上田久美子が描く植物と人間の世界…中村勘九郎「純粋な心を思い出しながら演じたい」

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スペクタクルリーディング「バイオーム」の制作発表会見が、本日4月26日に東京都内で行われた。

スペクタクルリーディング「バイオーム」制作発表会見より、左から一色隆司、安藤聖、成河、麻実れい、中村勘九郎、花總まり、古川雄大、野添義弘、上田久美子。

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スペクタクルリーディング「バイオーム」チラシ

作劇を上田久美子、演出を一色隆司が手がける「バイオーム」は、梅田芸術劇場が送る“進化型エンターテイメント演劇”の一環として上演されるもの。五感を揺さぶる朗読劇“スペクタクルリーディング”の形式で上演されたのち、VRやARなどのテクノロジーを駆使した“体験型サイトスペシフィック演劇”へと進化する。劇中では、ある政治家一族の庭先を舞台にした物語が展開され、出演者たちはそれぞれ1人2役を演じる。

左から野添義弘、上田久美子。

会見には、上田、一色のほか、主演を務める中村勘九郎ら7名のキャストが出席。3月末に宝塚歌劇団を退団し、今回初めて宝塚歌劇以外の作品を手がける上田は「今の社会や世界から自分が受け取ったものを、即興的に形にすることに挑戦しました。植物の世界と人間の世界が2つの層になっていて、よく言えば不思議、悪く言えば変な作品になっているかもしれません(笑)。一色さん、キャストの皆さんのお力で素敵な作品になることを期待しています」と笑顔を見せる。

左から一色隆司、安藤聖、成河。

一色は「上田先生からとてつもない台本をいただいて、初めは『どうしよう!』と思ったのですが、奥深く、スケール感のある作品になるのではと思います」と感想を述べつつ、「朗読劇というと本を読み聞かせするイメージだと思うのですが、『バイオーム』の場合は、台本を開くと作品世界がどんどん広がって行くんです。気が付いたらその世界に没入しているような、そんな“スペクタクルリーディング”にできればと考えています」と期待をあおった。

左から麻実れい、中村勘九郎、花總まり。

ルイ / ケイ役を演じる勘九郎は「8歳の男の子と女の子を演じます。遠い昔に置いてきてしまった純粋な心を思い出しながら演じたい」としつつ、「植物の役も演じてみたかったな……」とこぼし、会場の笑いを誘う。ルイの母・怜子 / クロマツの芽役を務める花總まりは「2つのお役の関連性を大事にしていきたい。私にとって新たなチャレンジになりそうです」とほほ笑んだ。

左から花總まり、古川雄大、野添義弘。

庭師の野口 / 一重の薔薇役を演じるのは古川雄大。古川は自身の役どころについて、「野口は謎めいた人物で、一重の薔薇は“マダム風”の口調というヒントをもらっています。がんばって習得したいと思います(笑)」と言及。ルイの祖父・克人 / クロマツの盆栽役を演じる野添義弘は「どういう作品になるかまだわからない部分もありますが、空間を揺さぶるような、今までに観たことがないような舞台になるのではないでしょうか。ぜひとも劇場で一緒に体験していただきたいと思います」と呼びかけた。

左から安藤聖、成河。

花療法士のともえ / 竜胆役を務める安藤聖は「ともえは、この作品の中で一番庶民的で、幸せについて知っている人。今まで植物の役を演じたことがないので、役作りのために竜胆の花言葉を調べたのですが、“正義”という意味があるそうです。“正義”はともえと竜胆、両方に共通する部分だと思うので、しっかりと考えながら演じたい」と意欲を見せた。

怜子の夫・学 / セコイア役の成河は「上田先生の書かれた生々しい物語はとても現代的で、登場人物全員が被害者であり、加害者でもあります。ヒリヒリするような人間ドラマをぜひとも楽しんでいただければ」とアピール。家政婦のふき / クロマツ役を務める麻実れいは「どちらも初めていただくお役です。これだけのメンバーが集まればいろいろなアイデアが出てくると思いますので、素敵な作品に仕上げていきたいです」と抱負を述べた。

スペクタクルリーディング「バイオーム」は、6月8日から12日まで東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)で上演され、チケットの一般販売は5月21日に開始される。またこのたび、本作の舞台映像が配信されることも決定した。

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スペクタクルリーディング「バイオーム」

2022年6月8日(水)~12日(日)
東京都 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)

作:上田久美子
演出:一色隆司
出演:中村勘九郎 / 花總まり古川雄大 / 野添義弘安藤聖 / 成河 / 麻実れい

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