由来を教えて!劇団名50 その28 [バックナンバー]

匿名劇壇

団体名からもにじみ出る、クリエーションへのこだわり

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次々と新たな作り手が頭角を表す演劇界。数ある劇団の中から、ジャケ買いならぬ“劇団名買い”で観劇に行った経験はないだろうか。チラシやニュース、SNSなどで目にする劇団名は、シンプルなものから不思議な音の響きを持つもの、「どういう意味?」と目を引くものまでさまざまだが、それには名づけ主の希望や願い、さらには演劇的活動戦略が込められているはず。このコラムでは多彩な個性を放つ若手劇団たちの、劇団名の由来に迫る。劇団名が持つ秘密と共に、未来の演劇界を担う彼らの活動の軸を紐解いていく。

28番目に登場するのは、大阪を拠点に活動する匿名劇壇。2011年の結成以来、シニカルな笑いを交えた群像劇で人気を博してきた彼らは、2016年に関西の劇作家のための戯曲賞・OMS戯曲賞大賞を受賞して以来、さらに活動の場を広げている。10月28日より、扇町ミュージアムキューブ・オープニングラインナップの1つとして新作「いないいないなあ!」の上演を控える彼らに、劇団や創作への思いを聞いた。

匿名劇壇(トクメイゲキダン)

Q. 劇団名の由来、劇団名に込めた思いを教えてください。

大学3年生だった当時、団体・チームというよりも一時的なユニットであるという考えで名づけました。そのため、個性を排して名前を伏せた“匿名”を冠し、団体を意味する劇団ではなく、文壇や画壇のように“つながり・付き合い・業界”を意味する“劇壇”の文字を選びました。結果的には旗揚げメンバーと現在まで12年間一緒にいるので、すでにこの由来はまったく機能していません。

Q. 劇団の一番の特徴は?

おしゃれでスタイリッシュな作風と見せかけて、大阪生まれ大阪育ちの笑いに固執する態度が特徴的だと思います。怖い・泣ける・ヒリヒリするようなストーリーや展開の中でも、ジョークを言い放つ登場人物が必ず存在しています。

Q. 今後の目標や観客に向けたメッセージをお願いします。

演劇ならではの面白さが詰まった作品作りを目指しています。二十代は若くて尖っていたのでけっこうチヤホヤしていただきました。すでにその個性や振る舞いに起因するチヤホヤも尽きたので、より作品・コンテンツのクオリティで勝負をしているところです。ぜひ劇場でご覧くださいませ。

匿名劇壇「10年分の短編集」より。(撮影:堀川高 / kutowans studio)

プロフィール

2011年に近畿大学文芸学部芸術学科舞台芸術専攻の学生たちで結成。代表の福谷圭祐が作・演出を務める。2013年「應典院舞台芸術大祭space×drama2013」にて優秀劇団に選出され、2016年に「悪い癖」でOMS戯曲賞大賞を受賞した。

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読者の反応

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あこ @mooookuuuuu

サクッと読めて、ふふッと笑っちゃいました。ぜひ!🧚
#匿名劇壇 https://t.co/DwN49BZ2rn

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