三谷幸喜の向田邦子賞贈賞式に鎌倉殿チームが大集結、三谷は「やっと恩返しできたかな」

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第41回向田邦子賞の贈賞式が昨日5月23日に東京・帝国ホテルで開催され、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で受賞した三谷幸喜が登壇した。

第41回向田邦子賞贈賞式の様子。

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三谷幸喜

左から坂元裕二、井上由美子、岡田惠和、大石静、池端俊策、三谷幸喜。

向田邦子賞は、現在のテレビ界を支える優れた脚本作家に贈られるもの。「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」などで知られる脚本家・向田邦子の功績をたたえ、1982年に制定された。三谷の受賞は4月4日に行われた選考会で発表されており、選考委員を過去の受賞者である池端俊策大石静岡田惠和井上由美子坂元裕二が務めた。

昨年放送された「鎌倉殿の13人」は、鎌倉幕府を開いた源頼朝の死後、権力争いを繰り広げた人々の姿が描かれる群像エンタテインメント。小栗旬が主演を務め、新垣結衣菅田将暉小池栄子、片岡愛之助、坂東彌十郎、宮沢りえ、大泉洋、西田敏行らが出演した。

左から小栗旬、三谷幸喜。

三谷幸喜

賞を受け取った三谷は「フレッシュな感じがなく申し訳ない」とまず場を和ませ、「向田邦子さんは僕にとって憧れであり目標です。脚本を書くときはいつも向田さんのシナリオを読み返し、『どうすれば近付けるか』と考えながら書いています。タネを明かしますと、御所に集まった御家人たちのセリフは『寺内貫太郎一家』の石職人たちのセリフから、(北條)政子と実衣の姉妹の会話は『阿修羅のごとく』からいただいております(笑)。向田さんには本当にお世話になっております」と感謝を述べる。

三谷幸喜

続いて三谷は、同賞の受賞を過去に一度辞退したことに触れ、その理由を「尊敬する向田さんと、第1回向田邦子賞を受賞した市川森一さんに名前が並ぶということが、当時の僕は許せなかった」と明かす。「当時審査員だった市川さんの奥様にあとから伺ったのですが、市川さんは僕の作品を薦めてくださっていたみたいで、僕の辞退を残念がっていたと聞きました。今回、市川さんにやっと恩返しができたかなと思います」と思いを語った。

左から菊地凛子、瀬戸康史、小池栄子、新垣結衣、菅田将暉。

贈賞式にはキャストの新垣、菅田、小池、坂口健太郎瀬戸康史梶原善菊地凛子、そして山本耕史中川大志佐藤B作草笛光子生田斗真佐藤浩市、大泉が駆け付けた。北条一家と“北条義時のライバル”の2つに分かれ、順にお祝いのスピーチを行った。

小栗旬

主人公・北条義時役の小栗は、撮影期間を振り返り、「新しい台本が上がってくるたびに『義時は次にどんな行動を取るんだろう』と本気で楽しみにできる約1年4カ月でした。こんなに役者冥利に尽きる現場はないと思いましたし、1人でここまで書き上げてくださった三谷さんのお仕事は素晴らしいものだと思います」とたたえる。

新垣結衣

北条義時の妻・八重を演じた新垣は「初めての大河ドラマがこの作品で本当に幸運だと思っています」、源義経に扮した菅田は「(三谷が)『アカデミー賞の授賞式のトイレですれ違ったときに源義経を思い付いた』とおっしゃっていて。トイレでも気が抜けないと思うと共に、あの一瞬で役を想起するそのエネルギーに感動しました」と話す。

小池栄子

梶原善

北条政子役の小池は「三谷さんのおかげでとても楽しい時間を過ごすことができ、今日『鎌倉殿』のメンバーと再会できたことも感謝しております。ただ先ほど大泉さんが『俺はいつ北条家に戻れるんだ』とぼやいていたので、そのフォローだけよろしくお願いします」と述べ、北条時房(時連)役の瀬戸は「ほかのドラマに別の役で出演しているときも『時房』でツイートされていました。愛されるキャラクターをありがとうございます」とコメント。話しながら目に涙を浮かべた善児役の梶原は、「38年間三谷さんと一緒にやらせてもらっていますが、『もういいよ』とは言いません。これからもよろしくお願いします」と謝辞を述べる。

山本耕史

中川大志

三浦義村役の山本は「僕も28歳ごろからご一緒させていただいていますが、三谷さんからは毎回まったく違う役が回ってきます。でも全部どこか“自分っぽい”役で、三谷さんは僕の知らない僕を引き出してくれます。これからも素敵な作品を書いてください。いつでも参加できるようがんばっていきます」、畠山重忠役の中川は「高校3年生のときに出演した『真田丸』以来にご一緒でき、とてもうれしかったです」と笑顔を見せる。

前列左から佐藤B作、三谷幸喜。

生田斗真

草笛光子

三浦義澄役の佐藤B作は三谷との思い出を振り返り、「(佐藤B作の)稽古場の名前をどんな名前にしようと井上ひさしさんに相談していたときに、三谷さんが来られて『これは三谷ヴィルですね』とおっしゃったのは忘れられない一言です」と話しながら、三谷の成長と受賞をたたえる。源仲章役の生田は「次の機会をいただけるときはみんなに好かれる役をお願いします」と話し、比企尼役の草笛は「これからも良いものをいっぱいお書きになってください。あの世から見てますから」とおちゃめにエールを送った。

大泉洋

最後のスピーチを任されたのは、源頼朝を演じた大泉。彼は三谷作品との出会いについて「大学で演劇のサークルに入ったときに観たのが『ショウ・マスト・ゴー・オン』の再演。こんなに面白いものがあるんだと思った」と振り返り、「そこから三谷幸喜さんは憧れの存在で、こうして何度も一緒にお仕事させていただいているのは夢のようです」と喜びをかみ締める。

大泉洋(左)のマイクを奪う三谷幸喜(右)。

また大泉は本作の役柄が影響し、ドラマの視聴者から「『鎌倉殿』を観て嫌いになっちゃった」と告げられた出来事に触れ、「そんなときに三谷さんから、『やはりあなたは日本中から嫌われ者になってしまいましたね。でも僕は大好きです』とメールをいただいたのが救いでございました」と明かす。そして「大学時代以来『王様のレストラン』や『古畑任三郎』、ずっと三谷さんの作品で楽しませてもらい育ってきましたし、私のように思っている人が日本中にいると思っています。そんな人たちを代表して、本当におめでとうございます! ありがとうございました!」と力強くメッセージを送った。

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