口を裂かれた青年が“本当の笑顔”求め葛藤、浦井健治らの「笑う男」開幕

6

1261

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 304 939
  • 18 シェア

ミュージカル「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」が、本日4月9日に東京・日生劇場で開幕。初日に先駆けて、同日、囲み取材とゲネプロが行われた。

ミュージカル「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」より。

大きなサイズで見る(全19件)

脚本をロバート・ヨハンソン、音楽をフランク・ワイルドホーンが手がけた本作は、ヴィクトル・ユゴーの小説をもとに、悲しくも無垢な愛を描くミュージカル。日本初演となる今回は、翻訳・訳詞・演出を上田一豪が手がけている。

ミュージカル「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」より。

舞台は1689年、冬のイングランド。見世物として口を裂かれた少年グウィンプレン(浦井健治)は、偶然出会った興行師のウルシュス(山口祐一郎)と生活を共にすることに。成長したグウィンプレンは、その奇怪な外見で“笑う男”として有名になる。盲目のデア(衛藤美彩)と共に自らの生い立ちを演じる興行で人気を博す2人は、いつしか愛し合うようになっていた。しかしそこへ、彼らの興行に興味を持ったジョシアナ公爵(朝夏まなと)が現れ……。

ミュージカル「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」より。

ミュージカル「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」より。

浦井は力強い歌声やアクションで観客を惹きつけつつ、仲間思いの心優しいグウィンプレンが“本当の笑顔”を求めて葛藤する様子を繊細に表現。白いドレスを着た衛藤は、可憐な笑顔と美しい歌声で純真な少女デアを演じる。また朝夏は妖艶な笑みを浮かべ、富や地位、美貌を備えた貴族ゆえに、顔に傷を持つグウィンプレンに惹かれるジョシアナを体現した。

左から夢咲ねね、浦井健治、朝夏まなと、衛藤美彩。

ゲネプロ前に行われた囲み取材には浦井、夢咲ねね、衛藤、朝夏が出席。浦井は「カンパニーの皆さんが団結している。今日はゲネプロと初日で、明日も2回公演とハードスケジュールですが、このメンバーだからきっとやっていけると思います」と座組に信頼を寄せ、「のぶ兄(デヴィット役の宮原浩暢)がよくイジられていたり、石川禅さんや山口祐一郎さんといった先輩方が現場を盛り上げてくださったりと、和気あいあいとしていました」と稽古場を振り返った。

ミュージカル「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」より。

朝夏は前田文子が手がけた自身のドレスを示し、「アシンメトリーのデザインにジョシアナ公爵の歪さが表れていて、素晴らしいお衣装だと思います」と笑顔。劇中の一場面では、朝夏演じるジョシアナが、浦井演じるグウィンプレンを誘惑する。これについてインタビュアーから感想を尋ねられた朝夏は、「……誘惑してみましたがいかがですか!?」と浦井に投げかける。これを受けた浦井は「僕に聞くんですか!?」と笑いを交えつつ、「朝夏さんはピュアな方ですが、『そんなにグイグイくるの?』と驚きます。たまに“トート様”に見える(笑)」と朝夏が宝塚歌劇団時代に演じた「エリザベート」の役柄に触れながら回答し、一同の笑いを誘った。

ドレス姿の共演者たちを気遣いつつ、階段を下りる浦井健治(左から2番目)。

朝夏の誘惑の演技を「めちゃめちゃ色っぽいです!」と絶賛するのは夢咲。夢咲は、Wキャストでデアを演じる衛藤が、3月をもって乃木坂46を卒業したことに言及し、「次の世界に飛び立とうとしている美彩ちゃんを見て、私も宝塚歌劇団を卒業したときの感覚をなつかしく思い出しました。すごく刺激をもらっています」と衛藤に微笑みかけた。

ミュージカル「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」より。

本作が乃木坂46卒業後の初舞台となる衛藤は、「ねねさんには稽古のときから、『今までグループのメンバーとして行動することを考えていたかもしれないけど、卒業したら自分自身の色を出して大丈夫だよ』とアドバイスをいただきました」と夢咲とのエピソードを紹介。また衛藤が、「私は朝夏さんを“まあ姉”と呼んでいます」と明かすと、朝夏は衛藤に「美彩たん!」と呼びかけ、仲むつまじさをのぞかせた。

ミュージカル「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」より。

最後に浦井が出席者を代表してメッセージを送る。浦井は「桜の季節に日本初演の『笑う男』が上演できることがうれしいです。感動していただけるような作品にしたいと思いますので、ぜひお運びいただけたら」と挨拶し、取材は終了した。

上演時間は休憩時間25分を含む約2時間45分。公演は4月9日から29日まで日生劇場、5月3日から6日まで愛知・御園座、5月10日から12日まで富山・新川文化ホール、16日から19日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、25・26日に福岡・アルモニーサンク 北九州ソレイユホールにて。

この記事の画像(全19件)

もっと見る 閉じる

ミュージカル「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」

2019年4月9日(火)~29日(月・祝)
東京都 日生劇場

2019年5月3日(金・祝)~6日(月・振休)
愛知県 御園座

2019年5月10日(金)~12日(日)
富山県 新川文化ホール

2019年5月16日(木)~19日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

2019年5月25日(土)・26日(日)
福岡県 アルモニーサンク 北九州ソレイユホール

脚本:ロバート・ヨハンソン
音楽:フランク・ワイルドホーン
歌詞:ジャック・マーフィー
翻訳・訳詞・演出:上田一豪

キャスト

グウィンプレン:浦井健治
デア(Wキャスト):夢咲ねね、衛藤美彩
ジョシアナ公爵:朝夏まなと
デヴィット・ディリー・ムーア卿:宮原浩暢
フェドロ:石川禅
ウルシュス:山口祐一郎

中山昇上野哲也宇月颯清水彩花 / (男女五十音順)榎本成志、小原和彦、仙名立宗、早川一矢、藤岡義樹、堀江慎也、森山大輔、石田佳名子、内田智子、岡本華奈、栗山絵美、コリ伽路、富田亜希、安田カナ吉田萌美

リトル・グウィンプレン(トリプルキャスト):大前優樹、下之園嵐史、豊島青空

読者の反応

  • 6

LIM編集部 @lesmisquarti30

【会見 / 公演レポート】口を裂かれた青年が“本当の笑顔”求め葛藤、浦井健治らの「笑う男」開幕(写真19枚) - ステージナタリー https://t.co/3Wqvx5Dy5m

コメントを読む(6件)

おすすめの特集・インタビュー

関連記事

もっと見る閉じる

浦井健治のほかの記事

リンク

このページは株式会社ナターシャのステージナタリー編集部が作成・配信しています。 浦井健治 / 夢咲ねね / 朝夏まなと / LE VELVETS / 石川禅 / 山口祐一郎 / 上田一豪 / フランク・ワイルドホーン / 中山昇 / 宇月颯 の最新情報はリンク先をご覧ください。

ステージナタリーでは演劇・ダンス・ミュージカルなどの舞台芸術のニュースを毎日配信!上演情報や公演レポート、記者会見など舞台に関する幅広い情報をお届けします