WACK海外進出の第一歩刻む ASP、ExWHYZ、AiNATOAOIが魅せたロンドンの夜

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音楽事務所WACKによる初の海外公演「WACK in the UK」が、11月16日(現地時間)にイギリス・ロンドンにあるライブハウスThe Underworldで開催された。

AiNATOAOI

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「WACK in the UK」開催日のロンドン・The Underworld前。

WACK初の海外公演には、ASP、本公演のために結成されたアイナ・ジ・エンド(ex. BiSH)とダンサー兼モデルのアオイヤマダからなるスペシャルユニット・AiNATOAOI(アイナトアオイ)、そしてExWHYZの3組が出演。出演者は数日前にロンドン入りし、それぞれSNSで滞在中の様子を発信した。ロンドン公演は写真および動画撮影が許可されており、観客による反応はX(Twitter)のハッシュタグ「#WACKLondon」で確認できる。

「WACK in the UK」看板

会場となるThe Underworldがある場所は、ロンドンの中でも音楽やファッション、アートなどの街として知られるカムデンタウン。ここはカウンターカルチャーのメッカで、観光客のみならず、パンクスにも人気があるエリアだ。この記事では、Sex Pistolsを生んだロンドンに、Sex Pistolsの「Anarchy in the U.K.」を模したタイトルで乗り込んだWACK所属グループたちによる、初のロンドン公演の模様をレポートする。

The Underworld階段

ロンドン公演には、国籍、性別、年代を問わず多数の観客が来場した。大多数を占めていたのは日本人ではなく、現地ファンやヨーロッパ各国の在住者と思われるファン。開演の数時間前から会場前に列を作っていた。物販が盛況だったこともあってか開演時間は30分ほど遅れ、いよいよWACK初の海外公演がスタート。まずWACK代表・渡辺淳之介が英語で「ハロー、ロンドン! WACKのロンドン初公演に来てくれてありがとう。この日が来ることを長い間待っていました!」と挨拶し、この日の出演者であるExWHYZ、ASP、AiNATOAOIの3組を紹介した。

ASPのライブの様子。

ASP

WACK所属グループで最初に海外公演のステージを踏んだのはASP。彼女たちはグループの初期ナンバー「拝啓 ロックスター様」で勢いよくライブの口火を切った。「Tokyo Sky Blues」で力強く拳を突き上げると、それに呼応するように観客も拳を掲げ、メンバーのロングトーンシャウトには大きな歓声が沸き起こる。また「TOXiC iNVASiON」「NO REASON」といった激しいサウンドの楽曲を畳みかけた。ASPは「Blueberry Gum」の前にリオンタウンが「次の曲は“キスソング”です! 一緒に歌いましょう!」、「Heaven's Seven」の前にチッチチチーチーチーが「あなたたちに会えてとってもうれしい! 一緒にこの時間を楽しみましょう!」とそれぞれ積極的に英語を使って呼びかける場面もありつつ、日本語でも観客を扇動。自己紹介ではナ前ナ以が自身の名前を“Nameless”と自称していた。その後も初の海外公演に臆することなく全力のパフォーマンスをぶつけ、ラストに彼女たちのメジャーデビュー曲であるハイパーポップチューン「Hyper Cracker」を届け、ステージをあとにした。

AiNATOAOI

AiNATOAOI

AiNATOAOI

続いてのアクトは元BiSHのアイナ・ジ・エンド、国内外で活躍するダンサーのアオイヤマダからなるスペシャルユニット・AiNATOAOI。ASPのライブの余韻が残る中、ステージに小道具として椅子が運び込まれ、転換中にも関わらずフロアからは“アイナ”コールが巻き起こる。そんな盛り上がるフロアの意表をつく形でライブはスタート。2人はまずステージ向かって右手にあるフロア内の階段から登場し、観客がひしめき合うフロアを横断するサプライズ演出で、「Red:birthmark」を披露する。アイナが観る者の感動を誘うような表現力豊かな歌声を響かせ、アオイがその周囲で踊り、ときにアイナに絡み合ったのち、ステージに上がった2人は雨音が響く中で「AiAiAiAiNATOAOAOAOAOI」を披露。真っ赤なジャケットを頭までかぶり、不穏なメロディのリフレインと重低音が印象的な同曲でミステリアスなパフォーマンスを見せた。

AiNATOAOI

AiNATOAOI

AiNATOAOI

続いてスーパーマーケットなどにあるカートにアオイが乗り、アイナがそれを押してステージへ。アオイは拡声器を持って「世界は愛で回っている」といったことを叫び、「ZOKINGDOG」へとつなげる。曲中にアイナとアオイはジャケットを脱ぎ、スパンコールがあしらわれたミニ丈のセクシーなドレスで観客の視線を釘付けにした。そしてアイナが黒いロングジャケットを羽織り、アオイが衣装を脱いで肌と密着したヌーディカラーの衣装だけになり、ラストナンバー「きえないで」へ。アイナは人生で初めて作詞作曲を手がけたこのバラードをアカペラで歌い、アオイは楽曲の世界観をイメージしたコンテンポラリーダンスを見せる。ありのままのパフォーマンスを終えて2人がステージをあとにすると、熱狂とは違ったどよめきのような声が漏れ聞こえ、場内は拍手喝采に包まれた。

ExWHYZ

mikina(ExWHYZ)

トリを務めたExWHYZは、mahoが英語でショーの始まりを告げてから1曲目に「6WHYZ」を披露。メンバーのmidorikoが体調不良により活動休止中だが、彼女を含む6人でExWHYZであることをロンドンでも示す。「Walk this way」ではキャッチーなフレーズにつられてシンガロングが巻き起こったり、キレのあるダンスに歓声が上がったりと、ライブ序盤からフロアは大きく盛り上がった。英語の自己紹介ではmikinaが「What's up London!」とフロアに呼びかけ、この日のために英語をたくさん練習してきたこと、次の曲がエネルギッシュなものであることを説明。ExWHYZは「xANADU」から「BLAZE」につなげ、勇ましい姿をオーディエンスに見せつける。また「Obsession」は英語バージョンで披露され、観客はジャンプして楽曲を楽しんだ。ExWHYZは10月にリリースしたばかりのバラード「As you wish」などを挟み、ラストにアンセミックなEDMチューン「STAY WITH Me」でライブハウスの空気をひとつにして華々しくライブを終えた。

渡辺淳之介(WACK代表)

終演後にファンと挨拶する渡辺淳之介。

終演後、WACK代表の渡辺が再び登場。英語圏で「WACK is FXXK」と発言する果敢な締めコメントを繰り出しつつ、出演者をステージに招き入れる。そして2024年3月27日に再びThe Underworldでロンドン公演を開催することを発表。出演者がASP、GANG PARADE、KiSS KiSSであることを告げ、観客を大いに喜ばせた。なお渡辺は終演後にライブハウスの外に出て、国内外のファンと積極的にコミュニケーションを取り、ファンの声に耳を傾けていた。

セットリスト

「WACK in the UK」2023年11月16日 イギリス・ロンドン The Underworld

ASP

01. 拝啓 ロックスター様
02. Tokyo Sky Blues
03. TOXiC iNVASiON
04. NO REASON
05. Why don't you KiLL me??
06. I HATE U
07. Blueberry Gum
08. Heaven's Seven
09. ITSUMO KOKOKARA
10. M
11. Hyper Cracker

AiNATOAOI

01. Red:birthmark
02. AiAiAiAiNATOAOAOAOAOI
03. ZOKINGDOG
04. きえないで

ExWHYZ

01. 6WHYZ
02. FIRST STEP
03. NOT SORRY
04. Walk this way
05. xANADU~BLAZE
06. Des Speeching
07. Obsession
08. ANSWER
09. As you wish
10. Shall We
11. STAY WITH Me

公演情報

WACKロンドン公演 第2回(仮)

2024年3月27日(水)イギリス ロンドン The Underworld

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ιゝち@急浮上連投わがままマイペース @GoIchi51_AO0113

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