「F/T16」“境界を越えて、新しい人へ”をテーマに、若い世代の世界観問う

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「フェスティバル / トーキョー16」(「F / T 16」)の全プログラム発表記者会見が、本日8月30日に都内で行われた。

左からミロスワフ・ブワシチャック、市村作知雄、ピョトル・ルツキ。

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10月15日から12月11日に開催される「フェスティバル / トーキョー16」。会見には、ポーランド広報文化センター所長のミロスワフ・ブワシチャック、演劇学者でヴロツワフ・ポーランド劇場ドラマトゥルクのピョトル・ルツキ、フェスティバル / トーキョー ディレクターの市村作知雄、同副ディレクターの河合千佳が登壇した。

「フェスティバル / トーキョー」ロゴ

第9回となる今年のテーマは「境界を越えて、新しい人へ」。フェスティバルのコンセプト説明を求められたディレクターの市村は、「今年は本当に、厳しい経済状況です」と第一声を発する。その上で、今年のコンセプトを考えるにあたり「若い人たちが世界をどう見ているのか、ということが疑問でした」と語る。「僕らの世代は対立構造の中で世界を見てきたけれど、生まれた時からインターネットがあり、それらを自分の身体のように使うことが可能な若い世代は、いったい世界がどう見えているのだろうか。それを知りたいと思い、今回の『境界を越えて、新しい人へ』というテーマになりました」と続ける。

また、今年のメインプログラムであるクリスチャン・ルパ演出の「Woodcuttersー伐採ー」について、ミロスワフ・ブワシチャックは「ポーランドではカルト的な人気を誇る、演劇的な事件として受け止められた作品です。日本でもこの作品が強烈なインパクトで受け止められることを期待しています」とコメント。「ポーランド演劇を日本に紹介していただくことだけでなく、世界の演劇を紹介しているという点で、フェスティバル / トーキョーは重要な文化イベントです」と語った。

「Woodcuttersー伐採ー」の舞台の様子。(Photo:Natalia Kabanow)

続けてポーランド演劇の識者として「Woodcuttersー伐採ー」へのコメントを求められたピョトル・ルツキは、「演劇は、今や歴史上ないほど危機的な状況にあります。資金援助なくしては上演そのものが不可能ですし、たとえ上演できたとしても経済的に採算が合わない。演劇はその間で引き裂かれています」と指摘。「しかし同時に演劇が非常に発展しているという証拠を、フェスティバル / トーキョーで見ることができます」とフェスティバルの開催に喜びを表す。さらにルパからのメッセージとして「日本の観客のみなさまに作品を観ていただけることがとてもうれしいですし、観客の皆さんがこの作品を観て、どのように感じてくださるのか興味深いです」と述べた。

そのあと、副ディレクターの河合から、プログラム全作品の簡単な紹介があった。今年は「Woodcuttersー伐採ー」をはじめ、韓国、ドイツなど国内外のさまざまなアーティストの作品が集結。主催プログラム16演目、4企画と連携プログラム14演目がラインナップされている。

「フェスティバル / トーキョー16」は、9月7日10:00から10日19:00まで先行割引チケットを発売、11日に一般発売を開始する。

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「フェスティバル / トーキョー16」

2016年10月15日(土)~12月11日(日)
東京都 東京芸術劇場、あうるすぽっと、にしすがも創造舎、池袋西口公園、森下スタジオ ほか

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