ジブリパーク「魔女の谷」オープンで5エリアが揃う、宮崎吾朗「公園を散歩するような気分で」

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愛知・ジブリパークの新エリア「魔女の谷」が3月16日にオープン。これに先がけ、本日2月28日に施設説明会とメディア向け内覧会が行われ、ジブリパークを整備した愛知県の大村秀章知事、ジブリパークの制作現場を指揮してきたスタジオジブリの宮崎吾朗監督が登壇した。

左から愛知県の大村秀章知事、宮崎吾朗監督。

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宮崎吾朗監督

2022年11月1日に愛知県の愛・地球博記念公園内に開園したジブリパークは、スタジオジブリ作品の世界観を表現した施設。まずは「青春の丘」「ジブリの大倉庫」「どんどこ森」、2023年11月1日に「もののけの里」がオープンした。3月16日に披露される「魔女の谷」は、魔女が登場するスタジオジブリ作品をイメージしたヨーロッパ風の新しいエリア。「魔女の宅急便」のグーチョキパン屋やオキノ邸、「ハウルの動く城」のハッター帽子店やハウルの城、「アーヤと魔女」の魔女の家など、ジブリパーク内でも特に施設の多い、一番大きいエリアだ。「魔女の谷」のオープンで、ジブリパークの5エリアすべてが揃うことになる。

大村秀章知事

まずは大村知事が「『魔法の谷』は池と森に囲まれた地形を活かし『ハウルの動く城』や『魔女の宅急便』など代表的な建造物を再現。中に入って楽しんでいただく施設です」と「魔法の谷」を紹介する。「エリア内の建物は、ハーフティンバーという木造建築の構造で、杉や檜といった日本で使われる木材を使用していないのです。そういう意味でも、一番時間がかかりエリアの中では最後のオープンになりました」と「魔法の谷」誕生までの経緯を明かす。またついにフルオープンとなったジブリパークについて「愛知万博の理念をジブリパークに引き継いでいただいた。老若男女、国内外、世界中のファンの人に楽しんでいただけるよう、私どももしっかりと運営してまいります」と意気込みを語った。

左から司会者、宮崎吾朗監督。

続いて吾郎監督からジブリパークについての説明が行われる。まずはジブリパークがフルオープンしたことについて「およそ7年の時間をかけてここまで辿り着けました。ジブリパークを作ることに関与してくれた人たちに感謝の気持ちでいっぱい。同時に今後お客さんが楽しんでくれるかドキドキしてます」と心境を明かす。またジブリパーク構想のきっかけを振り返り、「10年前に宮崎駿監督が引退すると宣言しまして、見事に裏切られたことが証明されたわけですけど(笑)。今後ジブリが長編を作らないとなったときに、どうやって作品を残していくのかと話し合ったんです」と述べ、「ディズニーがディズニーでいられたのはディズニーランドのおかげだよね、というところで、ジブリにもジブリパークのような選択肢があるのかなと」とジブリ作品を残すために生まれた施設であることを語った。

「魔女の谷」の様子。

また新エリア「魔女の谷」については、「『サツキとメイの家』が和風だとすると、『魔女の谷』ではそれに対応する洋風のファンタジックな世界観」と説明。「屋外で空間を作るときに建物だけ作ったのでは片手落ちで、例えばキキのお家は庭も含めてお家だと思う」と、作中に登場する建物を再現するだけではなくエリア全体の世界観にこだわった。それぞれの建物では実際に水が使えたり、暖炉に火をつけたりもできることについて、吾郎監督は「触れることは大事。家に入って眺めるだけじゃなく、触れることでその場所を深く体験するってことがある。それが説得力につながるんじゃないか」と持論を展開した。

「ハウルの城」

「魔女の谷」の中でも一際存在感を放っているのが「ハウルの城」。生き物のような形をしたその城を、実際の建物として成立させるのは特に大変だったと言い、「図面に引けない建物。直角で交わっているところがなく、なおかつ建物の下のほうは不思議な形してますので、三次元的に設計していかなきゃいけない」「現場で作ってみたらなかなかうまくいかないところも多く、それをクリアしていくのが施工の進行でした」と苦労を明かす。さらに「メリーゴーランド」や「フライングマシーン」といった遊具が楽しめるのも「魔女の谷」の特徴。吾郎監督は「普通のメリーゴーランドと普通のフライングマシーンですけど(笑)、せっかくなのでただの馬じゃつまらないので、ジブリにちなんだ馬をデザインしました」と笑った。

「メリーゴーランド」

ついにフルオープンを迎えるジブリパークについて「こんなにたくさんのお客さんが喜んで、足を運んでくださるのかっていうのが、僕らにとってはうれしい驚きだった」と語る吾郎監督。5エリアすべてをまわれる「大さんぽ券」「大さんぽ券プレミアム」といったチケットも新たに発売されるが、そんな中で吾郎監督のおすすめは「さんぽ券」という「青春の丘」「どんどこ森」「もののけの里」「魔女の谷」の屋外4エリアをまわることができるチケットだ。「ふらっと公園を散歩するような気分で来ていただけるチケット。色々ついてないからこそ気軽に使えるって感じで使ってもらえたら」とアピールした。

「魔女の谷」の様子。

さらに記者からの質疑応答では「3期目」に対する質問も。大村知事が「まだやっと(3月に)フルオープンする段階(笑)。多くのお客さんに安心安全で楽しんでいただけるように、全力でがんばっていきたいと思います。そのうえで、国内外のジブリファンの皆さんの期待に応えていきたいなとは思ってます」と答える。一方、「魔女の谷」に対する宮崎駿監督の感想を問われた吾郎監督は「見にいく?って聞いたんですけど、面倒くさいからいいって(笑)。でもかつて自分が作ったものにはあまり興味がないんですよね。それよりも別のことを考えているんじゃないかなと思います」と明かした。

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