フジファブリック×くるりが東京で初対バン、万感の思い込めて奏でたロックンロール

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フジファブリックの対バンライブ「フジフレンドパーク2023」の東京公演が、3月29日に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)にて開催された。

フジファブリックとくるりのコラボレーションの様子。(撮影:森好弘)

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「フジフレンドパーク」はフジファブリックが“友達または友達になりたいアーティスト”をゲストに迎える企画。3月3日の福岡・Zepp Fukuoka公演にはフレデリック、21日の大阪・Zepp Osaka Bayside公演には緑黄色社会が出演し、ファイナルとなった東京公演にはくるりが出演した。フジファブリックとくるりはかねてより親交が深く、フジファブリックの山内総一郎(Vo, G)はかつてくるりのサポートギタリストも務めていたという間柄。この日のライブでは貴重なセッションも含めた、それぞれの思い入れが感じられる熱いパフォーマンスが繰り広げられた。

くるり(撮影:森好弘)

最初にステージに登場したくるりは「琥珀色の街、上海蟹の朝」のどっしりとしたアンサンブルでライブを幕開け。涼やかなイントロにフロアがざわめいた「ばらの花」に続き、「虹色の天使」では岸田繁(Vo, G)が奏でる骨太なギターサウンドがZeppに轟いた。岸田は「お客さんが温かいね」と心地よさそうに体を揺らすオーディエンスに笑顔を見せる。佐藤征史(B)も「これだけお客さんが入っているZeppは何年ぶり?」と、収容人数や声出しなどの制限がなくなった満員のフロアを見渡して喜んだ。

くるり(撮影:森好弘)

映画「ちひろさん」の主題歌でもある最新曲「愛の太陽」のポジティブなサウンドで会場を盛り上げたあとは「Liberty & Gravity」をトリッキーに奏でる。MCでは岸田と佐藤がフジファブリックとの思い出を語った。2010年7月に山梨・富士急ハイランドコニファーフォレストで行われたフジファブリックのイベント「フジフジ富士Q」に出演した際、くるりはフジファブリックとのコラボで「銀河」を演奏。岸田はそのときの感想を「めっちゃムズなかった? (ギターを弾く)手がしんどくて、カッティングしてるフリをして……(笑)」と話し、同じくギターを演奏した佐藤も「2番から追いつかなくなった(笑)」と振り返った。

岸田は開演前の楽屋で山内と交わした会話について触れ、昨年自動車運転免許を取得したと話したところ「今までで一番びっくりされた」と笑う。「そんな曲をやります(笑)」という言葉に続いては「ハイウェイ」が披露された。この曲の歌詞にちなみ、岸田は山内に「車にウーハー付けたんすか!?」と尋ねられたという。そんな山内がくるりのサポートギタリストを務めていた当時を振り返った佐藤は「みんなでホテルで『モンスターハンター』をやってましたね。また今度流行ったときにご一緒できたら」と懐かしそうに話し、ラストナンバー「Remenber me」を丁寧に奏でた。

フジファブリック(撮影:森好弘)

続いて始まったフジファブリックのライブでは、1曲目に「東京」をパフォーマンス。ファンキーなアンサンブルでフロアを揺らしたのち、「楽園」の艷やかなサウンドが届けられた。山内は「今日は正気じゃいられないですよ。リハから涙があふれました。うれしいー!」と「フジフレンドパーク」9年目にしてくるりを迎えられた喜びを爆発させる。続いて披露されたのは最新曲「ミラクルレボリューション No.9」。この曲はワールド・ベースボール・クラシックのJ SPORTS中継テーマソングとして放送されたが、山内は日本代表が前回優勝を果たした2009年にも同中継のテーマソング「Sugar!!」を提供したことを振り返り「ジンクスができましたね、僕らがテーマソングをやると優勝するんですよ! だから次回もお願いします(笑)」と笑顔に。オーディエンスは金澤ダイスケ(Key)が鳴らすファンキーな音色に乗せて、加藤慎一(B)がレクチャーする野球ネタを取り入れた振付を全員で踊って一体感を楽しんだ。

山内総一郎(Vo, G / フジファブリック)(撮影:森好弘)

山内はMCで、かつてくるりのサポートメンバーとして活動していた時期を「宝物のような記憶として残っています」と回顧。フジファブリックにとってのくるりは「恩義のある、特別な思いのあるバンド。道標みたいな方々だなと思っています」という山内は、志村正彦が亡くなったあと2011年にバンドの再始動を発表したのはくるりのツアーでサポートを務めている最中だったと振り返る。そして「アンコールで『お前らも何か歌え』と言われて、(サポートドラマーの)BOBOさんと僕がソロで歌わされて(笑)。そのとき歌って、岸田さんが『すげえいい曲だ』と言ってくださった曲を、感謝の気持ちを込めて演奏します」と語り、万感の思いを込めて「ECHO」を歌い上げた。

「徒然モノクローム」「星降る夜になったら」を華やかに披露したあと、山内は「フジフレンドパーク」の大成功を喜び「皆さん、また笑顔でお会いしましょう」と挨拶。その思いを最後の「破顔」に込め、ステージをあとにした。

左から山内総一郎(Vo, G / フジファブリック)、岸田繁(Vo, G / くるり)。(撮影:森好弘)

アンコールで山内は、くるりと東京で対バンしたのは今回が初めてだと明かし、ステージに岸田と佐藤を呼び込んだ。野球ファンらしくキレのある動きで「ミラクルレボリューション No.9」の振付を披露してみせた岸田は「つうか野球好きなん? サッカーのイメージだわ」と山内に話しかける。その傍らで佐藤と加藤はマイクを通さずに会話を交わして爆笑し、1人でステージ下手に佇む金澤はフロアに手を振りながら笑顔を振りまくというフリーダムな空間に、オーディエンスから笑いが起こった。

岸田が所属するサンフジンズのメンバーとしてもおなじみのサポートドラマー・伊藤大地を加え、6人が披露したのはくるりの代表曲「ロックンロール」。笑顔を交わしながらそれぞれが奏でる息もぴったりな圧巻のアンサンブルに、観客は大いに沸き返った。演奏を終えた山内は「もう1曲やっていいですか? 昨日の夜ですよ、メールで『あの曲やらへんの?』って来て……(笑)」と、前日に急遽決まったという楽曲を紹介した。そして始まった楽曲は「Sunny Morning」。2010年の「フジフジ富士Q」でも2組がコラボレーションしたナンバーで、念願の対バンの幕が閉じられた。

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「フジフレンドパーク2023」2023年3月29日 Zepp DiverCity(TOKYO)セットリスト

くるり

01. 琥珀色の街、上海蟹の朝
02. ばらの花
03. 虹色の天使
04. 愛の太陽
05. Liberty & Gravity
06. everybody feels the same
07. ハイウェイ
08. Remember me

フジファブリック

01. 東京
02. 楽園
03. ミラクルレボリューション No.9
04. LET'S GET IT ON
05. ECHO
06. 徒然モノクローム
07. 星降る夜になったら
08. 破顔
<アンコール>
09. ロックンロール
10. Sunny Morning

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