ミュージカル「夜の女たち」開幕に長塚圭史「それでも生きていくという生命力を伝えたい」

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KAAT 神奈川芸術劇場プロデュースによるミュージカル「夜の女たち」が、本日9月9日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホールで開幕する。

KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース ミュージカル「夜の女たち」より。(撮影:細野晋司)

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本作は、溝口健二が監督した映画「夜の女たち」を、長塚圭史の上演台本・演出にてミュージカル化するもの。出演者には江口のりこ前田敦子伊原六花前田旺志郎大東駿介北村有起哉らが名を連ねる。なお当初は9月3日に開幕予定だったが、新型コロナウイルスの影響で3日から8日までの公演が延期になっていた。

KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース ミュージカル「夜の女たち」より。(撮影:細野晋司)

本作で初めてオリジナルミュージカルを手がける長塚は「劇場に入る直前にピアノの伴奏からバンド演奏になり、そこに照明・音響の調整が重なる、それは俳優にとっても特別な体験でしたし、思ってもみないエネルギーを要する時間でしたが、その分、全てがかみ合っていく瞬間を見るのはとても新鮮で、楽しいものでした」と話し、戦後間もない時代を舞台にした本作については「当時の時代の匂いと、その時代に生きた人々が抱えた様々な事情や切実さ、それでも生きていくという生命力をお客様にお伝えしたい、と思っています」と述べる。さらに上演に向け長塚は「人間は愚かです。でも、だからこそ美しく、面白い。戦後の話を市井の人々にスポットを当てて描いた作品を手掛けた今、そのことを改めて思います」と思いを語った。

KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース ミュージカル「夜の女たち」より。(撮影:細野晋司)

江口は「今はもう、早く初日を迎えたい気持ちです。音楽がとても素晴らしく、振付もおもしろいですし、楽しいシーンもたくさんあります。お客様にぜひ楽しんでいただければと思います」、前田は「観に来る方たちもどういう作品なんだろうと思っていらっしゃるでしょうし、予測ができないので、そこを楽しんでいただけたらいいなと思います」とコメント。また伊原は「いい意味で緊張感をもったまま初日を迎えらますし、カンパニーの結束力も高まっています。出演者としてもKAATシーズンタイトル『忘』にふさわしい、今やるべき作品だと思っています」とメッセージを送った。

神奈川公演は9月19日まで。本作はその後、9月24・25日に福岡・北九州芸術劇場 中劇場、30日から10月2日まで愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール、6日に山口・山口市民会館 大ホール、10日に長野・まつもと市民芸術館 主ホール、14日から16日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールでも上演される。

長塚圭史コメント

劇場に入る直前にピアノの伴奏からバンド演奏になり、そこに照明・音響の調整が重なる、それは俳優にとっても特別な体験でしたし、思ってもみないエネルギーを要する時間でしたが、その分、全てがかみ合っていく瞬間を見るのはとても新鮮で、楽しいものでした。演劇は総合芸術と言われますが、ミュージカルはそれが際立つと思います。

この作品は戦後間もない時代に書かれた作品をベースにしているので、作品から匂いたつものが多くあり、当時の時代背景を調べながら上演台本を書きました。当時の時代の匂いと、その時代に生きた人々が抱えた様々な事情や切実さ、それでも生きていくという生命力をお客様にお伝えしたい、と思っています。

今の世界情勢を見ても、一つの国の中でも色々な考えがあり、一緒に歩むことの難しさを痛感します。人間性をもって共に協調しながら歩むことができればよいけれど、そうはならない。人間は愚かです。でも、だからこそ美しく、面白い。戦後の話を市井の人々にスポットを当てて描いた作品を手掛けた今、そのことを改めて思います。

ある種、暗い時代を扱った戯曲ですが、荻野清子さんの音楽が素晴らしく、音楽と劇が相まって、とても華やかなエンターテインメント作品としてお届けすることができることを嬉しく思っています。

江口のりこコメント

今はもう、早く初日を迎えたい気持ちです。音楽がとても素晴らしく、振付もおもしろいですし、楽しいシーンもたくさんあります。お客様にぜひ楽しんでいただければと思います。

前田敦子コメント

贅沢に時間を使ってしっかり稽古もさせていただきました。観に来る方たちもどういう作品なんだろうと思っていらっしゃるでしょうし、予測ができないので、そこを楽しんでいただけたらいいなと思います。真っ直ぐな気持ちで初日を迎えたいです。

伊原六花コメント

やっと初日を迎えられるという気持ちです。いい意味で緊張感をもったまま初日を迎えらますし、カンパニーの結束力も高まっています。出演者としてもKAATシーズンタイトル「忘」にふさわしい、今やるべき作品だと思っています。

ミュージカルという一歩入りやすい形でお客さまにも感じていただけたら嬉しいです。

前田旺志郎コメント

初めてのミュージカルで、芝居の中で歌が流れるということが何度やっても新鮮です。自分の歌もみんなで歌っている歌も他のパートも、頭に残るフレーズ、刺さる歌詞の箇所が毎回毎回違うことが面白くて、いつまでたっても新鮮に音を聞いてお芝居ができることに、ストレートプレイとは違う魅力を感じています。そういう風に自分の曲も毎日、今日はこういうことをやってみようと試行錯誤しながら、本番が始まってからも届ける部分を変えて行けたら面白いと思っています。

大東駿介コメント

ようやく幕が開いて皆さんにこの芝居を体験してもらえることが楽しみです。音楽が素晴らしく、映画が公開された1948年にぜひKAATでタイムスリップしてください。

北村有起哉コメント

この作品がどんな流れになっているのか稽古場では分からなかったですが、いつもはあまり見たくない通し稽古の映像を初めて見て、そうしたら色々な予想外の発見があって、確信を持てた部分、ほっとした部分がたくさんありました。不安な部分もありましたが、長塚君や荻野清子さんがこういうことをやりたかったんだと、改めてチームの一人として誇らしく思えました。初日が延期になりましたが、無理やり慌ててやるよりもぎりぎりまで粘ってリハーサルができて、満を持して、延期した初日から皆さんの前でお披露目できるのはよかったと思っています。

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KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース ミュージカル「夜の女たち」

2022年9月3日(土)~19日(月・祝)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 ホール

2022年9月24日(土)・25日(日)
福岡県 北九州芸術劇場 中劇場

2022年9月30日(金)~10月2日(日)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール

2022年10月6日(木)
山口県 山口市民会館 大ホール

2022年10月10日(月・祝)
長野県 まつもと市民芸術館 主ホール

2022年10月14日(金)~16日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

原作:久板栄二郎
映画脚本:依田義賢
上演台本・演出:長塚圭史
音楽:荻野清子
振付:康本雅子
出演:江口のりこ前田敦子 / 伊原六花前田旺志郎北村岳子福田転球 / 大東駿介北村有起哉 / 石橋徹郎中山義紘入手杏奈、山根海音、篠崎未伶雅、山口ルツコ、小熊綸、加瀬友音

※9月3日から8日までの公演は新型コロナウイルスの影響で中止になりました。

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