坂本昌行・長野里美・鈴木杏がヒューマンサスペンスに挑む、栗山民也演出「凍える」

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パルコ・プロデュース2022「凍える」が、10月から12月にかけて、東京・福島・兵庫・愛知・長野・新潟・福岡・沖縄で上演される。

パルコ・プロデュース2022「凍える」メインビジュアル

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ブライオニー・レイヴァリーの戯曲「凍える」は、1998年にイギリスで初演された作品。2004年にアメリカ・ニューヨークで上演された公演は、同年のトニー賞演劇作品賞にノミネートされた。劇中では20年前に行方不明になった少女ローナを巡り、連続児童殺人犯のラルフ、ローナの母ナンシー、精神科医のアニータがそれぞれに向き合う様子が、ヒューマンサスペンスとして描かれる。本公演では、栗山民也が演出を手がけ、ラルフ役を坂本昌行、ナンシー役を長野里美、アニータ役を鈴木杏が務める。

栗山、翻訳の平川大作、坂本、長野、鈴木のコメントは以下の通り。

栗山民也コメント

いつものことですが、新しい作品と初めて出会う時は、部屋の灯りなど辺りの環境を整え、開演の幕が上がるその時の気持ちで、「えいっ!」とプリントの一枚目をめくります。そして、一気に幕の降りるまで読みます。劇場の観客が感じる同じ時間で、同じ体験をするのです。鉛筆片手に、思いついたことは台本の余白にメモします。これが案外役に立ちます。とにかく、新しい物語に初めて触れた、その時のリアルな実感を大事にしたいのです。

この「凍える」という劇も、そのように読み始めました。多くの場面のそれぞれの世界感、登場人物である三人のモノローグのバラバラな感情、時間、背景、質感、それらがぐるぐると円環しはじめ、物語が一つの網のように絡みついていきます。こんな複雑で面倒な台本は初めて。すぐにプロデューサーに、「これで、いきましょう」と、電話をしました。

平川大作コメント

「凍える」には主人公が存在しません。鮮烈な出来事の前では主人公も脇役もなく、個々の人間が自分の置かれた位置からそれに対峙するしかない。三人の独白の連打という、戯曲の形式としてはやや特異な手法でこの作品が語りはじめるのは、そのような状況です。やがて三人が放つ強烈な磁場はお互いを引き寄せ、干渉し、舞台上に意想外の文様を浮かび上がらせることでしょう。三人のキャストの磁場から、栗山さんが描く文様を劇場でぜひ目撃いただきたいと思います。

坂本昌行コメント

普段の生活では、なかなか起こり得ない、また、センセーショナルな内容ですが、非常に考えさせられる舞台になっています。

今までに演じたことの無い「連続児童殺人犯」ラルフを演じます。ラルフという人間になった時に、どのように気持ちが動いてどのようになってしまうのか、僕自身楽しみですし、心も体ものめり込んで行けたらと思います。僕が30年前に初舞台を踏んだ時(1992年「ミュージカル 阿国」)の演出家が栗山さんだったので、たくさんの時間と経験を経て、再びご一緒できることがとても楽しみです。PARCO劇場に立つのは22年振り(2000年「東京サンダンス~俺たちの20世紀~」)なので、22年前とは違った僕を見ていただけたら嬉しいです。劇場でお待ちしております。

長野里美コメント

本作がパルコでの三人芝居であることと、以前から演出を受けたかった栗山民也さんが抜擢してくださったという情報だけで出演を決めたのですが、決めてから本を読み、おののきました。

こんなに一人でしゃべるなんて! 後半まで共演者と(舞台上で)助け合うこともできない。しかも心情の移り変わりが難しい。今も震えています。けれど、愛する者を失う気持ちはきっと観て下さる方と共有できると信じて立ち向かいます。ナンシーのように。

鈴木杏コメント

またハードルが高い戯曲と出会ってしまったなぁと思っています。スリリングで繊細な対話のなかに、生きていく上で大切なものが埋まっていそうで、それをたくさん見つけたくて、今から稽古が楽しみです。栗山さんと再会できるのは、ご褒美のようでうれしく、同時に背筋が伸びます! 坂本さん、長野さんと向き合った時に生まれるものを大切にして、観に来て下さった方の記憶の片隅に残るような舞台をお届けできるように頑張ります。

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パルコ・プロデュース2022「凍える」

2022年10月2日(日)~24日(月)
東京都 PARCO劇場

2022年10月30日(日)
福島県 いわき芸術文化交流館 アリオス 中劇場

2022年11月3日(木・祝)~6日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

2022年11月10日(木)~13日(日)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール

2022年11月16日(水)・17日(木)
長野県 まつもと市民芸術館 主ホール

2022年11月26日(土)・27日(日)
新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場

2022年12月3日(土)・4日(日)
福岡県 北九州芸術劇場 中劇場

2022年12月10日(土)・11日(日)
沖縄県 那覇文化芸術劇場なはーと

作:ブライオニー・レイヴァリー
翻訳:平川大作
演出:栗山民也
出演:坂本昌行長野里美 / 鈴木杏

読者の反応

いわき芸術文化交流館アリオス(いわきアリオス) @iwaki_alios

【パルコ・プロデュース2022 凍える】10/30(日) 13:30開演、いわきアリオス 中劇場での公演の一般発売日は8/27(土)10:00〜。お楽しみに!
#ブライオニー・レイヴァリー #平川大作 #栗山民也
#坂本昌行 #長野里美 #鈴木杏 #PARCOSTAGE #舞台凍える #アリオス #いわき https://t.co/ciJ8P5w7n4

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