鈴木裕美演出、新国立劇場「かもめ」全キャスト決定

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2019年4月に東京・新国立劇場 小劇場で上演される「かもめ」の全キャストが決定した。

上段左から朝海ひかる、須賀貴匡。下段左から岡本あずさ、渡邊りょう。

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今回出演が明らかになったのは、アルカージナ役の朝海ひかる、トレープレフ役の渡邊りょう、ソーリン役の佐藤正宏、ニーナ役の岡本あずさ、シャムラーエフ役の俵木藤汰。さらに福麻むつ美、伊勢佳世須賀貴匡天宮良、松井ショウキ、山崎秀樹、高田賢一、中島愛子が出演する。

本作は毎シーズンに1本、全キャストをオーディションで選考して上演する、新国立劇場の企画。第1弾となる今回は、翻訳を小川絵梨子、演出を鈴木裕美が手がけ、アントン・チェーホフ作「かもめ」が上演される。今回の出演者13名は、全3396通の応募から6週間の選考を経て選ばれた。

キャストの決定に際し、鈴木は「体力的には疲労困憊でしたが、皆さまの演劇や『かもめ』への美しい想いをたくさん浴び、私も想いを強く、新たにさせて頂きました。普通の稽古期間と同じくらい『かもめ』のことを考え続ける日々でしたので、明日からでも直ぐに稽古に入りたい心境ではありますが、一旦忘れて、また来年、誠実に粘り強く「かもめ」に取り組みたいと思います。どうぞご期待ください」、小川は「ご出演頂く方々にもまた今回はご出演頂くことが叶わなかった方々にも、こうして出会うことができましたことは劇場として大きな財産です。ご応募下さった皆様、こうして出会いを下さったこと、そして多大なるエネルギーと時間と想いを作品に向けて下さったことに、心より深く深く感謝申し上げます」とそれぞれメッセージを送っている。

なおチケットの一般販売は2019年2月16日にスタートする。

鈴木裕美コメント

応募総数3396名、6週間に渡るオーディションを終了し、「かもめ」全キャスト13名が決定いたしました。
30年以上の私の演劇人生の中でも群を抜いて、大変得難い、ありがたい体験でした。
誤解を恐れず正直に申し上げると、“審査”をしたという感覚はありません。
1次の段階では、「『かもめ』は読んでいません」とおっしゃる方もありましたが、オーディションという状況にも関わらず、いや、もしかしたらその状況だからかもしれませんが、心が激しく動かされる素晴らしい演技を、数限りなく拝見しました。皆さんの演技から、私が読み落としていた戯曲の意味に気づかされることも数多くありました。その真摯で、誠実で、演劇へのひたむきな想いに溢れた演技に、“審査”という言葉で向き合うのは、とても不遜なことだと強く感じました。
この度の企画ではありがたいことに、その方にご出演いただくことでの経済的な効果は考慮に入れなくて良かったので、1次から最後まで、ただその時に素晴らしかった俳優さんたちに、もう一度お越し頂くということを繰り返し、決定に至りました。数えていませんでしたが、ある役は10次まであったそうです。
全ての方の演技を拝見したのは、私とプロデューサーの二人だけですが、ただの一回も意見が割れたことはありませんでした。
最後の数人になってからのオーディションは、どの役もとても辛いものでした。「もうみんなでジャンケンで決めてくれても構わない」という冗談を口にしなければ、様々なシーンを繰り返し演じて頂く勇気が持てないほどでした。
18歳から70歳を超えた方まで、今回は戸籍上の性別も不問にしましたので、トランスジェンダーの方も、テレビでよくお目にかかる方も、失礼ながら全くお名前を存じ上げない方も、皆さま勇気を持って参加して下さったことに、言葉では言い表せないくらい深く感謝しています。
体力的には疲労困憊でしたが、皆さまの演劇や「かもめ」への美しい想いをたくさん浴び、私も想いを強く、新たにさせて頂きました。
普通の稽古期間と同じくらい「かもめ」のことを考え続ける日々でしたので、明日からでも直ぐに稽古に入りたい心境ではありますが、一旦忘れて、また来年、誠実に粘り強く「かもめ」に取り組みたいと思います。
どうぞご期待ください。

小川絵梨子コメント

「かもめ」のオーディションにご応募くださった方々、そして長期に渡るオーディションにご参加下さった方々に深く御礼申し上げます。劇場としての新しい試みに、多くの皆様からのご応募を頂きましたことを大変に有り難く、また励みに感じております。
演出家の鈴木裕美さんが熟考に熟考を重ねて下さり、今回のキャストの方々にご出演頂けることとなりました。
ご出演頂く方々にもまた今回はご出演頂くことが叶わなかった方々にも、こうして出会うことができましたことは劇場として大きな財産です。
ご応募下さった皆様、こうして出会いを下さったこと、そして多大なるエネルギーと時間と想いを作品に向けて下さったことに、心より深く深く感謝申し上げます。
このフルオーディション企画は来年以降も続けて参ります。オーディションで作品を作っていくことの豊かさを実感するために邁進して参りますので、何卒、これからもよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、今回の作品を皆様にお届けできますことを、私自身もとても楽しみにしております。
2019年4月公演「かもめ」にどうかご期待下さいませ。

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新国立劇場 2018/2019 シーズン「かもめ」

2019年4月
東京都 新国立劇場 小劇場

作:アントン・チェーホフ
英語台本:トム・ストッパード
翻訳:小川絵梨子
演出:鈴木裕美

キャスト

アルカージナ:朝海ひかる
トレープレフ:渡邊りょう
ソーリン:佐藤正宏
ニーナ:岡本あずさ
シャムラーエフ:俵木藤汰
ポリーナ:福麻むつ美
マーシャ:伊勢佳世
トリゴーリン:須賀貴匡
ドールン:天宮良
メドヴェジェンコ:松井ショウキ
ヤーコフ:山崎秀樹
料理人:高田賢一
小間使い:中島愛子

※山崎秀樹の「崎」はたつざきが正式表記。

読者の反応

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穂の国とよはし芸術劇場 PLAT @Plat_Toyohashi

1年前にこの舞台の出演者がオーディションで選ばれました。豊橋での上演は5月9日の1日だけですが、オーディション時からこれだけの力を注いでいる、新国立劇場の舞台にご注目ください。チケット発売中!https://t.co/DaXkzsEbaa

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