女五十音順)猪狩裕平、伊藤寛真、大久保徹哉、大場陽介、加賀谷真聡、鮫島拓馬、鈴木凌平、仙名立宗、高橋祥太、竹部匠哉、当銀大輔、橋田康、松永一哉山下銀次 / 井出恵理子、井上真由子、織里織、北田涼子、島田友愛、杉浦小百合、橋本由希子、花岡麻里名、東川歩未、平井琴望、増井紬、松島蘭

シャルロット(トリプルキャスト):佐藤芽佳、田島凛花、山口陽愛
ルイ・ジョセフ(トリプルキャスト):陣慶昭、寺崎柚空、中村琉葦

※高橋祥太の「高」ははしごだかが正式表記。

読者の反応

タカラヅカ歌劇ポータル │ 宝塚歌劇・宝塚OG情報を発信中 @zukazuka_info

愛とロックのフランス革命、小池徹平・神田沙也加が情熱燃やす「1789」 - ステージナタリー https://t.co/SYj06d9O8L

コメントを読む(10件)

おすすめの特集・インタビュー

関連記事

もっと見る閉じる

小池徹平のほかの記事

リンク

このページは株式会社ナターシャのステージナタリー編集部が作成・配信しています。 小池徹平 / 神田沙也加 / 凰稀かなめ / 小池修一郎 / 加藤和樹 / 夢咲ねね / 龍真咲 / 三浦涼介 / 上原理生 / 渡辺大輔 の最新情報はリンク先をご覧ください。

ステージナタリーでは演劇・ダンス・ミュージカルなどの舞台芸術のニュースを毎日配信!上演情報や公演レポート、記者会見など舞台に関する幅広い情報をお届けします