WANIMA初主催フェス初日でモンパチ、ホルモン、アレキ、10-FEET、INI、マイファスと競演

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WANIMA主催のフェス「1CHANCE FESTIVAL 2022」が9月3、4日に熊本・熊本県農業公園カントリーパークで行われている。この記事では初日の3日公演の模様をレポートする。

WANIMA(Photo by Takimoto”JON…” Yukihide)

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朝から降っていた雨が上がり、穏やかな風が吹く中で開演時刻を迎えた初日公演。前説のためにWANIMAがステージに登場し、KENTA(Vo, B)が「地元熊本でやっとフェスができます。至らないところもあるかと思いますが、今日は1日よろしくお願いします!」とはつらつと開催を宣言する。さらにKO-SHIN(G, Cho)の合図で客席エリア前方から後方へウェーブが起こり、KENTAの呼び込みで熊本県のPRマスコットキャラクター・くまモンが現れてキュートな魅力を振りまいた。

左からHiro(Vo / MY FIRST STORY)、Taka(Vo / ONE OK ROCK)。(Photo by Takahiro Takinami)

にぎやかに幕を開けた「1CHANCE FESTIVAL」のトップバッターを担ったのはMY FIRST STORY。1曲目の「ALONE」から気迫に満ちたパフォーマンスと重低音でオーディエンスを圧倒していく。バラエティ番組やニュース番組へ出演するなど、タレントとしての活躍もめざましいHiro(Vo)は「最近ライブやフェスよりもバラエティの仕事が多くて。今日はMY FIRST STORYとして全力のステージを見せたいと思います!」と意気込んだ。気合いのこもったMCに呼応するように、MY FIRST STORYはリズミカルな「モノクロエフェクター」、Hiroがハイトーンボイスで絶唱する「1,000,000 TIMES」を勢いよく連投する。そして彼らのアクトでハイライトだったのは「不可逆リプレイス」だ。Hiroが兄であるTaka(ONE OK ROCK)を呼び込むと観客がにわかに沸き立つ。2人は時折顔を見合わせながらエモーショナルに歌い上げ、最後に充足感のある表情でハグを交わした。なおTakaとMY FIRST STORYがライブで共演したのはこれが初となる。

INI(Photo by Takimoto”JON…” Yukihide)

2番手のINIは鮮やかでキレのあるダンスや個性の光る歌声、クールなパフォーマンスとはギャップのある等身大のMCで観客を魅了した。「1CHANCE FESTIVAL」出演者の中で唯一のボーイズグループである彼らは、フェスへ出演すること自体初。デビュー曲「Rocketeer」ではそれを感じさせないほど完成度の高いパフォーマンスで鮮烈なインパクトを残した。MCで木村柾哉がWANIMAへの感謝を伝えると、アーティストエリアで観覧していたWANIMAのメンバーがうれしそうに手を振るひと幕も。フェス出演の経緯については、藤牧京介が「FUJI(WANIMA)さんがラジオ番組で僕たちのことを話してくださって、それがきっかけでご挨拶させていただき、フェスにまで呼んでいただきました」と弾ける笑顔で説明した。そして尾崎匠海のドラマ出演が決定したこと、そのドラマの主題歌がWANIMA提供によるINIの新曲「HERO」であることを発表。INIはストレートな歌詞やWANIMAらしいアッパーサウンドが印象的なこの曲を初披露してライブを締めくくった。

抱き合うKENTA(Vo, B / WANIMA)とNAOKI(B, Vo / 10-FEET)。(Photo by Takimoto”JON…” Yukihide)

続いて登場した10-FEETは、TAKUMA(Vo, G)が「楽しむ準備できてるやつー!?」と観客を煽り、人気曲「RIVER」でギアを上げる。さらに疾走感のある「ハローフィクサー」、ハードコア調のサウンドに3人のハーモニーが重なる「aRIVAL」を並べ、会場の熱気を沸々と上昇させた。TAKUMAが会場を見渡し、「コロナなんかに負けてられへんな。ちょっとずつ取り戻していこう。みんなの心が晴れますように。戦争したり、ネットでは傷付けあってばっかり。いろんな意見があるのはしゃあないけど、WANIMAみたいにハッピーにポジティブにカッコよくいきましょう」と優しく語ってから、10-FEETは「シエラのように」を披露してピースフルなムードで会場を包んだ。「VIBES BY VIBES」ではWANIMAが勢いよくステージに飛び出し、6人でコラボレーション。KENTAが元気よくステージを走り回ると、TAKUMAも負けじと声を振り絞るように歌い上げ、2組は“バイブス”を感じさせるパフォーマンスで観客を大いに盛り上げた。

川上洋平(Vo, G / [Alexandros] )(撮影:河本悠貴)

再び雨粒が芝生を湿らせ、夏草の匂いが立ち昇る頃に姿を見せたのは [Alexandros] 。「Aleatoric」ではモノクロ加工が施されたスタイリッシュなメンバーの姿がビジョンに映し出され、観客の視線が釘付けに。シンセサウンドが印象的な「Kick&Spin」では、川上洋平(Vo, G)が降りしきる雨をもろともせずサイドステージへ足を伸ばして観客のテンションを引き上げる。攻撃的な「we are still kids & stray cats」では、川上が雨で濡れた髪をかきあげ、伸びやかでよく通る声を響かせた。さらに彼らは劇場アニメ「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の主題歌「閃光」、人気曲「ワタリドリ」を立て続けに届け、ほとんどMCを挟まない構成でライブを駆け抜けたが、「ワタリドリ」のラストでは川上が「愛してるぜWANIMA!」と叫んだ。このあと4人は曲の一節をハイテンポにアレンジして演奏。オーディエンスをヒートアップさせて次のアクトへバトンを渡した。なお、 [Alexandros] の出番が終わる頃には雨はすっかり上がっていた。

マキシマム ザ ホルモン(撮影:齋藤タカヒロ)

バトンを受け取ったマキシマム ザ ホルモンはダイスケはん(キャーキャーうるさい方)の「ヘドバンの景色見せてくれー!」という叫びを合図に「What's up, people?!」の演奏へ。唸るようなハードコアサウンドに合わせて観客が一斉にヘッドバンギングし、出番冒頭からカオスな空間が作り上げられた。ナヲ(ドラムと女声と姉)は「わかってると思いますけど、『1CHANCE FESTIVAL』は伝説のフェスなんですよ。ここにいる全員で伝説の2日間作っていこう!」と張り切る。その言葉を体現するようにホルモンは「恋のメガラバ」でアウトローなプレイを見せつけ、さらに雰囲気を混沌とさせた。ひと呼吸置いてビジョンに「食事の時間」と映し出されたため、メンバーはピザチェーン店・PIZZA-LAの宅配を待つことに。すると自転車に乗ってTaka(ONE OK ROCK)が登場。ダイスケはんはTakaから受け取ったピザを頬張り、「うわっおいしい!」と舌鼓を打った。気を取り直し、4人はラストに「恋のスペルマ」を披露して観客の一体感を高めた。

キヨサク(Vo, B / MONGOL800)(Photo by SARU[SARUYA AYUMI])

「あなたに」でライブをスタートさせたMONGOL800は、曲の歌詞の「どこでもいいよ」を「熊本がいいよ」に替えて会場との親和性を高める。キヨサク(Vo, B)の「宴じゃ宴じゃ!」という言葉をきっかけに演奏されたのは「PARTY」。軽やかなホーンの音色が楽曲を彩り、華やかなパーティムードが演出された。さらにMONGOL800は陽気な「大迷惑」、高里悟(Dr)のドラムロールで始まる「青春狂騒曲」をプレイ。この2曲ではパーティダンサーの粒マスタード安次嶺ピンクがピンクのタンクトップを着てキレのあるダンスを披露した。「OKINAWA CALLING」ではキヨサク(Vo, B)が沖縄の方言「はいさい」を取り入れた歌詞をハスキーな声で優しく歌い上げ、会場にさわやかな琉球の風を吹かせる。そして彼の「改めてWANIMAの皆さん、初フェス開催おめでとうございます!」という言葉に続けて、モンパチはヒットソング「小さな恋のうた」、ハッピーな雰囲気漂う「DON’T WORRY BE HAPPY」をWANIMAを祝福するように披露。終始お祭りムードを保ったままトリ前という役目を終えた。

KENTA(Vo, B / WANIMA)(Photo by Takimoto”JON…” Yukihide)

トリのWANIMAはそろいのキャラメルカラーのシャツとボトムス姿で登場。3人は「Hey Lady」「Japanese Pride」と序盤からアッパーなナンバーを並べて一気に観客のテンションを引き上げる。続けてKENTAの「ノンストップでいくよ!」という先導でWANIMAは間を置かずに「つづくもの」をプレイ。レゲエ調のメロディにKENTAが圧倒的な声量を重ねた。さらにWANIMAはFUJI(Dr, Cho)の力強いドラミングが炸裂する「リベンジ」でエールを送り、観客を奮い立たせる。KENTAが「ボロボロになりながらあきらめんでいるお前に届けるチャンスをください!」と真摯な表情で叫んだあとは、「眩光」を力強く奏でてオーディエンスを勇気付けた。そしてKO-SHIN(G, Cho)が南国ムード漂うメロディを奏で始めたのを合図に、KENTAがMONGOL800を呼び込み、2組は「愛彌々」をコラボ演奏。続いてWANIMAとMONGOL800は「ともに」を勢いよく届けた。

会場上空に打ち上げられた花火。(Photo by SARU[SARUYA AYUMI])

アンコールでは、KENTAが約2万人が集まっている客席を見つめて「大好きなアーティストを集めて熊本でフェスをするのが夢でした」と感慨深げに語る。そしてKENTAが母代わりだった祖母への思いを込めて書いた「Mom」をしっとりと歌い上げた。すっかり夜の帳が下りた中、WANIMAは「THANX」でオーディエンスに目一杯の感謝を伝える。演奏中には花火が打ち上がり、メンバーは充実感を滲ませた表情で熊本の空を見上げ、「1CHANCE FESTIVAL」初日の幕を下ろした。

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「1CHANCE FESTIVAL 2022」2022年9月3日 熊本県農業公園カントリーパーク セットリスト

MY FIRST STORY

01. ALONE
02. モノクロエフェクター
03. 1,000,000 TIMES
04. Zero Gravity
05. I'm a mess
06. REVIVER
07. 不可逆リプレイス

INI

01. Rocketeer
02. CALL 119
03. Password
04. HERO

10-FEET

01. RIVER
02. ハローフィクサー
03. aRIVAL
04. シエラのように
05. その向こうへ
06. ヒトリノセカイ
07. VIBES BY VIBES

[Alexandros]

01. Aleatoric
02. Baby's Alright
03. 無心拍数
04. Kick&Spin
05. Girl A
06. we are still kids & stray cats
07. 閃光
08. ワタリドリ

マキシマム ザ ホルモン

01. What's up, people?!
02. アバラ・ボブ<アバラ・カプセル・マーケッボブ>
03. ハングリー・プライド
04. 恋のメガラバ
05. my girl
06. 恋のスペルマ

MONGOL800

01. あなたに
02. PARTY
03. 大迷惑
04. 青春狂騒曲
05. OKINAWA CALLING
06. 小さな恋のうた
07. DON'T WORRY BE HAPPY

WANIMA

01. Hey Lady
02. Japanese Pride
03. つづくもの
04. リベンジ
05. 眩光
06. オドルヨル
07. 愛彌々
08. ともに
<アンコール>
09. Mom
10. 夏の面影
11. THANX

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[Alexandros] @alexandroscrew

2022.09.03
1CHANCE FESTIVAL 2022
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