BiS初の日比谷野音はチケット完売の大盛況、ネオとイトー脱退で明日から3人体制に

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BiSが本日1月8日に東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)でワンマンライブ「ESCAPE from BiSimulation」を開催。この公演をもってネオ・トゥリーズ、イトー・ムセンシティ部がグループを脱退した。

BiS(Photo by sotobayashi kenta)

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BiSは2010~14年に第1期、2016~19年に第2期の活動があり、現在の第3期は2019年6月にメンバー、楽曲を一新して始動した。BiSは3期においても激動に見舞われ、同年8月のCDデビュー前日にマナコ・チー・マナコが脱退。10月にズズ・デスの加入が発表されるも、1週間ほどで脱退した。それ以降はネオ、イトー、トギー、チャントモンキーの4名で活動し、2021年11月にナノ3が加入した。その後、2022年2月にトギーが活動休止期間に入り、その間に2022年7月にチャントモンキーが脱退。トギーが8月に復帰し、11月に新メンバーとしてヒューガーがお披露目された。新体制で最初のワンマンライブを日比谷野音で迎え、新たなスタートを切る予定だったが、ネオとイトーがこの公演を最後に脱退するという波乱の展開となった。

BiS(Photo by sotobayashi kenta)

チケットはライブ前日に完売。会場には現体制最初で最後のワンマンライブを見届けるべく、大勢の研究員(BiSファンの呼称)が集まった。そんな中、BiSはオープニングSEに乗せて勢いよくステージに登場。「LET'S GO どうも」でライブをスタートさせ、「GOiNG ON」「STUPiD」「DESTROY」とアップテンポな楽曲を続けて披露した。BiSとして今後も活動していくトギー、ナノ3、ヒューガーが軽快かつアグレッシブな歌と踊りを見せ、ネオとイトーもこの日で脱退する雰囲気を感じさせない、勢いのあるパフォーマンスを繰り出した。

BiS(Photo by sotobayashi kenta)

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの名曲「スモーキン・ビリー」のカバーで髪を振り乱しながら渾身のシャウトを響かせた5人は、自己紹介に続いて「あけましておめでとうございます!」と新年の挨拶。続いてイトーが「新年一発目のライブだ! 念願の日比谷野音でライブができることをすごく楽しみにしてきました。寒いけどみんなにあったまって楽しんでもらえるようにがんばってきたので、今日は最後まで楽しんでいきましょう!」と観客に元気よく語りかけてから、5人は昨年リリースしたキャッチーなポップチューン「Hey boy hey girl」を届けた。人気曲「LOVELY LOVELY」では猫をイメージしたかわいらしいダンスを踊り、静かな雰囲気からサビで一気に爆発力ある曲調に変化する「COLD CAKE」ではステージ上のメンバーと客席を埋め尽くす研究員が人指し指を突き出し、天に掲げた。さらにDragon Ash「Fantasista」のカバー、そして「BASKET BOX」などミクスチャーやメロディックパンクチューンを勢いよく届け、オーディエンスの興奮を誘った。

BiS(Photo by sotobayashi kenta)

ネオは「10曲を通してきたんですが、まだちょっと寒いですよね? 冬の野音だからね。もうちょっとだけみんなで体を温めましょう? まだ研究員とコミュニケーションを取ってないから“上半身を鍛えましょう”」と発言し、「Aブロックー!」とブロックごとの観客に両手を掲げさせる。さらにBiSは観客に腿上げをさせ、流れのままジャンプを繰り返すように呼びかけ、四つ打ちギターロックチューン「DA DA DA DANCE SONG」へ。この曲では“モンスタージャンプ”が何度も飛び出し、会場の一体感が高まった。そして不穏なストリングスの音色が流れ、「thousand crickets」がスタート。この曲は準備運動、ヘッドバンギングから曲後半は延々とスクワットをし続けるという過酷な振り付けを採用したナンバー。BiSのみならず、研究員も曲の終わりまでスクワットを繰り返した。ライブはトギーのロングシャウトで始まるパーティロックチューン「テレフォン」、重厚なリフに乗せて激しい歌声を畳みかける人気曲「FUCKiNG OUT」、ピアノのリフレインが美しい「つよがりさん」と続く。「つよがりさん」ではネオをはじめ、メンバーの切なげでエモーショナルな歌声が観客の感動を誘った。

BiS(Photo by sotobayashi kenta)

ライブ終盤「次に歌う曲は『TOUCH ME』という曲です」と話し始めたトギーは、「あのとき、ああ言ってたら、こうしてたらという後悔は人生につきものだし、もうどうしようもないと思ってしまうことも生きていたらあると思います。楽しかった日々のあとに後悔するような出来事があると、それまでの全部がよくなかったような気がしてくるけど、楽しかったこと、うれしかったこと、幸せだったこと、全部いい思い出はいい思い出のままにして、大事に持っていてほしいです。今、何か後悔しているあなたも、今までの自分の全部がダメだったなんて思わないで、今まで大切にしてきたものを忘れないで、全部の感情を大事にしてこれからも生きていてほしいです。心を込めて歌います、聴いてください」と述べる。BiSはそんな彼女の言葉に続いて、過去への後悔の思いがつづられた楽曲「TOUCH ME」をファンに捧げた。さらに「this is not love song」「LOVE」と“愛”がテーマの曲を続けて披露し、笑顔で退場。ライブ本編ではメンバー脱退についての言及や湿っぽい演出はなく、普段のBiSと変わらない元気いっぱいのライブが展開された。

BiS(Photo by sotobayashi kenta)

ストイックなパフォーマンスを見せたBiSにアンコールの拍手が巻き起こり、ステージに再び上がったメンバーが1人ひとり挨拶をした。イトーとネオはファンに脱退することを改めて報告。イトーは「BiSでの活動はこれからの人生の強みになると信じています。BiSと研究員に会えて本当に幸せでした」、ネオは「これから生きていく中でまた自分が立ち止まってしまう日が来たら、みんなからもらったものを思い出して生きていこうと思います。全部、絶対に忘れません。いつまでもみんなが笑顔で元気でいてくれたらうれしいなって思っています」と述べた。

BiS(Photo by sotobayashi kenta)

BiS(Photo by sotobayashi kenta)

続いてナノ3は「私はBiSが大好きだし、BiSの音楽が大好き。研究員とこうやって感情をぶつけ合える時間が大好きです。だからこれからもBiSの音楽を届け続けていきたいし、もっともっと楽しいことをしたいし、今日来てくれた研究員とまだ見ぬ研究員ともっと大きなところに行きたいです。だからこれからもBiSは止まらずに進んでいくし、研究員に付いて行きたいと思ってもらえるように死ぬ気でがんばります!」と笑顔でコメント。ヒューガーは本公演が5人体制最後のなったことに悔しさをにじませつつ、「BiSの未来は無限大です。そう信じています。私はBiSのことが大好きです。同じくBiSのことを愛してくれている研究員と、今日ちょっとでもBiSをいいなと思ってくれたあなたと、見ていく景色をもっと大きくしていきたいです。これからも死ぬ気でがんばります。BiSは私たちは何度でも立ち上がって、走り続けます」と述べた。最後に第3期BiSで唯一のオリジナルメンバーとなるトギーは、「今日で5人のBiSは最後です。明日からは3人で活動していきます。これから先のBiSがどうなるのか不安な人もたくさんいると思うんですけど、私はずっと、これからもBiSのことが大事だし、BiSのことが好きで入ってくれたナノ3とヒューガーと活動できることが楽しみです。新メンバーとして入ってきた2人はいろんなことに振り回されながらもがんばってきてくれて、心強くて、頼もしいメンバーです。補い合って、支え合って、これからもBiSを続けていきます」と決意を新たにした。そして5人は最後に「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」「CURTAiN CALL」を披露し、ライブを締めくくった。

BiS アンコールコメント

イトー・ムセンシティ部

先日発表がありました通り、今日の日比谷野音でのワンマンライブをもってBiSを辞めます。まず自分がBiSに入る前からずっと憧れていたこの場所で歌えたことはうれしくて、昨日(チケットが)完売したことも本当に皆さんのおかげです。ここに立ってライブができていることをすごくうれしく思います。私にとってのBiSの活動はかけがえのない日々でした。自分を救ってくれた音楽のある場所に立って、人前に立って歌える場所があることを1日1日生きようと思える意味があることを、当たり前じゃなくて、みんなと出会えたことも全然当たり前じゃなくて、自分1人で生きているだけでは知らなかった感情をたくさんもらいました。研究員を見ていると、何歳になってもどんな人生を送っていても嫌なことがあっても、生きることの楽しさ、日々を全力で生きることのカッコよさ、好きなものに向き合って笑顔でいる姿に勇気をもらっていたし、すごく幸せな気持ちにさせていただいていました。BiSでの活動はこれからの人生の強みになると信じています。BiSと研究員に会えて本当に幸せでした。ありがとうございました。2023年もこれからも今まで出会った皆さんの日々が幸せに過ごせるものになることを祈っています。3年間本当にありがとうございました。

ネオ・トゥリーズ

前々から発表があった通り、私も今日でBiSを脱退します。本当に応援してくれる研究員がいたからここまで続けてくることができました。どんなに辛い日があったとしても、ライブで研究員の顔を見たら、がんばり続けることができました。研究員からもらったたくさんの言葉とか、感情、研究員が見せてくれた笑顔、景色とか、全部全部大好きでした。これから生きていく中でまた自分が立ち止まってしまう日が来たら、みんなからもらったものを思い出して生きていこうと思います。全部、絶対に忘れません。いつまでもみんなが笑顔で元気でいてくれたらうれしいなって思っています。3年半、本当にありがとうございました。

ナノ3

私はBiSに入って1年くらいで、こうやってBiSのワンマンライブでこんなにもたくさんの研究員がいる光景を見るのは今日が初めて。野音でのライブが発表されてから、野音が研究員でいっぱいになる光景を想像して、楽しみな気持ちでいっぱいでした。今日は本当に来てくれてありがとうございます。今日をすごく楽しみに待っていてくれて、今日が早く来てほしいなって思ってくれた人、楽しみだけど来てほしくないなあと思った人、いろんな感情を持って日比谷野音に来てくれたと思います。いろんな感情を持っていてもいいです。無理に楽しまなきゃなんて思わなくてもいいです。笑っても泣いても何してもいいから悔いのない時間を過ごしたいです。いつもBiSにたくさんの愛をくれる研究員が好きな場所で好きなことをして、楽しい、幸せだって思ってくれたらうれしいし、その力にBiSがなれたらうれしいなって思います。私はBiSが大好きだし、BiSの音楽が大好き。研究員とこうやって感情をぶつけ合える時間が大好きです。だからこれからもBiSの音楽を届け続けていきたいし、もっともっと楽しいことをしたいし、今日来てくれた研究員とまだ見ぬ研究員ともっと大きなところに行きたいです。だからこれからもBiSは止まらずに進んでいくし、研究員に付いて行きたいと思ってもらえるように死ぬ気でがんばります! 改めてこれからもよろしくお願いします! 今日は本当にありがとうございました!

ヒューガー

今みんながBiSを観に来てくれて、日比谷の夜を一緒に過ごせていることがすごくうれしいです。今日の日比谷野音はずっと楽しみにしていて、新しく5人で走り出していく瞬間を見てもらいたとずっと思っていたので、だから正直、今日がこの5人での最後の舞台になってしまったことは本当に本当に悔しいです。私はほかのどこでもないBiSっていう場所でアイドルに絶対になりたいと思って、2年間、WACKのオーディションを受け続けました。その中で犠牲になるものがあったり、何回振り落とされても、どれだけつらくてもあきらめる選択肢は、私の中のどこにもありませんでした。変わらない気持ちを持って挑戦し続けて、今やっとスタートに立つことができています。夢を叶えるのはまだまだこれからだし、やりたいこと、立ちたい場所、もっとたくさんあります。BiSの未来は無限大です、そう信じています。私はBiSのことが大好きです。同じくBiSのことを愛してくれている研究員と、今日ちょっとでもBiSをいいなと思ってくれたあなたと、見ていく景色をもっと大きくしていきたいです。これからも死ぬ気でがんばります。BiSは私たちは何度でも立ち上がって、走り続けます。よろしくお願いします!

トギー

今日はBiSのライブに来ることを選んでくれて本当にありがとうございます。ずっとワンマンライブで立ちたかった日比谷野音に立てて、ライブができていること本当にうれしいです。もっと大きいところに立ちたいと改めて思いました。今日で5人のBiSは最後です。明日からは3人で活動していきます。これから先のBiSがどうなるのか不安な人もたくさんいると思うんですけど、私はずっと、これからもBiSのことが大事だし、BiSのことが好きで入ってくれたナノ3とヒューガーと活動できることが楽しみです。新メンバーとして入ってきた2人はいろんなことに振り回されながらもがんばってきてくれて、心強くて、頼もしいメンバーです。補い合って、支え合って、これからもBiSを続けていきます。この先たくさん辛いことも課題も山ほどある。だけどまだまだいける、まだまだがんばれるって思えるのは、これから先に楽しみなことがまだまだいっぱいあるからです。研究員にはこの1年間、悲しい思いを何回もさせてしまいました。だから、これからの活動でもうどうしようもないくらい楽しくて幸せな気持ちでいっぱいにできるように。ここにいる研究員の10倍、もっとたくさんの人たちに出会えることを夢見て、これからもがんばっていきます。研究員と一緒にがんばっていきたいです。だからこれからも応援してもらえたらうれしいです。これからのBiSもどうかよろしくお願いします。

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「ESCAPE from BiSimulation」2023年1月8日 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)セットリスト

01. LET'S GO どうも
02. GOiNG ON
03. STUPiD
04. DESTROY
05. スモーキン・ビリー
06. Hey boy hey girl
07. LOVELY LOVELY
08. COLD CAKE
09. Fantasista
10. BASKET BOX
11. DA DA DA DANCE SONG
12. thousand crickets
13. テレフォン
14. FUCKiNG OUT
15. つよがりさん
16. TOUCH ME
17. this is not love song
18. LOVE
<アンコール>
19. BiS-どうやらゾンビのおでまし-
20. CURTAiN CALL
21. CURTAiN CALL

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