初春新派公演「東京物語」に向け、山田洋次らが柴又帝釈天で意気込み語る

2

36

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 8 10
  • 18 シェア

初春新派公演「東京物語」の取材会が、昨日11月10日に東京・柴又帝釈天で行われた。

東京・柴又帝釈天を訪れた初春新派公演「東京物語」出演者と、脚本・演出の山田洋次(中央)。

大きなサイズで見る(全4件)

本作は、小津安二郎監督の映画「東京物語」を山田洋次の脚本・演出で2012年に東京・三越劇場で初演したもの。2020年にも上演が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で公演中止になっていた。劇中では、昭和28年の夏、息子たちに会いに尾道から東京に上京してきた老夫婦とその家族の姿が描かれる。出演者には水谷八重子、田口守、瀬戸摩純、丹羽貞仁、石原舞子、喜多村一朗、河合雪之丞、児玉真二、波乃久里子が名を連ねた。

初春新派公演「東京物語」出演者と、脚本・演出の山田洋次(下段中央)。

「東京物語」の舞台は、1950年代の東京・金町。金町は山田の映画「男はつらいよ」シリーズの舞台になった柴又の隣にある町だ。山田は「金町は戦前から、都心に通うサラリーマンが家を建てて住んでいた場所。映画『東京物語』にはそういう中産階級の暮らしが丁寧に描かれています。登場人物たちは少年時代の寅さんに会っているかもしれませんね」と言い、「小津さんは映画『東京物語』を演出するにあたり、親世代と子供世代とで“時計”の進み方が違うということを意識していたと思う。若い世代ほど時間の流れが早くなります。舞台版もその意識を大切に作っていきたいですし、『こんな生活をしていた日本人がいたのだな』と観客が懐かしく思い返し、『人は大事なことを忘れていくんだな』と気付けるような作品になれば」と続けた

東京を訪ねる老夫婦の妻・平山とみ役の八重子は「とても身につまされるお芝居です」と語り、「おじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さん、そして子供たち。世代ごとに生活のやり方が変わっていることが描かれていて、その描写は現代にもつながっていると感じます」とコメント。

老夫婦の長女・金子志げ役を務める久里子は「お正月から山田洋次監督のもとで公演ができる。こんなにうれしいことはございません」と上演を喜ぶ。また久里子は、志げの父・平山周吉役の田口守や、兄・平山幸一を演じる丹羽貞仁よりも、実際には自分のほうが年上であることに触れて「歳の差を克服して、初日までに何としても20歳は若くなりたい(笑)」と一同の笑いを誘い、「本当に楽しみにしています! 1人でも多くの方に観てほしい」と観客にメッセージを送った。

公演は来年1月2日から26日まで三越劇場で行われる。

この記事の画像(全4件)

初春新派公演「東京物語」

2024年1月2日(火)~26日(金)
東京都 三越劇場

原作:小津安二郎、野田高梧「東京物語」より
脚本:松岡亮
脚本・演出:山田洋次

キャスト

平山とみ:水谷八重子
平山周吉:田口守
平山紀子:瀬戸摩純

平山幸一:丹羽貞仁
平山文子:石原舞子
平山敬三:喜多村一朗

加代:河合雪之丞
金子庫造:児玉真二
金子志げ:波乃久里子

佐堂克実、只野操、三原邦男、鈴木章生、矢野淳子、村岡ミヨ、河合誠三郎、河合穗積、喜多村次郎、斉藤沙紀、久藤和子

読者の反応

  • 2

水元 誠 @katorangerZ

【会見レポート】初春新派公演「東京物語」に向け、山田洋次らが柴又帝釈天で意気込み語る
「東京物語」の舞台は、1950年代の東京・金町。
公演は来年1月2日から26日まで三越劇場で行われる。 https://t.co/N3uuug7dD0
#葛飾区
#金町
#三越劇場 https://t.co/O0VhXTXRHo

コメントを読む(2件)

おすすめの特集・インタビュー

関連記事

山田洋次のほかの記事

リンク

このページは株式会社ナターシャのステージナタリー編集部が作成・配信しています。 山田洋次 / 水谷八重子 / 波乃久里子 / 瀬戸摩純 / 河合雪之丞 / 小津安二郎 / 東京物語 の最新情報はリンク先をご覧ください。

ステージナタリーでは演劇・ダンス・ミュージカルなどの舞台芸術のニュースを毎日配信!上演情報や公演レポート、記者会見など舞台に関する幅広い情報をお届けします