Ken Yokoyama、言葉以上の「ありがとう」詰まった渋公ワンマン 初代メンバー・サージ飛び入りも

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Ken Yokoyamaが昨日11月9日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で東名阪ホールツアー「My One Wish Tour」の最終公演を開催。会場を埋め尽くす約2000人のファンに向けて初披露の新曲を含む23曲を披露した。

横山健(Vo, G)(撮影:半田安政)

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2023年のKen Yokoyama

2023年のKen Yokoyamaは3月から4月にかけてライブハウスツアー「Feel The Vibes Tour」、5月に東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)での単独公演「DEAD AT MEGA CITY」、8月から9月にショートツアー「Summer Dude Tour 2023」、そして10月から11月にかけてホールツアー「My One Wish Tour」を実施。来月12月には再びライブハウスを回る「These Magic Tour」の開催を控えている。多数のライブをこなす中でもKen Yokoyamaは5月と9月に相次いでシングルを発表しており、11月29日には2023年の第3弾シングルにあたる新作「These Magic Words」をリリースすることが決まっている。

“対象年齢:全年齢”を可能にするホールライブ

Ken Yokoyama(撮影:半田安政)

Ken Yokoyama(撮影:半田安政)

LINE CUBE SHIBUYAは満員。ステージ後方には「Ken Band」と書かれたバックドロップが掲げられていたが、会場の大きさに見合わない小さなもので、斜めに垂れ下がっていた。開演時間になると、横山健(Vo, G)、南英紀(G)、Jun Gray(B)、松本"EKKUN"英二(Dr)が順に定位置へ。横山は「よく来てくれました、『My One Wish Tour』、さっそく始めようか!」と宣言し、「Ten Years From Now」でライブ開演の狼煙を上げた。ライブハウスでのライブに慣れた観客が多いこともあり、客席から“緊張感”を感じ取った横山は、ユーモアを交えつつコール&レスポンスを行い、その流れで「Walk」の演奏をスタートさせる。すると客席から大合唱が沸き起こり、2021年のコロナ禍中に発表された、“現状の最新アルバム”と称される作品「4Wheels 9Lives」の表題曲でも盛大なシンガロングが。オーディエンスはバンドの演奏をかき消さんばかりの声援をステージに届けた。さらにツアータイトルにもなっている2023年第2弾シングル「My One Wish」の表題曲が投下され、観客は力強く拳を突き上げた。

Ken Yokoyamaはコロナ禍以前、主にライブハウスを主戦場としてきたが、コロナ禍の状況に合わせてホールクラスの会場でもライブをするようになった。横山はライブハウスでは前方までたどり着けない女性や子供のファンが、全席指定席のホールでは前方エリアでライブを鑑賞できることについて触れ、「ライブハウスでは得られないものがある。ここで得られないものはライブハウスで得られるんだ」とコメント。LINE CUBE SHIBUYAのステージに立つことについては「小さい頃に外国のバンドを観に来ていた渋谷公会堂。この歳になって、こういうところにチャレンジできるっていいね」と素直な感想を語った。

“抱いたことのあるゲストシンガー”登場

ハグをするサージと横山健。(撮影:半田安政)

Ken Bandとサージ。(撮影:半田安政)

8曲目を終えたところで、横山が「抱いたことのあるゲストシンガー」を招くと宣言。どよめきに包まれる中、「残念だけど木村カエラは来てないんだ(笑)」と、シングル「My One Wish」の収録曲「Tomorrow」にゲストボーカルとして参加した木村カエラはこの公演に来ていないことを告げ、巨漢のアメリカ人をステージに迎え入れた。この人物はKen Yokoyamaの初代ベーシストであるサージ。現在アメリカ在住の彼は2日前に横山に「ライブを観たい」と連絡したそうで、「観るなら出てよ」と横山が提案し、ステージに上がることに。Ken Yokoyamaはサージをゲストに迎えた体制で「上を向いて歩こう」のパンクカバーバージョン「Sucky Yacky」を披露した。

本公演中、多数の楽曲を披露しつつ、たくさんのトークを展開した横山。観客の問いかけにも気さくに応じ、自身の着ているNOFXのTシャツの話になると、このTシャツが8月にハワイ・マウイ島で起きた大規模火災のチャリティグッズであることを明かした。また横山は2011年に東日本大震災の支援活動として「We Are Fuckin' One Tシャツ」を制作し、売上金を資金に東北の被災地でフリーライブを行った過去にも触れ、「もしまた何かあったら、またやるから」とチャリティ活動への思いを述べる。そして「ちなみに今回のツアーTシャツは全部、俺の懐に入るんで(笑)」と観客を笑わせた。

「隣の奴の声がうるさい? クソ喰らえ! 歌おうぜ!」

横山健(Vo, G)(撮影:半田安政)

横山健(Vo, G)(撮影:半田安政)

Ken Yokoyamaはホール公演ならではの楽曲として「Soul Survivors」を演奏。この曲は激しい盛り上がりを見せるライブハウス公演では観客の“休憩時間”になってしまうとして、ほぼ演奏されていないミディアムチューンだ。ホール公演ではさまざまな楽曲をセットリストに組み込めるようになったという経緯を話した横山は、この曲の演奏後に「CDとかあったらさ、ぜひ歌詞も読んで聴いてほしいな」と語った。その後、客席にいる小さな子供の声に反応して笑顔を見せた横山は、「おっさんがうるさいって? 次の曲は知ってるかもよ」と言い、人気曲「I Won't Turn Off My Radio」を熱く届けた。

横山は「俺は歌ってもらうのが好きでさ。よく議論があるじゃん、『合唱されると隣の奴の声がうるさい』って。そんなんクソ喰らえ! 歌おうぜ!」と提言。「みんなで歌うのを待っていた曲だ!」と、コロナ禍中の2020年に発表したミニアルバム「Bored? Yeah, Me Too」の収録曲「Still I Got To Fight」を届けた。続けて彼らは2023年第1弾シングルの表題曲「Better Left Unsaid」を演奏して観客の体を揺らし、Ken Bandのテーマソングという位置付けの「Let The Beat Carry On」へとつなげた。

「Still Burning 」を挟み、11月29日リリースのニューシングル「These Magic Words」のタイトルナンバーが初披露されることに。横山は「今日初めて披露するよ。渋公で初披露って渋いな! うれしいな!」と述べてから、さっそくその新曲を演奏した。喝采を送る観客に向け、「『俺たちが初めて聴いたんだ!』って自慢してくれよな!」とファンの思いを代弁した。

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言葉以上の「ありがとう」を何度でも

南英紀 (G)、横山健(Vo, G)。(撮影:半田安政)

ライブ後半、「Believer」でシンガロングを巻き起こし、合唱が大好きだと話していた横山は自分のマイク、南のマイク、Jun Grayのマイクを客席に投げ入れる一幕も。そんなやんちゃっぷりを見せつつも、続くMCでは平日の夜に会場に集まってくれたファンに感謝を伝えた横山。「よくありがとうって最近言うけど、言葉以上に感謝を感じてるんだよ。ステージ上から見えるみんなのことが愛おしく思える。すげえ通じ合ってる気がするんだよな! また機会があったらぜひ会いましょう。来年は早々にアルバムを出すから! ツアーも回るよ! いろんなところに行くし、もちろん東京でもやるよ。会える人はそこでぜひ会おう」と再会を約束した。

続けて横山は「でも、もしかしたら今日が最後になってしまう人もいるわけだ。仕事の都合がつかないとか、生活上で行くことが困難になってしまったとか。それはさておき、最近ミュージシャンの訃報がすごい多いじゃんか。俺だって何があるかわからないって思いながら生活してるんだ。なんとか元気でやっていきたいけどさ、実際BUCK-TICKの方だって、X(JAPAN)の方だってそんなに俺と歳が変わらないから、同世代の人間として感じることがあるわけで。来年にライブが決まっているからといって、そのときまで俺は生きてるのかなって、ちょっとだけ思ったりするのよ」と昨今の出来事について、リアルな思いを吐露。そして「もちろん元気にやってるよ! だからみんなもまた会いに来てな! はからずも今日が最後になってしまうかもしれない人はこの曲を持って帰ってくれ。俺からのたくさんの“ありがとう”が入ってるから。あなたたちがいるから俺はここに立てているんだ、本当にありがとう」と述べてから、ラストナンバーとして「While I'm Still Around」を演奏した。「4Wheels 9Lives」収録のこの曲には「いつ永遠のさよならになるかわからないから いきているうちに『ありがとう』を言わせてくれ」というメッセージが込められている。横山は会場にいる子供たちをステージ前に集め、ピックを手渡し、笑顔でステージをあとにした。

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横山健 @KenYokoyama

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