濱口竜介、小島秀夫、富野由悠季ら20名がドキュメンタリーアニメ「FLEE」を絶賛

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ドキュメンタリーアニメ「FLEE フリー」を鑑賞した著名人20名のコメントが到着した。

「FLEE フリー」

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「FLEE フリー」

父を当局に連行され、生まれ育ったアフガニスタンから家族とともに脱出したゲイの男性アミンの半生が映し出される「FLEE フリー」。アミンや周囲の人々の安全を守るためアニメーションとして制作された。

「FLEE フリー」

映画監督の濱口竜介は「『今まさに見るべき映画』であることは間違いないが、それ以上に『他者を知ること』についての普遍的な作品でもある」と述懐。ゲームクリエイターの小島秀夫は「アニメとも実写ともドキュメンタリーとも違う難民たちの魂の記憶。本作は我々の胸を深く抉り、終わりのない“旅路”を共有する」とつづった。

「FLEE フリー」

また、アニメーション監督の富野由悠季は「本作が示している現実は、人が構築してきた社会システムが宗教もふくめて、想像以上に人に過酷であるという事実をむき出しにしている。ここまで酷いのかという現実は、アニメ主導の構成でなければ公開できなかっただろう」と分析している。

ヨナス・ポヘール・ラスムセンが監督を務めた「FLEE フリー」は6月10日より東京・新宿バルト9、グランドシネマサンシャインほか全国でロードショー。

※一部記述を修正しました。

濱口竜介(映画監督)コメント

柔らかなタッチのアニメーションは監督が主人公・アミンに対して抱く親しみを着実に観客と共有する、その最良の方法となっている。その人の生い立ちからセクシュアリティまでを知るうちに、理不尽への怒りと未来への祈りがないまぜになった感情を抱かずにはおれない。「今まさに見るべき映画」であることは間違いないが、それ以上に「他者を知ること」についての普遍的な作品でもある。

安田菜津紀(認定NPO法人Dialogue for People副代表 / フォトジャーナリスト)コメント

故郷から切り離された人々の苦難は、雨風しのげる場所を見つければ終わるわけではない。その途方もなく長い道のりを照らすのが、この映画の力だ。

小島秀夫(ゲームクリエイター)コメント

故郷を奪われたものたちはどう生きていけばいいのか? 何処に向かえばいいのか? アニメとも実写ともドキュメンタリーとも違う難民たちの魂の記憶。本作は我々の胸を深く抉り、終わりのない“旅路”を共有する。今だからこそ観るべき、いつまでも胸に刻むべき映画。

富野由悠季(アニメーション監督)コメント

本作が示している現実は、人が構築してきた社会システムが宗教もふくめて、想像以上に人に過酷であるという事実をむき出しにしている。ここまで酷いのかという現実は、アニメ主導の構成でなければ公開できなかっただろう。
その意味で見るべき作品ではあり、知るべき現実である。
その意味でいえば、日本と言う国は楽園であると教えられる。

小川彩佳(「news23」メインキャスター)コメント

余りに過酷な歩みの先、彼が辿り着いた「場所」の温もりに涙が溢れた。私もその「場所」の一部でありたい。

武田砂鉄(ライター)コメント

今日も暗闇の中で過ごしている人たちがいる。
思うことしかできない後ろめたさを抱えながらも、思うことをやめたくない。

遠藤まめた(LGBTユースの居場所にじーず代表)コメント

「難民」という二文字の背景に、数えきれない人のかけがえのない時間があることに心が揺さぶられた。

北丸雄二(ジャーナリスト・作家)コメント

世界中の「アミン」や「アミナ」たちが悲鳴も上げられずに隠れている。
悲鳴を上げたら殺される。「逃げる」ことができるのは、それだけでも幸運な者たちなのだという、とんでもない不幸がこの世界にいまも現存している。

根本かおる(国連広報センター所長)コメント

故郷とアイデンティティを失ったアミンが自分を取り戻していく旅路。生きることの意味を私たちに問いかける。

荻上チキ(評論家・ラジオパーソナリティ)コメント

なんという境遇、なんという人生、なんという映像。この映画がさらにタイムリーになってしまった現実で、それでも人々の安全を願うために。

児玉美月(映画文筆家)コメント

語ること。それはきっと、ここにいる自分を救う。語り継ぐこと。それはきっと、どこかの誰かを救う。
語り合うこと。それはきっと、わたしとあなたをもう一度出逢い直させる。

ピーター・バラカン(ブロードキャスター)コメント

誰も好き好んで難民になる人はいません。想像を絶するほど悲惨なその体験は淡々と語られるからこそずしっと刺さります。
日本でも、「避難民」と言い換えずにもう少し受け入れることができないものでしょうか。

清水晶子(東京大学 教員)コメント

そこがアフガンであれロシアであれデンマークであれ、この映画では抑圧は常に国家暴力と関わり、同性への思慕は希望として機能する。

DARTHREIDER(ラッパー)コメント

なぜ僕はここにいるのか? それは当たり前ではなく、幾つも可能性の瞬間の積み重ねだとアミンが教えてくれる。

イシヅカユウ(女優、モデル)コメント

「ずっといていい」故郷のある私にも、この映画について言えることがあるとすれば、アニメーションでも、だからこそ、恐ろしいほど伝わる重み、辛さを、どう抱えるか今悩んでいる。

望月優大(ライター)コメント

アミンを追い詰めたのは母国の危険だけではない。
彼の孤独の意味を、彼がずっと語り出せなかった理由を、私たちは知る必要がある。

山村浩二(アニメーション作家・絵本作家)コメント

国と家族の庇護を失った孤独に加え、クィアでもある主人公の声は、真摯で愛があり、忘れがたい。

太田尚樹(LGBTエンタメサイト「やる気あり美」編集長)コメント

誰かを想って苦しみ、誰かを想って救われる。愛の気高さを教えてくれる映画でした。

ふくだももこ(映画監督)コメント

故郷を失う/奪われるということが、その人に何をもたらすかを、アミンは静かに語り出す。アニメーションでしか描けない現実を見せてくれる、唯一無二の映画。

とんこつたろう(ラジオパーソナリティ)コメント

「自分とは何者か─その真実を他者と分かち合う勇気と恐怖、希望を捉えた瞬間に涙が溢れる。愛は知に宿ることを裏付けていたから。」

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