Adoがさいたまスーパーアリーナで一番の夢を実現、歌い手の貫禄見せた2ndワンマン

Adoの2ndワンマンライブ「カムパネルラ」が8月11日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催された。

Ado 2ndライブ「カムパネルラ」より。(Photo by Viola Kam)

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2017年1月に歌い手としての活動をスタートさせ、2020年10月にメジャーデビュー曲「うっせぇわ」を発表すると、社会現象を巻き起こすほどの大ヒットを記録して一躍時の人となったAdo。その勢いを止めることなく彼女は今年1月に1stアルバム「狂言」をリリースし、8月6日公開の映画「ONE PIECE FILM RED」ではキャラクター・ウタの歌唱パートを担当している。

4月に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で行われた自身初の単独ライブ「喜劇」以来となるワンマンの舞台は、Adoが強く憧れていたさいたまスーパーアリーナ。今回の公演タイトル「カムパネルラ」は宮沢賢治の童話作品「銀河鉄道の夜」の登場人物で、主人公・ジョバンニと鉄道の旅をする友人の名前から付けられた。

多くの観客たちはドレスコードであるバラのアイテムを身に着け、開演の瞬間を今か今かと待ち構える。定刻を少し過ぎた頃に場内が暗転し、ブルーのライトが客席の四方八方を照らし始めた。一輪のバラをモチーフにした神秘的なオープニング映像が終わると、スケルトンのボックスに入ったAdoが登場。エレクトロなダンスナンバー「夜のピエロ」でライブの幕を開け、気怠げなムードの「ラッキー・ブルート」、ジャズテイストの「ラブカ?」と柊キライが手がける2曲を歌い踊り、オーディエンスを興奮の渦に巻き込んだ。

さらなる熱気を呼び込むように、頭上で手拍子を煽ったAdoは、Vaundyが手がけた重厚なロックチューン「逆光」、Mrs. GREEN APPLE提供の開放感あふれる「私は最強」といった映画「ONE PIECE FILM RED」の劇中歌を連発。生命力みなぎる歌声で、歌い手としての貫禄を見せつける。そしてライブ中盤には炎が噴き出すステージで「阿修羅ちゃん」が披露され、「金木犀」「花火」とくじら制作のナンバーが歌われると、心の機微を表現したかのような憂いのあるボーカルがアリーナに静かに広がった。その後も、無数の光の粒が映し出されたスクリーン映像とともに、映画「かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル」の挿入歌であるバラードソング「会いたくて」が届けられ、会場に切ない余韻を残した。

感動の波が押し寄せるアリーナでパフォーマンスされたのは、かいりきベアの人気ボカロ曲「ダーリンダンス」。Adoは愛らしい歌声でオーディエンスを存分に惹き付けた。この曲が終わったと同時に、サイレンのようなSEに合わせてライトが客席を青や白に染め上げる。そんな不穏な演出が繰り広げられたあと、Adoは箱の中から飛び出して、2段に分かれたステージの上段からせり上がりで再登場。jon-YAKITORY制作の「シカバネーゼ」でシャウトやウィスパーボイスを操り、おどろおどろしいムードを作り上げた。続いて、つぶやくようなか細い声で始まったのは、てにをは書き下ろしの「永遠のあくる日」。Adoのボーカルには徐々に熱がこもり、感情を爆発させるような歌唱が聴き手の感情を揺さぶる。同じく、てにをは提供の「ギラギラ」の最中には2段だったステージが3段へと変化。その最上段でAdoはトリップ感のあるサウンドに乗せて心地よさそうに歌い上げた。「銀河鉄道の夜」の登場キャラクターの名前が付けられた「ザネリ」を届けたあと、ここまでトークを挟まずに歌い続けてきたAdoが思いを口にする。彼女は「今日はここに立てて幸せでした。また私と“列車”に乗ってください」とメッセージを送り、疾走感のあるビートの「心という名の不可解」で本編を終えた。

アンコールで再び観客の前に現れたAdoは、中田ヤスタカが書き下ろした「ONE PIECE FILM RED」の主題歌「新時代」の冒頭をアカペラで歌唱。華麗なターンを見せながら、美しく伸びやかなボーカルを響かせた。さらにAdoは敬愛する椎名林檎の代表曲の1つ「罪と罰」を、本家のミュージックビデオをイメージした映像を背に歌唱。アリーナ全体に強烈なシャウトを轟かせ、鮮烈なインパクトを残した。力を使い果たすかのようなパフォーマンスで呼吸が乱れたAdoは、少しずつ息を整えながら「多くて……見入っちゃいますね。こんなにもたくさんの人がAdoのために集まってくれて。こんな光景を見られて本当に幸せです」とペンライトの海を前に感激する。そして「さいたまスーパーアリーナでライブすることは一番の夢でした。ずっとここに来たいと活動を始めてから思っていて。さいたまスーパーアリーナに立つ。その夢さえなくさなければ、たとえどんなに絶望しても私は絶対に大丈夫って思ってきました。私の一番の夢は叶ってしまって、このライブが終わったら私の未来は真っ白になります。叶ってうれしいのに、どんな未来がこの先に待っているかと思うと正直恐い。これからの未来でまた一緒に新たな夢を叶えてほしいです」とまっすぐに思いを述べ、「うっせぇわ」「踊」とAdoの人生を大きく変えるきっかけとなった2曲で、約2時間の公演に幕を下ろした。

Ado 2ndライブ「カムパネルラ」2022年8月11日 さいたまスーパーアリーナ セットリスト

01. 夜のピエロ
02. ラッキー・ブルート
03. ラブカ?
04. ドメスティックでバイオレンス
05. 逆光
06. 私は最強
07. レディメイド
08. 阿修羅ちゃん
09. 金木犀
10. 花火
11. 会いたくて
12. 過学習
13. ダーリンダンス
14. FREEDOM
15. シカバネーゼ
16. 永遠のあくる日
17. ギラギラ
18. マザーランド
19. ザネリ
20. 心という名の不可解
<アンコール>
21. 新時代
22. 罪と罰
23. うっせぇわ
24. 踊

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