今回のツアーには高桑圭(B, Cho)、白根賢一(Dr, Cho)、名越由貴夫(G)、権藤知彦(Manipulator, Flugelhorn, Syn)、伊澤一葉(Key, Cho)、加藤哉子(Cho, Per, Syn)という名だたるメンツが参加。Charaが作り上げた「Cocoon」の世界を、盤石のアンサンブルで再現した。
厳かな拍手がホールに響きわたる中、ステージに現れた主役のCharaは「ドキドキしちゃう。どうしよう」と言いつつ「DADAAAN」を激しく体を動かしながら熱唱し、一瞬でオーディエンスを独特の世界へと誘う。2曲目の「オルタナ・ガールフレンド」を歌い終えると「ちょっとおかしくなって帰ってね」といたずらっぽく笑い、「プラネット」「特に」など「Cocoon」の楽曲を次々と観客に届けていった。「糸し糸しと言う心」を歌う前には「恋っていいのよ。心がふわふわってなって」とはにかみ、甘いウィスパーボイスで同曲を歌い上げた。
新曲「hug」を披露したあとは、懐かしい曲が続くサプライズに満ちたブロックに突入。まずは1回しかライブで披露したことがないという「光と私」が始まり、「わあっ!」という驚きの歓声とともに興奮に満ちた空気が会場に漂う。またダブアレンジを施した「Junior Sweet」に続いて、「あたしなんで抱きしめたいんだろう?」に乗せてメンバー紹介が繰り広げられ、バンドメンバーが歌ったり、ソロを披露したりそれぞれの魅力をアピールする。さらにリボンキャノンが発射され会場中がハッピーなムードに包まれた「やさしい気持ち」、「愛の自爆装置」や「ミルク」といった楽曲で構成された豪華なメドレー、「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」「タイムマシーン」と名曲が惜しみなく披露された。
ミラーボールの光が会場内に星空を作り出し、楽曲の世界をダイレクトに伝えた「o-ri-on」を経て、Charaは観客を「Cocoon」の世界に連れ戻していく。ロックモード全開の「Lita」ではほとばしるようなエネルギーに満ちた歌声が会場に響き、熱狂はピークに達した。最後のMCでCharaはアコースティックエレキギターを抱えながら「来てくれてありがとうね。みんなが来てくれないと進化できないじゃん。何年かかっても進化できるのね。やっと歌うの恥ずかしくなくなったの、最近。20何年もかかっちゃった」と語る。続けてファンへの愛を伝えるように、ギターをかき鳴らしながら「Cocoon」を熱唱した。
アンコールでは、Charaの愛娘がツアーファイナルを祝うために花束を持って現れ観客を驚かせる一幕も。Charaは「スタッフ泣かせようとしてるな!」と言いながらもうれしそうな表情を浮かべ、「終わっちゃう! また会いたいです、近いうちに」とファンと再会を約束した。
ラストナンバーとして「世界」を届けたCharaは、ツアーを一緒に回った盟友たちとともに観客に別れを告げる。ステージ上からの挨拶にとどまらず、スタッフからタンバリンを受け取ると、権藤と白根が管楽器で奏でる「あたしなんで抱きしめたいんだろう?」に乗せて客席を練り歩くファンサービスも。そしてCharaとバンドメンバーは観客の拍手と笑顔に見送られ、軽やかな足取りでステージをあとにした。
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