SCANDALが大阪城ホールで迎えた結成15周年記念日、新旧楽曲で魅せたバンドの現在地

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SCANDALが昨日8月21日に大阪・大阪城ホールにて、結成15周年を記念したワンマンライブ「SCANDAL 15th ANNIVERSARY LIVE『INVITATION』at 大阪城ホール」を開催した。

「SCANDAL 15th ANNIVERSARY LIVE『INVITATION』」の様子。(撮影:ヤオタケシ)

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「SCANDAL 15th ANNIVERSARY LIVE『INVITATION』」の様子。(撮影:ヤオタケシ)

2006年にHARUNA(Vo, G)、MAMI(G, Vo)、TOMOMI(B, Vo)、RINA(Dr, Vo)の4人で結成され、2008年にシングル「DOLL」でメジャーデビューしたSCANDAL。その後は、国内ではもちろん、2015年には9カ国で41公演を行う初の単独ワールドツアーを成功させるなど、海外でも多くのファンを獲得している。2018年には自主レーベル・herを設立。そして2021年8月21日にオリジナルメンバーで結成15周年を迎えた。結成当初、大阪城公園内の城天ストリートでライブを行っていた彼女たちにとって大阪城ホールは思い出深い会場。7年ぶり3回目の大阪城ホール公演のチケットはソールドアウトし、その反響を受けてライブの模様は国内を含め全53カ国にも生中継された。

「SCANDAL 15th ANNIVERSARY LIVE『INVITATION』」の様子。(撮影:ヤオタケシ)

会場にSCANDAL楽曲をアレンジしたSEが流れ出すと、観客たちは座席から次々と立ち上がり、期待感たっぷりに手拍子をステージに送る。縦型の巨大スクリーンの映像とスモークが幻想的に彩るステージに4人が登場すると、スクリーンでは4つの光が1つに集まりそこから虹色の花が咲く様子が映し出された。映像演出は、2020年末にSCANDALが行った公演でもコラボレートしたクリエイティブカンパニー・NAKED,INC.によるもの。スクリーンの花に青い蝶が止まると、観客が腕にはめたPIXMOB(リストバンド式ペンライト)が蝶と同じ色に輝きだした。SCANDALがこのライブの1曲目に選んだ楽曲は「eternal」。大阪城ホール公演で歌うことをイメージして制作された、2021年3月リリースのしなやかさと力強さをたたえた1曲だ。HARUNAが歌った「今から、行こうか」という歌詞もオープニングにふさわしく、アリーナは彼女たちの美しいコーラスで満たされた。

「SCANDAL 15th ANNIVERSARY LIVE『INVITATION』」の様子。(撮影:ヤオタケシ)

2曲目の「記念日」も15周年記念日であるこの日のライブにぴったりな1曲。RINAとTOMOMIが紡ぐ軽快なビート、MAMIが鳴らす甘酸っぱいギターサウンドが会場のテンションを引き上げるこの曲では、巨大スクリーンに笑顔の4人が映し出された。続いて披露されたのは楽曲投票の1位の人気曲「SCANDAL BABY」。落ちサビでHARUNAにTOMOMIとMAMIが寄り添うというお決まりのスリーショットもオーディエンスを沸かせた。

HARUNA(Vo, G)(撮影:ヤオタケシ)

「改めまして『INVITATION』へようこそ!」と来場者と配信でライブを見守る視聴者を歓迎したHARUNA。「すでにうるっと来てるんですけど、グッと耐えて最後まで楽しみたい。本当によく来てくれましたね」と、感染症対策のため間隔を空けてアリーナを埋める観客たちを見て瞳をうるませる。続けて彼女は何年も前から計画してきた結成15周年記念日の大阪城ホール公演について「この1年くらいの世界の状況を考えるとみんなにとっても自分たちにとっても苦しいことがいっぱいあったと思う。でも15周年の大阪城ホールだけは絶対にみんなと一緒にライブをしたいと思っていたので、状況が悪化していくのがすごく怖かった。いろんな不安がある中でこれだけの人が今日ここに集まってくれたという事実だけでめちゃくちゃ幸せ」「15周年を一緒に迎えよう、ライブを一緒に楽しもうと思ってくれたみんなを絶対にハッピーにするつもりです。だから今日は全部こっちに任せてください。身を委ねて思いっきり楽しんでいってください」と無事に開催できた喜びとファンへの感謝の思いを語った。

TOMOMI(B, Vo)(撮影:ヤオタケシ)

決意表明のようなMCを終えた4人は、キラーチューン「瞬間センチメンタル」でライブを再開。HARUNAはギターを置いてマイクをつかむと「大阪まだまだ行けるっしょ!」とオーディエンスを焚き付け骨太なロックチューン「最終兵器、君」を熱唱した。RINAが刻むパワフルなビート、MAMIのエッジィなギターサウンド、TOMOMIが笑顔で鳴らす剛健なベースライン、そしてHARUNAのエネルギッシュで空間を突き抜けるようなボーカルが会場いっぱいに響く。立て続けに披露された「セラミックブルー」では、盤石のバンドアンサンブルが会場の熱気を高めた。TOMOMIのスイートなボーカルが光る「Departure」では、SCANDALのバンドサウンドが持つ柔らかで繊細な一面を発揮。客席では薄ピンク色に光る、観客の腕のPIXMOBが大阪城公園の桜を思わせた。

RINA(Dr, Vo)(撮影:ヤオタケシ)

「バースデーガールにひと言もらっておこうかな」とHARUNAに話題を振られたRINAは、ライブ当日が誕生日。「SCANDAL、RINA30歳になりました。バンド結成日と誕生日がたまたま一緒でライブでお祝いしてもらえる日が多いんやけど、なんと人生の半分バンドをして生きてきました」とRINAは自身の誕生日とSCANDALの結成日を改めてファンに伝えた。「15年も一緒にいるなんて長いよね」「15歳だと中学生?」「思春期です」とバンドの成長を人の年齢に例えて盛り上がったあと、HARUNAは「自我がやっと目覚めた感じがする。たくさん曲を出してきたけれど、自分たちらしさというか、居心地のいい自分たちみたいなものをようやく見つけられたような気がしていて。15年もやってきたんですけど、続けてきたから今の自分たちに出会えたという喜びがある」と15年をかけて成熟した今のバンドの状態について語る。また15周年を迎え、16年目に突入することについて「まだやっていきましょうっていうことですよね。というか辞め方がわからないよね」とHARUNAが冗談交じりに話すと、MAMIは「そんなの考えなくていいよ」、TOMOMIは「辞めようと思ったこともない」と笑った。2人の発言を受けたHARUNAは「このまま続いていったら一生やるんじゃないかな。みんなが30代になってもこういう話ができて幸せ」と笑顔を見せ、RINAも「本当にこのメンバーでよかったって思う」としみじみ語った。

MAMI(G, Vo)(撮影:ヤオタケシ)

その後、SCADALはコロナ禍のつらい時期にRINAが作ってきたという新曲「蒼の鳴る夜の隙間で」を初披露。深く響くリズムとギター、HARUNAの切なさを感じさせる歌声が印象的なこの曲に、観客はステージをじっと見つめながら聴き入った。6月にリリースしたばかりのMAMIが作詞作曲を手がけた新曲「アイボリー」では、RINAのずっしりとしたビートに乗せて、MAMI、HARUNA、TOMOMIの声がシアーな布が折り重なるように美しいハーモニーを描き出す。「アイボリー」と同じくMAMIがメインボーカルを務める「声」ではドライブ感のあるサウンドの中で、MAMIがエフェクターを踏みながら高らかにライトブルーのレスポールギターを鳴らし、会場いっぱいに観客のクラップが響いた。打ち込みサウンドが特徴の「Tonight」では、縦型だったLEDビジョンが横型になり、歌詞を乗せたグラフィカルな映像がステージを演出。ダンサブルなビートとパワフルな演奏で観客を踊らせた。

HARUNA(Vo, G)(撮影:ヤオタケシ)

「楽しい! やっぱりライブが大好きだわ! 本当に! みんながしっかりルールを守って対策してくれるおかげでライブができるようになって、再出発って感じがする。節目の年にみんなで会えてよかった」と笑顔のHARUNA。目の前のモニターに配信ライブの視聴者からのコメントが続々と届いていることを明かすと、LEDビジョンにも高速で流れるコメントが映し出された。コメントにひとしきり触れたあと、4人は「カゲロウ」のパフォーマンスで終盤戦の口火を切る。人気投票3位の人気曲「A.M.D.K.J.」を経て披露された「テイクミーアウト」では、髪を振り乱しながらそれぞれの音をぶつけ合い熱演する4人の姿に観客は熱狂した。間奏ではRINAの怒涛のドラミングを筆頭にそれぞれのプレイが炸裂。声は出せずとも観客のテンションが最高潮へと向かっていく様子が感じ取れ、このライブのハイライトシーンの1つとなった。「会わないつもりの、元気でね」を爽快感たっぷりに届けたあと、4人は「Image」を熟練されたバンドサウンドで魅せる。メンバーがステージ上を行き交い、目を合わせて楽しげに演奏すると、最後にHARUNAは「大阪ー!」とうれしそうに叫んだ。

「SCANDAL 15th ANNIVERSARY LIVE『INVITATION』」の様子。(撮影:ヤオタケシ)

彼女たちの熱演に観客が盛大な拍手を送ると、4人は胸いっぱいの表情を浮かべる。そしてHARUNAはSCANDALの大阪城ホール公演には欠かせない大事な1曲を披露することを告げ、「one piece」を歌い始めた。2013年、夢だった初めての大阪城ホール公演でも歌われたこの曲では「この景色の中で10年後も またキミを見たい」と、ファンとの新たな約束を結ぶように思いを込めて歌声を届ける。無数のしゃぼん玉が光を受けてキラキラと輝く中で最後の1曲を丁寧に歌い終えると、4人はステージを颯爽と下りていった。

アンコールのHARUNA(Vo, G)とMAMI(G, Vo)。(撮影:ヤオタケシ)

アンコールを求める拍手がアリーナに響くと、LEDビジョンにて9月29日にニューシングル「one more time」がリリースされることが発表された。ライブグッズのTシャツをリメイクした衣装で再登場した4人はさっそくその新曲を初披露。「好きなアーティストを観ているときや好きな曲を聴いているときは楽しい気持ちになれたら」という思いが込められた「one more time」はギターカッティングが気持ちいい軽やかなサウンドの1曲で、HARUNAはハンドマイクで表情豊かに歌声を響かせた。3度目の大阪城ホール公演のラストを飾ったのはプライベートレーベル・herから初めてリリースした再デビュー曲「マスターピース」。パワフルなバンドサウンドに乗せてHARUNAは「世界中に飛んでゆけ あなたに歌っているよ」と気持ちよさそうに歌い、客席には4人のメッセージが書かれた銀テープが放たれた。準備したすべての曲を披露したSCANDALは客席をバックに記念撮影をして、「今日は本当に最高の夜をありがとうございました。また絶対会いましょう! SCANDALでした!」と笑顔でステージを去った。このライブのセットリストはSpotifyにてプレイリストとして公開されているので、ライブの余韻に浸りたい人はこちらのチェックもお忘れなく。

なおSCANDALは10月にCHAI、indigo la End、佐藤千亜妃、Vaundyを迎えた対バンツアー「SCANDALの対バンツアー」を開催。ファンクラブ「SCANDAL MANIA」ではチケットの先行予約受付がスタートした。

SCANDAL_SETLIST(2021.08.21 SCANDAL 15th ANNIVERSARY LIVE『INVITATION』at 大阪城ホール )の再生はこちら

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SCANDAL 15th ANNIVERSARY LIVE「INVITATION」2021年8月21日 大阪城ホール セットリスト

01. eternal
02. 記念日
03. SCANDAL BABY
04. 瞬間センチメンタル
05. 最終兵器、君
06. セラミックブルー
07. Departure
08. 蒼の鳴る夜の隙間で
09. アイボリー
10. 声
11. Tonight
12. カゲロウ
13. A.M.D.K.J.
14. テイクミーアウト
15. 会わないつもりの、元気でね
16. Image
17. one piece
<アンコール>
18. one more time
19. マスターピース

SCANDAL TOUR 2021「SCANDALの対バンツアー」

2021年10月3日(日)東京都 Zepp Tokyo
<出演者>
SCANDAL / CHAI

2021年10月17日(日)宮城県 SENDAI GIGS
<出演者>
SCANDAL / indigo la End

2021年10月22日(金)広島県 広島CLUB QUATTRO
<出演者>
SCANDAL / 佐藤千亜妃

2021年10月24日(日)福岡県 Zepp Fukuoka
<出演者>
SCANDAL / Vaundy

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