「水源のまったく違う演劇が並ぶ」範宙遊泳の新作、詳細が明らかに

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4月から5月に上演される範宙遊泳「範宙遊泳の宇宙冒険記6D」の詳細が明らかになった。

「範宙遊泳の宇宙冒険記6D」ビジュアル

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第1報で、主宰の山本卓卓と、アートディレクターでイラストレーターの劇団員たかくらかずきが、それぞれ新作を書き下ろすことが発表されていた本作。「宇宙冒険記6D」のタイトルのもと、初めて脚本を執筆するたかくらは、「6Dについては、縦(1)、横(2)、奥行き(3)の空間と、時間軸(4)、パラレルなレイヤー(5)、拡大率(6)。僕はそういう風に解釈しています」と説明。さらに「この人と空気が合うとか合わないとか、出会いがしらのそういうのは、お互いの体表に住む微弱電流を帯びた微生物たちが、相手の体表の微生物と通信することで判断しているという説があるそうです」「さっきある男が死んだ。死んだ男の体の上ではまだ、生物は生きている」と作品の構想を綴っている。

山本は「東京と夢の中三丁目」のタイトルで「個人的な体験に基づいた演劇をつくろうと思う。個人的な物語なので、個人的な身体が必要だと思い、悩んだ末に出演することに決めた。これまでインドやタイやニューヨークなどを旅してきて見えてきた日本のこと東京のこと故郷のこと家族のこと演劇のこと。エッセイ演劇と銘打ってしまうのは乱暴だけれど、今考えている個人的なことを演劇にしようと思う。演劇にしかできないやり方で」と意気込みを語っている。

なお本作には、ドキュントメント「となり街の知らない踊り子」でタッグを組んだ、Baobabの北尾亘が振付協力で参加している。チケットは4月1日10:00に販売開始。上演に向けてたかくらと山本がステージナタリーに寄せたコメントは以下の通り。

たかくらかずきコメント

たかくらかずき

初の脚本担当作品です。システムやルールとストーリーは相互作用関係にあるというのが僕の持論です。
いままで長らく、範宙遊泳ではシステムを担当してきたつもりです。システムがあるとそのルール内でストーリーが展開し、ストーリーが立ち上げればシステムは整備される。今回は今までのシステム構築の考え方を使ってストーリーを考えてみようと思います。人間ドラマにはあまり興味がないのですが、この世界のシステムのドラマには興味があるのです。『われらの血がしょうたい』で僕たちはインターネットの話をやりました。次に僕たちが何の話をしているのか、きっとカンのいい人はわかるんじゃないでしょうか。

山本卓卓コメント

山本卓卓

たかくらとは違って、僕は人間に興味があって演劇をはじめました。世界のシステムのドラマにも(たかくらほどではないものの)興味はありますが、そのシステムに翻弄される人々こそが常に僕の作品のエッセンスでした。そして今作もまた僕はそういう風な書き方をするでしょう。なので今企画は、水源のまったく違う2つの演劇が並ぶことになります。たかくらの脚本と僕の脚本。水源も辿り着く場所もまったく違うけど、2つの川には橋が架けられている。そんな演劇になったらいいなと思っています。

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「範宙遊泳の宇宙冒険記6D」

2017年4月29日(土)~5月9日(火)
東京都 新宿眼科画廊 スペースO

「宇宙冒険記6D」

作:たかくらかずき
演出:山本卓卓
出演:埜本幸良

「東京と夢の中三丁目」

作・演出・出演:山本卓卓
振付協力:北尾亘

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