松坂桃李「野原一家、最高！」、3Dクレヨンしんちゃん映画で暗黒エスパーの敵役に

劇場アニメ「しん次元！クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 ～とべとべ手巻き寿司～」 の完成報告会見が本日6月5日に東京・帝国ホテルで開催。主人公の野原しんのすけ、声優の小林由美子、ゲスト声優として参加する松坂桃李、空気階段の鈴木もぐらと水川かたまり、主題歌を手がけるサンボマスターの山口隆、近藤洋一、木内泰史が出席した。

「クレヨンしんちゃん」シリーズ初の3DCGとなる本作はある夜、宇宙から飛来してきた白い光の力によって野原しんのすけの体に不思議な力が宿る物語。「モテキ」「バクマン。」で知られる大根仁が初めてアニメ映画を手がけ、長年2Dアニメを制作してきたシンエイ動画が「STAND BY ME ドラえもん」の白組とタッグを組んで制作した。

登場早々、しんのすけが「ちょっと待ったー！ 会見って聞いてたから、てっきり（MCの堂）真理子お姉さんとオラの永遠の愛を誓う結婚会見かと思って。幼稚園も休んで、はるばる春日部からやってきたって言うのに！ 真理子お姉さん以外は、なんかちょっとむさ苦しいというか、男くさいというか……」とふてくされる一幕も。堂が自分は既婚であることを伝えると、しんのすけは「なんですって！ ええー！」と驚きながら大人しく会見の席につき、完成報告がスタートした。

松坂は「しんちゃん、男くさくてごめんね」と謝りつつ、出演の感想を「小さい頃から観ていた『クレヨンしんちゃん』にまさか自分が出るとは。本当に夢のような時間でした。1つ夢が叶ったと思っています」と吐露する。映画はすでに完成しており、松坂は「とにかく野原一家、最高！ そして、しんちゃんがかっこよかったです。3Dはシリーズ史上初。早く全世界の方々に観てほしい」とアピール。松坂が息を吹き込むのは、しんのすけとは対照的に黒い光の力によって暗黒のエスパーとなり、世界への復讐を誓う非理谷充（ひりやみつる）だ。オファーを受けてから「どれぐらい、しんちゃんと絡めるのか？」と考えていたそうで「いざ台本を開いてみると、予想以上にしんちゃんと共演するシーンが多かった。緊張もありましたが、すごくうれしかったです」と回想する。松坂はしんのすけの声が入った状態でアフレコしており「ちょっと不思議な感覚。子供時代を思い出しながら、演じさせていただいた感じもありました」と明かした。

声優初挑戦となる空気階段の2人は、鈴木が国際エスパー調整委員会の顧問である池袋教授、水川が世界征服をもくろむ組織・令和てんぷく団を率いるヌスットラダマス2世に声を当てている。映画を一足早く鑑賞した鈴木は「“クレヨンしんちゃん全部入り”。初めての人も安心して楽しめるし、子供たちが5年後、10年後に観ても違った視点で楽しめる作品だと思います」と話し、水川は「試写では相方やマネージャーが近くにいたので『うわー！』って泣くのをこらえてしまったんですけど、映画館で1人で観ていたら、立ち上がれなくなるぐらい泣いてしまうんじゃないかと思います。しんちゃんのギャグとストーリー展開の緩急がすごい。もう“全部入り”ですね」と続ける。さらに水川は「今までの仕事で一番難しかった。収録は1日だけだったんですけど、120パターンぐらいの声を出して。喉がちぎれるかと思った（笑）。難しかったですけど、本当にやらせていただけてよかった」と振り返った。

サンボマスターは映画のために書き下ろした新曲「Future is Yours」を提供。監督の大根から主題歌は「ロック」と要望があったそうで、山口は「逆に俺らはロック以外やれないから（笑）。こんなに楽なことなかったですよ」と笑い混じりに打ち明ける。制作過程では、その曲調から「果たして、これがクレヨンしんちゃんの表現になるのか」と悩む場面もあったそうで、木内は「監督はそこから『もっとロックで』という感じでした」と証言。さらに山口は「この映画に、ロックンロールが流れる感動がありました。ボリュームを調整するために、全国の映画館に行きたいぐらいです」と楽曲への思いを吐露した。なお近藤の口からは、2021年8月に行われた「FUJI ROCK FESTIVAL '21」でのステージを観た大根が「主題歌は絶対にサンボマスターでやりたい」と話していたことも明かされた。

会見の途中からは、裏からしんのすけに声を当てていた小林も登場。「野原しんのすけが本当に失礼なことばかり言って申し訳ありませんでした！ あとで、みさえ母ちゃんにしっかりと叱っていただきます」と頭を下げつつ「こんな、野原しんのすけですが、映画の中ではとってもがんばってくれました。フルCGならでの迫力で、後半はジェットコースターのような感覚です」と見どころを伝える。普段のテレビアニメと映画、そして本作の演技の違いを聞かれると、「根本的なところは変わらないんですけど、アフレコのときに画が全部入ってる状態だったんです。ほかの人のお声を聞きながら演じることができて。自分の中で“しんのすけの幅”みたいなものがあるんですけど、それをちょっと超えてしまった部分がある。ラストに向かって、自分が思う“しんのすけ像”をちょっと超えた。リミットが外れたところがあったかなと思います。それはそれで新しいしんのすけを表現できたと思っています。皆さんの反応がドキドキ。楽しみにしていただけたら」と明かした。

「しん次元！クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 ～とべとべ手巻き寿司～」は8月4日より全国ロードショー。