KIMONOS、SuiseiNoboAz、Bialystocksが異世代競演 鳴らし続けた三者三様の音

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5月23日に東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEでライブナタリーによる音楽イベント「ライブナタリー “KIMONOS × SuiseiNoboAz × Bialystocks”」が開催された。

「ライブナタリー “KIMONOS × SuiseiNoboAz × Bialystocks”」出演者(Photo by Kana Tarumi)

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前日から気温が大幅に下がり、冷たい雨が降ったこの日の東京。渋谷duoには、独自の音楽性を持つ異世代の3組の競演を目撃すべく音楽ファンが駆けつけた。各アーティストの持ち時間はそれぞれ50分。全組ともにほとんどMCを挟むことなく、時間いっぱいに自分たちの音を響かせた。

石原正晴(Vo, G, Sampler / SuiseiNoboAz)(Photo by Kana Tarumi)

定刻を過ぎ、まず登場したのはSuiseiNoboAz。「とびっきりのサマーなセットリストでお送りしたいと思います」という石原正晴(Vo, G, Sampler)の宣言と裏腹に、彼らが1曲目に演奏したのは凍えるような寒さを連想させる「liquid rainbow」だ。楽曲後半にかけて高まった場内の熱は、「ultra」の疾走感と相まってみるみる上昇。続く「3020」でスケールの大きなストーリーが紡がれると、会場にエモーショナルな空気が充満し、観客は心地よさそうに体を揺らした。

SuiseiNoboAz(Photo by Kana Tarumi)

高野メルドー(G)が鍵盤の前に腰掛け、耳をつんざくような石原の絶叫から始まったのは「亡霊に遭ひし事」。河野“TimeMachine”岳人(B)の怪しげなステージングと、松田タツロウ(Dr)のたびたび変調するドラムがおどろおどろしさに拍車をかける。「GHOST IN THE MACHINE DRUM」では石原が大音量のギターを重ねるアウトロでバンドのグルーヴが炸裂した。そして高野が再びギターを手にし、鼓膜が圧迫されるほどの大音量で「PIKA」をスピーディに届けたSuiseiNoboAz。石原がテープエコーを肩に担ぎ、しばし轟音で会場を包んだ彼らは、その音を一斉にバツンと止めて出番を終えた。

Bialystocksのステージの様子。(Photo by Kana Tarumi)

朝田拓馬(G)、Yuki Atori(B)、深谷雄一(Dr)をサポートメンバーに迎えたBialystocksのステージは「またたき」でまったりとスタート。菊池剛(Key)の後ノリのピアノが甫木元空(Vo)のソフトな歌声を上品に彩る。各パートの絡み合いがスリリングな「灯台」に続き、「コーラ・バナナ・ミュージック」では極彩色のライトがカオティックな楽曲の世界観を強調。ご機嫌なポップチューン「Upon You」では甫木元のタンバリンに合わせて多くの観客が一緒に手を叩いて楽しんだ。

甫木元空(Vo / Bialystocks)(Photo by Kana Tarumi)

後半に演奏された「I Don't Have a Pen」は音数の多いピアノとぎっちり詰まった言葉が印象的なナンバー。アウトロで存在感を放ったピアノ、ギター、ベースの息の合ったユニゾンに、フロアから大きな歓声が送られた。さらにBialystocksは静かな立ち上がりから幾度か訪れる展開がユニークな「雨宿り」、美しい旋律のバラード「日々の手触り」など、幅広いテイストの楽曲で観客を魅了。じっくりと音を積み上げた先に、鮮烈な山場が待つ「Nevermore」で観客に強い爽快感を与え、この日最多の11曲を披露してステージをあとにした。

KIMONOS(Photo by Kana Tarumi)

向かい合うように椅子に腰掛け、音を確かめる向井秀徳ZAZEN BOYS)とLEO今井(METAFIVE、TESTSET)。フロアでは、これから始まるKIMONOSのステージへの期待感があふれ、拍手や歓声がたびたび起きた。「始めます」というLEO今井の声に続き、爆音で鳴ったのは「Miss」のトラック。じわじわとフロアを温めた2人は、続いて「Haiya」で心地よい低音を観客の胸に響かせた。「立ち上がるの早かったな……」とすでに椅子から立ち上がってパフォーマンスしていることを悔やむ様子のLEO今井に、「Do it!」と返す向井。間髪をいれず「Yureru」のプレイが始まり、がなるような向井の歌声と、効果的に差し込まれるディレイギター、LEO今井のウィスパーボイスが美しいハーモニーを奏でる。ムーディなメロディの「Fruity Night」では向井もおもむろに立ち上がり、2人でマイクを手に熱唱した。

KIMONOS(Photo by Kana Tarumi)

「Furaibo」からは白根賢一(GREAT3、TESTSET、manmancers)が登場し、骨太なドラミングで演奏を支える。「No Modern Animal」のビートに合わせて観客が一斉に踊り出した瞬間は、この日のハイライトの1つとなった。野性味あふれる「Mogura」、とりわけメロディアスな「Soundtrack To Murder」でフロアを大いに熱狂させたKIMONOSは、ラストナンバーとして「Tokyo Lights」を叫ぶように歌唱。熱演の興奮冷めやらぬ観客のアンコールに応え、再び登場した向井、LEO今井、白根の3人はセットリストに記載のなかったKraftwerk「Computer Love」を急遽披露してイベントを締めくくった。

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「ライブナタリー “KIMONOS × SuiseiNoboAz × Bialystocks”」2023年5月23日 渋谷duo MUSIC EXCHANGE セットリスト

SuiseiNoboAz

01. liquid rainbow
02. ultra
03. 3020
04. Y.O.M.I.
05. 亡霊に遭ひし事
06. 月面源流釣行記
07. GHOST IN THE MACHINE DRUM
08. PIKA

Bialystocks

01. またたき
02. 差し色
03. 灯台
04. コーラ・バナナ・ミュージック
05. Upon You
06. ただで太った人生
07. Over Now
08. I Don't Have a Pen
09. 雨宿り
10. 日々の手触り
11. Nevermore

KIMONOS

01. Miss
02. Haiya
03. Yureru
04. Fruity Night
05. Furaibo
06. No Modern Animal
07. Mogura
08. Soundtrack To Murder
09. Tokyo Lights
<アンコール>
10. Computer Love(Kraftwerk)

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ライブナタリー @live_natalie_mu

【ライブレポ公開!】

ライブナタリー “#KIMONOS × #SuiseiNoboAz × #Bialystocks”

ライブレポが、音楽ナタリーにて公開!
ぜひお楽しみください。 https://t.co/iRt0HXrTDb

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