斉藤朱夏、ありのままの自分でみんなと交わした約束「ずっとステージに立ち続けていきます」

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斉藤朱夏が昨日12月10日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールでワンマンライブ 「朱演 2021 HALL TOUR 『つぎはぎのステージ』」を開催した。

斉藤朱夏(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

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8月にリリースされた斉藤のフルアルバム「パッチワーク」は、彼女の不器用さも弱さもすべて赤裸々に詰め込まれた人間味あふれる作品だ。アルバムのインタビューで「みんなに全部見せたい。今の斉藤朱夏を知ってほしい」と口にしていた斉藤は、その言葉の通り、信頼するオーディエンスを前にありのままの自分でステージに立ち、全15曲を披露した。

斉藤朱夏「朱演 2021 HALL TOUR 『つぎはぎのステージ』」の様子。(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

開演時間になると斉藤がゆっくりとステージに進み出て、舞台の真ん中へ。ひと筋のスポットライトを浴びながら、彼女が大きく息を吸い込み、歌い始めたのは、これまでの人生を自身の言葉でつづったナンバー「ワンピース」。むき出しの感情を乗せて、1つひとつの言葉をじっくりと会場に響かせる。そこにバンドサウンドが勢いよく加わると、斉藤は白いワンピースを揺らしながらまっすぐにオーディエンスに歌を届けた。「くつひも」では加速していく恋心が弾むような歌声で表現される。「恋のルーレット」では友情と恋心の間で揺れる気持ちがキュートに歌われた。

斉藤朱夏(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

斉藤が「2021年、こうして突っ走ってきたわけですが、私としてもすごくいろんなことに気付かされた年だった。私って勝手にまっすぐに全速力で走っていくじゃない?」と話を切り出すと、オーディエンスは一斉に肯く。斉藤をよく知るファンの反応に笑いつつ、彼女は「そんな全速力な私でも25歳になってやっと休憩していいんだなっていうことに気付きました。休憩していいんだなっていうこともここにいる君が教えてくれたことです」と穏やかに話し、カントリー調の「あめあめ ふらるら」をゆったりと歌う。バンドが奏でるアンサンブルにオーディエンスのハンドクラップが重なり、リラックスした心地のいい空気が場内に流れた。

斉藤朱夏(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

赤いパッチワークの衣装にチェンジした斉藤は「パパパ」を元気いっぱいに披露。スカチューン「ぴぴぴ」では事前に動画を通して斉藤からレクチャーされたダンスをオーディエンスが完璧に踊り上げた。ダンス歴の長い斉藤も「すごいね! 120点です! 完璧じゃん!」と感心。そして「ここにいるみんなと出会えたことが本当に運命だと思います。世界にたくさん人がいる中で、君と出会えたのは奇跡」と話し、冬のラブバラードソング「36°C」を雪景色のような白いペンライトの光に彩られながら歌い上げた。

斉藤朱夏(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

斉藤がアコースティックギターの音色に乗せて歌い始めたのは、自身の弱い部分をストレートにつづったバラードナンバー「よく笑う理由」。心の内をさらけ出すような彼女の歌を、オーディエンスはじっくりと受け止めていく。観客に向かって深くおじぎをし、「1stアルバム『パッチワーク』を作っていて、いろんな自分がいることに気付きました。自分は器用だってずっと思ってたんだけど、不器用だったんだなと気付いて。でも、ここにいる君は、私が不器用だということをきっと知ってたと思うんだよね。みんなは私以上に私のことを知ってくれているから、いつもみんなに気付かされることがたくさんあります」と客席を見渡した斉藤。彼女が「『よく笑う理由』で歌ったように勝手に1人でいるような気がして、『居場所はどこなんだろう?』って探してて。でも。1人じゃないということに気付けました。だってこんなにいるんだよ?」と客席を見渡すと、オーディエンスは温かな拍手でその言葉に応えた。その後、斉藤は「ここにいる君が私の生きる原動力です。私は泣き虫だし、弱虫だし、頑固だし、わがまま。だけど、君の中で私が少しでもヒーローになれたらいいなと毎回思ってステージに立っています」と語り、アコースティックギターと鍵盤のみのシンプルな演奏をバックに「ヒーローになりたかった」を伸びやかに歌唱。さらに立ちはだかる壁を越えていく意思が詰まったナンバー「セカイノハテ」をカホンを取り入れたアコースティックアレンジで届けた。

斉藤朱夏「朱演 2021 HALL TOUR 『つぎはぎのステージ』」の様子。(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

ライブは終盤を迎え、斉藤は疾走感のあるナンバーを連投。オーディエンスは「しゅしゅしゅ」で一斉にタオルを振り回し、「Your Way My Way」では赤チームと青チームに分かれてペンライトを力強く振り上げた。斉藤は「私はこれからこの先、ずっと君の居場所を作るためにステージに立ち続けます。まだ私に会えてない人がたくさんいるのを私は知ってます。君に出会いたいから、今という一瞬を君と一緒に生き続けていきたいから、ずっとステージに立ち続けていきます。それは約束します」と断言。そして「またあした」でオーディエンスと再会を誓い、ステージを去って行った。

斉藤朱夏「朱演 2021 HALL TOUR 『つぎはぎのステージ』」の様子。(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])

アンコールで再びステージに姿を現した斉藤は、ボロボロになっても走り続ける生き方が反映された楽曲「もう無理、でも走る」をパワフルに披露。最後には「スタッフ、バンドメンバー、そしてここにいる君、今日というこの一瞬を一緒に過ごしてくれて、一緒に生きてくれて本当にありがとうございました!」と叫び、「声をきかせて」でいつも強さや勇気を与えてくれるファンに感謝の思いを伝えた。斉藤は「正直12月に入ってからドキドキしちゃって怖くなってしまった瞬間があって。私はステージというところが一番好きな場所で、一番嫌いな場所です。やっぱり怖さもあって。でも、私にはこんなにもたくさんの仲間ができました。うれしくて、本当に幸せです。大袈裟かもしれないけど、私は君がいなければ生きていけません。重たいかもしれないよね、こんな言葉。でも、本気で思ってます」とまっすぐな眼差しで話す。そして「来年、君と会うために突っ走っていきます。勝手に突っ走ってみんなのことを置いてっちゃうかもしれない。そのときはみんな『朱夏!』って叫んで! それから一緒に走ろう!」と満面の笑顔を浮かべ、大きな拍手に包まれながらライブを終えた。

また斉藤はライブハウスツアー「朱演2022 LIVE HOUSE TOUR『はじまりのサイン』」を開催することを発表した。ツアーの舞台となるのは、大阪・なんばHatch、愛知・Zepp Nagoya、東京・チームスマイル・豊洲PITの3カ所。斉藤のオフィシャルファンクラブでは、チケットの最速先行予約を12月20日まで受け付けている。

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斉藤朱夏「朱演 2021 HALL TOUR 『つぎはぎのステージ』」12月10日 パシフィコ横浜 国立大ホール セットリスト

01. ワンピース
02. くつひも
03. 恋のルーレット
04. あめあめ ふらるら
05. パパパ
06. ぴぴぴ
07. 36°C
08. よく笑う理由
09. ヒーローになりたかった
10. セカイノハテ
11. しゅしゅしゅ
12. Your Way My Way
13. またあした
<アンコール>
14. もう無理、でも走る
15. 声をきかせて

斉藤朱夏「朱演2022 LIVE HOUSE TOUR『はじまりのサイン』」

2022年4月13日(水)大阪府 なんばHatch
OPEN 18:00 / START 19:00

2022年4月22日(金)愛知県 Zepp Nagoya
OPEN 18:00 / START 19:00 

2022年4月24日(日)東京都 チームスマイル・豊洲PIT
[第1部]OPEN 14:00 / START 15:00
[第2部]OPEN 17:30 / START 18:30

読者の反応

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オリ @oriori_land

#つぎはぎのステージ からもう1年…

あの時に朱夏ちゃんが感じて思いに力強さに支えられて頑張ってきた自分がいる…斉藤朱夏という人の凄さを改めて知った1日だった!! https://t.co/KLWIalhvOv https://t.co/67B8F1ZEhe

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