ポルノグラフィティ3年ぶり全国ツアーでレア曲に魂注入、未発表曲もパフォーマンス

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ポルノグラフィティの全国ホールツアー「17thライヴサーキット“続・ポルノグラフィティ”」の最終公演が、昨日12月22日に東京・東京ガーデンシアターで開催された。

ポルノグラフィティ(撮影:上山陽介)

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ポルノグラフィティのツアー開催は2018年12月から行われたアリーナツアー「UNFADED」以来、実に3年ぶり。2019年9月の東京・東京ドーム公演後の充電期間を経て、今年9月のシングル「テーマソング」リリースを皮切りに“新始動”した彼らは、最新のポルノグラフィティを印象づける多彩なセットリストで全国のファンを楽しませた。

ツアーのロゴが大きくあしらわれたステージに岡野昭仁(Vo)と新藤晴一(G)、そしてサポートメンバーの玉田豊夢(Dr)、山口寛雄(B)、皆川真人(Key)、tasuku(G)が現れると、声援を送ることができないファンは大きな拍手を彼らに送る。1曲目に披露されたのはシングル「テーマソング」のカップリング曲「IT'S A NEW ERA」。ステージから響く力強いリズムに、オーディエンスも全力のハンドクラップで応える。サビでは客席の照明が灯り、会場の一体感を一気に引き上げた。

ポルノグラフィティ(撮影:上山陽介)

「最終日、天高く手を上げろ!」という岡野の言葉に続いて披露されたのは「幸せについて本気出して考えてみた」。この最終日の模様は生配信も行われており、岡野はカメラを通じて全国のファンにアピールした。華やかなアンサンブルが印象的な「ドリーマー」では、「タダイマ画像ガ乱レテイマス」という歌詞に合わせてステージ左右のビジョンにノイズが入るという遊び心も。その後は場内が暗転し、「ANGRY BIRD」へ。赤や緑のライトが会場を染める中、よりダークな空気感を強めたアレンジで演奏された。

岡野昭仁(Vo)(撮影:上山陽介)

「今宵、月が見えずとも」を哀切に歌い上げたあと、岡野は最終日に集まったファンを「気合い入っとるね、みんな! 俺らも気合い入ってますよ」と見渡す。また新藤はレアな楽曲が続くこのツアーのセットリストについて「今日やったらこのあと何年もやらんかも、という曲もあるので大事に演奏したいです。そういう思いがみんなに伝われば」と語り、岡野も「ひさしぶりにやる曲に魂を注入したら皆さんにどう届くか」と、ファンの反応を楽しみにしている様子を見せた。

そんな言葉を経て届けられたのは、ライブで披露されるのは十数年ぶりという「Free and Freedom」。ブルージーなこの曲をいぶし銀の演奏で聴かせたあとは、ミラーボールがきらめく中で「Love,too Death,too」が演奏された。曲が終わると岡野は9月でメジャーデビューから23年目を迎えたポルノグラフィティについて「たいがいのことは経験してきて、新しく足を踏み入れる場所ってないんかなと思っていた」と明かし、そんな中での「THE FIRST TAKE」への出演は非常に意義があったと話した。

新藤晴一(G)(撮影:上山陽介)

「実りのある時間になりました。アコースティックセッションが気持ちよかったので、ここでも聴いてもらいたい」という紹介から始まったのは「ミステーロ」のアコースティックバージョン。新藤とtasukuの哀愁漂うギターがオーディエンスを魅了した。さらに「THE FIRST TAKE」でも披露した「サウダージ」を、岡野の生声のアカペラからパフォーマンス。圧巻の歌声が会場中に響き渡った。

重厚なイントロで会場の空気を再び変化させた「鉄槌」では新藤のエモーショナルなギターソロが客席を圧倒。さらに「Fade away」も披露され、ヘヴィなミディアムチューンの連投でポルノグラフィティの深淵をアピールする。アコースティックギターを抱えた岡野が「救いのない曲が続いたので(笑)、愛の歌を届けようと思います」と客席を和ませたあとは「元素L」「Winding Road」と柔らかなサウンドが連続で届けられた。

ライブが終盤に差し掛かると、コロナ禍に見舞われたこの2年を振り返った岡野の「暗闇ばかりに目を凝らさず、出口の先に新しい場所があると信じたい。“NEW ERA”への出発、今日がこの日だ!」という叫びから、「THE DAY」へと突入。6人の力強いパフォーマンスが会場の熱気を再び上昇させた。その後はポルノグラフィティの“新始動”を象徴する「REUNION」、さらに「メリッサ」を披露。新藤の「まだエネルギーのかけらが残っているなら、使い切ってはいかがでしょうか!」という呼びかけに応え、続く「ハネウマライダー」ではオーディエンスが笑顔でタオルを振り回した。

ポルノグラフィティ(撮影:上山陽介)

熱気の途切れない客席に向け、岡野は「あんたらは本当にすごいわ」と賛辞を送り「渾身のクラップをちょうだい。次わしらに会うまで、その手の痺れを覚えておいて!」と呼びかけ、ラストナンバー「テーマソング」を熱唱。曲の最後では「今 その胸は震えているか?」という歌詞に合わせて、ステージ上のツアーロゴに描かれた宇宙飛行士の胸元に赤い光が灯った。

アンコールを求めてオーディエンスが鳴らす息の合った手拍子に応え、6人は再びステージへ。ここで岡野は今回のツアーの目的を「皆さんに会いに行くこと」そして「何をもって“続”なのかということで、新しい曲を聴いてもらおうと」と明かし、未発表の新曲へとつなげた。ここで披露されたのは喪失を歌ったミディアムチューン「メビウス」、そしてノスタルジックな情景をストリングスのサウンドとともに描いた「ナンバー」。岡野は「リリースは決まっていないけど、この僕らの音をいち早く届けたかった。長く愛される曲になればいいなと思います」と新曲に込めた思いを明かした。

ツアーの終幕が迫る中、2人は改めてオーディエンスに思いを語った。新藤はコロナ禍でライブやツアーが無事に行われる保証がない中、全28公演を完走した喜びを明かしつつ「来てくれた皆さん、スタッフ、あと岡野くんにもちょっとだけ感謝したい」と述べ、岡野から「ちょっとかい……」とツッコまれていた。その岡野もライブ業界の灯を消さないために努力を重ねたスタッフ、会場での観覧や配信を楽しんだファンに向け「本当に感謝しています」と思いを語った。

大盛り上がりの「ジレンマ」でアンコールが締めくくられたあと、ステージに残った2人は生声で挨拶。新藤は「まったねー!」、岡野は「次に会う日まで元気でおってくださいよ! 次こそは大騒ぎしましょう」とオーディエンスに呼びかけた。ツアーのエンドロールが流れたあとのスクリーンには「ポルノグラフィティは続く」というメッセージが浮かび上がり、彼らのさらなる前進がファンに宣言された。

このライブのアーカイブ映像は12月28日23:59まで配信中。視聴チケットはLIVESHIP、ローチケLIVE STREAMINGで販売している。

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ポルノグラフィティ「17thライヴサーキット“続・ポルノグラフィティ”」2021年12月22日 東京ガーデンシアター セットリスト

01. IT'S A NEW ERA
02. 幸せについて本気出して考えてみた
03. ドリーマー
04. ANGRY BIRD
05. 今宵、月が見えずとも
06. Free and Freedom
07. Love,too Death,too
08. ミステーロ
09. サウダージ
10. 鉄槌
11. Fade away
12. 元素L
13. Winding Road
14. THE DAY
15. REUNION
16. メリッサ
17. ハネウマライダー
18. テーマソング
<アンコール>
19. メビウス(仮)
20. ナンバー(仮)
21. ジレンマ

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