すごくロックした挫・人間、MC徹底削減のワンマンと思いきや

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挫・人間のワンマンツアー「みんなで!ZU・BU・NU・RE」のファイナル公演が昨日5月6日に東京・新宿red clothにて開催された。

「挫・人間 TOUR 2024『みんなで!ZU・BU・NU・RE』」東京・渋谷CLUB QUATTRO公演の様子。(撮影:百恵)

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挫・人間がロックに目覚めた!? MC徹底削減の大胆路線変更

「挫・人間 TOUR 2024『みんなで!ZU・BU・NU・RE』」東京・渋谷CLUB QUATTRO公演の様子。(撮影:百恵)

3月発表のニューアルバム「銀河絶叫」を携え、全国7会場でワンマンを行った挫・人間。各会場正式メンバーである下川リヲ(Vo, G)とマジル声児(B, Cho)に、アルバムのレコーディングにも参加したキョウスケ(G / ex. 爆弾ジョニー)とタイチサンダー(Dr / ex. 爆弾ジョニー)をサポートに迎えた4人体制でライブが繰り広げられた。この記事では4月25日の東京・渋谷CLUB QUATTRO公演の模様をレポートする。

近年の挫・人間のライブは下川がギターを使用する曲を大幅に減らしたり、MCにかなりのウェイトを割いたりすることが通例となっていたが、今回のツアーではMCの時間を極力減らし、間髪いれずに楽曲を披露していく形に進化。それに合わせて下川がギターを手にする曲も増え、ロックバンドとしての挫・人間を再定義するようなスタイルとなった。

彼らは序盤、「ソモサン・セッパ」「セイント・ギロチン」と新旧のハードなナンバーでさっそく会場を温めていく。「JKコンピューター」のあとには下川が「今日はここぶっ壊して帰ろうな!!」「死ぬつもりでやります」と物騒な発言で気合いを示してみせた。そんなコメントとは対照的に、「ギンガ」以降はポップな作風の楽曲を立て続けにセレクト。冒頭とは打って変わった楽曲群で、挫・人間の幅広い音楽性を明確に振り分けるような構成となっていた。

「俺だけがZU・BU・NU・RE……」演奏前には、下川が音源と同じくポエトリーリーディングを行うが、事前にXで「ずっと罵倒してくれても構わない」と投稿していたこともあり、隅っコ(挫・人間のファンの呼称)たちから「早く曲始めろ」「何カッコつけてんだよ」「金返せ」と容赦ない罵声を浴びる事態に。そんな中でも「ZU・BU・NU・REだーーー!!」というシャウトを行うと、フロアは一気に盛り上がりを見せた。

「下川くんの言動、全部LINEスタンプにできそう」

ステージから立ち去ろうとする下川リヲ(右)と、無言で寄り添う梶原笙(左)。(撮影:百恵)

心の折れた下川を友人・梶原笙(mokei dog)が介抱するおなじみのステージングが展開された「ピカデリーナ受精」、初期から長年披露されている「人類」といった旧楽曲を届け、隅っコから「カッコいい!」という声援を受けると、下川はしたり顔で両手を広げる。しかし金ピカな衣装も相まって、声児には「ホントに? ほぼマツケンじゃん」と突っ込まれてしまった。さらに下川は「ボボボーボ・ボーボボ」のとあるシーンをオマージュした仕草を交えて「ウ・ソ」という発言を繰り返し、それを見た声児は「今日の下川くんの言動、全部LINEスタンプにできそう」と冷静に告げた。

後半に入ると、挫・人間はタイチサンダーのスウィンギンなドラミングが象徴的なアップテンポチューン「間違いだらけの消えない情熱」、キョウスケが奏でる泣きのギターフレーズがエモーショナルな「クズとリンゴ」といった楽曲を矢継ぎ早にプレイ。本編ラストナンバー「未来・挫・フューチャー」では下川が「正解は俺さ 悲しい歌はいらない」と力強く熱唱し、隅っコたちをパワフルにリードしてみせた。

ロック終了のお知らせ、下川はやっぱりおしゃべりしたかった

下川リヲ(Vo, G)(撮影:百恵)

これまで見られなかったストイックな姿勢を示した挫・人間。アンコールに入り、下川自身も「体育みたいなライブだった」「いやー、ロックした!」と充実した様子で振り返っていた。ところが彼は舌の根の乾かぬうちに「もうロックは終わりだ!」と前言撤回。ずっと我慢していたという長尺MCを解禁すると、「今やりたい曲は下川……最強伝説、もしくは下川……“くんに”出会えてよかった」と意図せず下ネタを盛り込んでしまった。さらに「下川最強伝説」恒例の初恋相手に関する話題について、自身で調べたという近況を次々と明かすと、さすがの隅っコたちも「怖い……」と悲鳴を漏らしていた。

その後下川はメンバーに向けて「もう彼らなしでは満足できない体になりました」と妙な含みのある言い回しで感謝した。そして隅っコたちにも「みんなにも感謝されたい! 言って!!」「『好き』じゃない! 『死ね』とかもっと乱暴な言葉で私をなじって!!」と要求。ねじれた愛情表現を求めつつ、“下川サーガ”シリーズの最新曲「下川くんにであえてよかった」を壮大に演奏し、バンドも隅っコも汗まみれの“ZU・BU・NU・RE”状態でフィナーレを迎えた。

セットリスト

「挫・人間 TOUR 2024『みんなで!ZU・BU・NU・RE』」2024年4月25日 渋谷CLUB QUATTRO

01. ソモサン・セッパ
02. セイント・ギロチン
03. JKコンピューター
04. ギンガ
05. 夏・天使
06. ストリップ劇場の恋
07. 俺だけがZU・BU・NU・RE......
08. 教祖S
09. 人類終了のおしらせ
10. ピカデリーナ受精
11. 人類
12. 間違いだらけの消えない情熱
13. ゲームボーイズメモリー
14. クズとリンゴ
15. セルアウト禅問答
16. 絶望シネマで臨死
17. 未来・挫・フューチャー
<アンコール>
18.下川くんにであえてよかった

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小野 百恵 @mo_momomoOJI

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