「ラビット・ホール」開幕に宮澤エマ「この作品のパワーを感じて欲しい」

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PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「ラビット・ホール」が、昨日4月9日に東京・PARCO劇場で開幕した。

PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「ラビット・ホール」より。(撮影:岡千里)

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PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「ラビット・ホール」より。(撮影:岡千里)

ラビット・ホール」は、2007年にピュリツアー賞を受賞したデヴィッド・リンゼイ=アベアーの戯曲。2010年には、ニコール・キッドマンの主演・製作による映画「ラビット・ホール」も公開された。今回の上演版では、藤田俊太郎が演出を担当。出演者には宮澤エマ成河土井ケイト、Wキャストの阿部顕嵐山崎光シルビア・グラブが名を連ねる。

PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「ラビット・ホール」より。(撮影:岡千里)

劇中では、息子ダニーを交通事故で亡くしたベッカ(宮澤)と、その家族の会話劇が展開。ベッカと夫ハウイー(成河)の心の溝は深くなり、ベッカは彼女を慰めようとする妹イジー(土井)や母ナット(グラブ)の言動にも傷付いてしまう。ある日、事故の車を運転していた高校生ジェイソン(阿部 / 山崎)から会いたいと手紙が届き……。

PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「ラビット・ホール」より。(撮影:岡千里)

開幕に際し、演出の藤田は「開幕5分で泣いて、開幕5分で笑って、上演中、悲しんで、喜んでいただけたらと思います。戯曲、物語、会話を通した『言葉』だけではなく、その『言葉』の向こう側にもっと大きな、お客様に共鳴していただける『ラビット・ホール』があるのではないかなと感じています。演劇を愛する全ての方に観ていただけたらと思います。もちろん、初めて劇場にいらっしゃる方にも観劇いただけたら嬉しいです。開場50周年を迎えたパルコ劇場でお待ちしております」と観客にメッセージを送る。

本作で舞台初主演を務める宮澤は「初共演の方もいるのに、初めてなのかなと思えるほど、前世も一緒だったのかなというくらい(笑)、最初から仲のいいカンパニーでした。そして、仲の良さだけではなく、それぞれがスキルと技術を持って、ディスカッションしながら、支え合いながら、アドバイスしながら稽古を進めて来たので、それは誇りでしかありません」と座組の面々に厚い信頼を寄せ、「悲劇的なことが起こった時に、一生懸命生きていきたいと感じている愛すべき人々の物語。気遣おうとするから衝突があり、その向こう側に分かり合いがある物語です。ぜひ、この作品のパワーを感じて欲しいと思います」とコメントした。

上演時間は休憩15分を含む2時間30分を予定。東京公演は4月25日まで行われる。なお本作はその後、28日に秋田・あきた芸術劇場ミルハス 中ホール、5月4日に福岡・キャナルシティ劇場、13・14日に大阪・森ノ宮ピロティホールでも上演される。

藤田俊太郎 コメント

素晴らしいキャストのみなさん、素晴らしいプランナー、スタッフの皆様と一緒に、丁寧に稽古場で稽古をして作品を作って来ました。あとは素晴らしいお客様を劇場に迎えるだけです。いとおしくて愛すべきカンパニーで世界ツアーをしたいと思えるくらい誇らしい気持ちで作品を作ることが出来ました。とても幸せです。

開幕5分で泣いて、開幕5分で笑って、上演中、悲しんで、喜んでいただけたらと思います。戯曲、物語、会話を通した「言葉」だけではなく、その「言葉」の向こう側にもっと大きな、お客様に共鳴していただける「ラビット・ホール」があるのではないかなと感じています。演劇を愛する全ての方に観ていただけたらと思います。もちろん、初めて劇場にいらっしゃる方にも観劇いただけたら嬉しいです。

開場50周年を迎えたパルコ劇場でお待ちしております。

宮澤エマ コメント

2013年の初舞台からちょうど丸10年で、初めて主演という形で、PARCO劇場の舞台に立たせていただくことになりました。この作品に巡り合えたこと、素晴らしいカンパニーで初主演をつとめさせていただくことが、いかに幸せかというかということを今、毎日毎日ひしひしと感じております。初共演の方もいるのに、初めてなのかなと思えるほど、前世も一緒だったのかなというくらい(笑)、最初から仲のいいカンパニーでした。そして、仲の良さだけではなく、それぞれがスキルと技術を持って、ディスカッションしながら、支え合いながら、アドバイスしながら稽古を進めて来たので、それは誇りでしかありません。悲劇的なことが起こった時に、一生懸命生きていきたいと感じている愛すべき人々の物語。気遣おうとするから衝突があり、その向こう側に分かり合いがある物語です。ぜひ、この作品のパワーを感じて欲しいと思います。

成河 コメント

日本には、世界がうらやむくらい、いろいろなジャンルの演劇があって、様式性の高いものから、写実性の強い演劇まで多様です。「しゃべり言葉」というのは、とても難しく、「しゃべり言葉」から離れれば離れるほど様式性の方向に行ってしまい、ヨーロッパやアメリカで今主流の会話劇から離れてしまい、お客様からは身近に感じられなくなってしまう。このカンパニーでは、「しゃべり言葉」をみんなでとても時間をかけて研究して、大学のサークルの研究会かというくらい、ディスカッションしました。様式性だけではない、派手さだけではない、日常的な身近な会話劇は、人生の支えになったり、辛い時に寄り添ってくれるということを、いろいろな人に知っていただきたいと思います。

土井ケイト コメント

本稽古が始まる前から、エマを筆頭にみんなで集まって、言葉を一から見直していきました。ここまで言葉にこだわった分、逆にものすごく「生」じゃないと成立しない、本当にその場で感じてないと動けない、言葉には逃げられない、そんな舞台になったと思います。実はそういう舞台はとても稀有で、このカンパニーでこそなしえたこと。奇跡だと思っています。

すごく実験的で、新しい挑戦なので、お客様に一緒に感じていただき、千秋楽に向かって進んでいきたいと思います。

阿部顕嵐 コメント

素敵な作品と素敵な方々に携わることが出来て、本当に幸せですし、ダブルキャストなので、舞台稽古の時、客席から何度かこの作品を客観的に観ることが出来ました。この作品には、観た後に受け取る、悪い意味ではなく、鈍くて重い痛みがあり、自分の中で消化できないものがあります。その感じたものを消化していくまで、何日間もずっと考え続けられる作品です。お客様にもその似たような思いを受け取っていただければと思います。そして、何度も観て楽しんでいただけたら嬉しいです。

山崎光 コメント

明日初日を迎えられることの嬉しい気持ちでいっぱいです。まだまだ僕は未熟なので、これからも改良していける余地があるなと熟慮しています。こんな素敵な方々とご一緒出来て、非常に嬉しいですし、まだ油断はできないですが、コロナも少しおさまってきたこともあり無事にずっと稽古も続けられて、この後も誰も欠けずに突っ走っていきたいです。それぞれのジェイソンを観ていただけたらと思います。

シルビア・グラブ コメント

ひとつのちっちゃい種から、ずっと水を与えて、風を与えて、太陽を与えて、この作品がどんどん成長して行く過程を見守って、愛情深くこの作品を観ています。お客様が入ってようやく完成形になるので、早く完成形を感じてみたい気持ちでいっぱいです。幕が開けたら、完成形として終わりではなく、またさらに千秋楽まで、どれだけ成長していくか、そしてこの作品が愛されるか、愛し続けるかが楽しみです。

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PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「ラビット・ホール」

2023年4月9日(日)~25日(火)
東京都 PARCO劇場

2023年4月28日(金)
秋田県 あきた芸術劇場ミルハス 中ホール

2023年5月4日(木・祝)
福岡県 キャナルシティ劇場

2023年5月13日(土)・14日(日)
大阪府 森ノ宮ピロティホール

作:デヴィッド・リンゼイ=アベアー
翻訳:小田島創志
演出:藤田俊太郎
出演:宮澤エマ成河土井ケイト阿部顕嵐(Wキャスト)、山崎光(Wキャスト)、シルビア・グラブ

※山崎光の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

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