「今年一番楽しい！」WHITE ASH、チャリティワンマン熱演

WHITE ASHが12月13日に東京・渋谷CLUB QUATTROにてワンマンライブ「Charity LIVE "Cycle"」を行った。

「Cycle」は福島県出身の山さん（G）の「震災後の地元・福島のことをもっと知ってもらいたい」という思いから企画されたライブ。昨年の初開催時に引き続き、2回目となる今年も福島と東京の2公演が実施された。

バンドにとって2015年最後のワンマンライブとなったこの日は「Insight」で幕開け。のび太（Vo, G）の「暑いところ申し訳ないんですけど、さらにガンガン攻めちゃいますけどよろしいですか？」という言葉通り、バンドは序盤から「Number Ninety Nine」「Kiddie」といったキラーチュンを畳みかけ、場内を熱気で満たしていった。

中盤にはのび太が「Cycle」について、リリースに紐付いた公演でないことからセットリストを自由に組めると説明。そして「シングルのカップリング曲ってなかなか日の目を見ないんですよね。いい曲多いんだけどね」と話し、ここからカップリング曲を続けることを明かす。2ndシングル「Kiddie」収録の「New Wave Surf Rider」ではのび太の煽りからファンがジャンプを繰り返し、5thシングル「Crowds」収録の「Queen Of Boogie-Woogie」では剛（Dr）が軽快なビートで楽曲をリードした。

またバンドは、ファンとの距離を縮めたいという思いから、この日のライブで自分たちとの共演を希望するファンを事前に募集していた。東京公演ではWHITE ASHの影響でバンドを始めたというベーシストの男性ファンが選ばれ、彼のリクエストである「I Wanna Be Your Valentine」を5人で披露することに。演奏前には「緊張しまくっている」と言っていたファンの男性も、演奏が始まるとメンバーとアイコンタクトを取りながら楽しそうに演奏。後半にはステージの前方に進んでプレイしたり、のび太と一緒に歌ったりと余裕も見せ、「めっちゃ楽しかった！」と笑顔でステージを降りた。

クリスマスをテーマにした「Xmas Present For My Sweetheart」、新曲「Blaze」を経て、ライブは後半戦へ。「Jails」では彩（B）と剛のリズム隊が変拍子を巧みに操り、「Paranoia」ではのび太がギターを置きハンドマイクで激しく動き回りながら歌唱する。盛大なシンガロングが発生した「Pretty Killer Tune」を終えると、のび太は「今年一番楽しいです！」と興奮した様子を見せた。そして最後に山さんが「Cycle」への思いを語ることに。彼は今年、もっと福島のことを知るために現地へ足を運んだ際、仮設住宅に住むお年寄りへ近隣の小学生が歌のプレゼントをしている姿に感銘を受けたと話す。そして今回のライブの収益の一部を、福島県浪江町の学校へ楽器を寄付するという形で還元するということを発表。「これからもみんなのために、自分のために音楽を届けていけたら」と決意を述べた。

最後にのび太の「『Cycle』にぴったりの歌。僕らの歌でもあり、みんなの歌でもある」という前置きから、4人は「(Y)our Song」をプレイ。照明によって明るく照らされた観客1人ひとりの顔を見るように、優しい表情でラストナンバーを届けた。

アンコールでバンドはニューアルバム「SPADE 3」を3月16日にリリースすることを発表し、アルバムの表題曲をアグレッシブに初披露。続けて「Stranger」をパフォーマンスしてワンマンライブの幕を閉じた。そして終演後4人は今回の「Cycle」のテーマが“ファンとのつながりをもっと深くする”であることから、帰るファンをハイタッチで見送ることに。ファンは大喜びで彼らとハイタッチをし、楽しそうに会場を去っていった。

WHITE ASH「Charity LIVE "Cycle"」
2015年12月13日 渋谷CLUB QUATTRO セットリスト

01. Insight
02. Thunderous
03. Number Ninety Nine
04. Kiddie
05. And Gypsy
06. Velocity
07. New Wave Surf Rider
08. Queen Of Boogie-Woogie
09. Faster
10. I Wanna Be Your Valentine
11. Xmas Present For My Sweetheart
12. Blaze
13. Jails
14. Crowds
15. Paranoia
16. Pretty Killer Tune
17. (Y)our Song
＜アンコール＞
18. Spade Three
19. Stranger