「WACK合同オーディション2023」激動の1週間を振り返る

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約4kmを走った直後のナルハワールド(GANG PARADE)。

「WACK合同オーディション2023」5日目 コント中のマジヤスメ・アツコ、チャンアダルト。

5日目の早朝マラソンでは、ナルハワールドが1位でゴールする奮闘ぶりを見せる。彼女は前日のレースで中間地点の上位者に用意された“障害物”の栗まんじゅうに苦しめられて10位だった。昼の審査では「WACK合同オーディション」恒例のコント対決もあったが、コントのみを披露する例年の審査とは異なり、今回はコントに続けてBiSH「サヨナラサラバ」をパフォーマンスするという内容に。つまり限られた時間の中で、コントのネタ決めとネタ合わせに加えて、楽曲の歌と踊りまで練習する必要があった。この審査で1位になったのはマジヤスメ・アツコとチャンアダルトのコンビ。コント自体は面白みのない内容だったが、ネタから「サヨナラサラバ」へつなぐ際の絶妙な間とシュールさで爆笑を誘った。

「WACK合同オーディション2023」5日目 夜のパフォーマンス審査前。

本合宿で大きな動きを見せたのは、この5日目だった。渡辺は日本クラウンのBiS担当・吉川氏からのタレコミとして、現役メンバーが「どの候補生もWACKに入ってほしくない」と話していたことを参加者たちに報告。渡辺は「入れたくないのであれば、ちゃんと潰していただこうかな」と、夜の審査内容をこれまでにない新たな審査スタイル・“ブレイキングダウン”方式にすることを発表した。これは参加者が1対1で向き合い、同じ曲をパフォーマンスしてその内容を競うという個人戦。一部の現役メンバーが「入ってほしくないとは思っていない」と反論する場面もあったが、渡辺は現役メンバーに「潰したい候補生」を選ばせた。なおノノ3とレオナイクスワイズは指名されなかったため、候補生同士で対戦することになった。

ナルハワールド(GANG PARADE)対イャン・GP・マイカ。

ノノ3対レオナイクスワイズ。

ノノ3対レオナイクスワイズ。

“ブレイキングダウン”方式は、グループで力を発揮できない候補生を見かねて、渡辺が思い付いた画期的な審査スタイルだった。練習時間の話し合いなどもなく、ひたすら自分と向き合って練習を重ねる参加者は、合宿に参加する意味などを自問自答しながらも、目の前に立つ相手とその先を見据えて、パフォーマンスを行った。気迫みなぎる候補生と現役メンバーの姿に、渡辺は「最初からこれをやってよ」とひと言。なおこの審査で現役メンバーが負けた場合、「1カ月間白塗り生活を送る」という罰ゲームが用意されていた。これにより候補生に負けたナ前ナ似、トギー、ナオ・オブ・ナオの白塗りが確定した。候補生はこの対決によりマジヤスメ・アツコ、イャン・GP・マイカが脱落。マジヤスメは6日目早朝の“ブレイキングダウン”方式のパフォーマンス審査で勝利して、戦線復帰を果たした。

左からナ前ナ以(ASP)、ナオ・オブ・ナオ(豆柴の大群)、ナルハワールド(GANG PARADE)、トギー(BiS)、maho(ExWHYZ)。

手前にナルハワールド(GANG PARADE)、レオナイクスワイズ、その背後にナ前ナ以(ASP)。

現役メンバー3人が白塗りになってマラソンを走るという、絵面的な変化もありつつ、オーディションは6日目を迎える。昼は2チームに分かれてのパフォーマンス審査だったが、前日夜の気迫に満ちた雰囲気がなくなってしまう。渡辺は「メンバーにも言ってることだけど、お客さんはバカじゃないんで、1回のライブが勝負なんですよ。その1回がよくなければ、次からお客さんは来てくれません」と、1回のパフォーマンスにいかに真摯に向き合えるかの重要性を説いた。さらにこの話題に関連して、渡辺はWACKのグループでさえそれができていないと苦言を呈し、「だから同じようなキャパシティをずっと回っている」と述べた。合宿終了までのタイムリミットが迫る中、6日目の昼食後に渡辺は“ブレイキングダウン”方式での審査を夜に再び行うと発表。今度は候補生が対戦相手を指名して対戦カードが決められた。難易度の高いパフォーマンスを行うExWHYZのメンバーであるmahoは、候補生からの対戦を避けられる傾向にあった。

「WACK合同オーディション2023」6日目 トギー(BiS)対hitorikko。

ナオ・オブ・ナオ(豆柴の大群)対チャンアダルト。

maho(ExWHYZ)対アイカ・ザ・ポリス。

2度目の“ブレイキングダウン”方式での審査は、激しい踊りと前のめりな姿勢で対決者同士の腕がぶつかるほどの激しさを見せる場面もあったが、気合いが空回りしてしまい渡辺が「どっちも負け」とする対決もあった。この審査内容は個人戦になるため、現役メンバーが候補生に何かを教えることができない。しかし渡辺はチーム戦やタッグ戦を繰り返すだけで候補生の力を測れないと判断した末にこの1対1の対決スタイルを編み出したようで、「俺たちはどんどん変わらないといけない。それをこの合宿で俺自身、学んだ」と語っていた。

「WACK合同オーディション2023」7日目 神経衰弱対決を終えた3人。

6日目の脱落者はマジヤスメ・アツコ、ノノ3、チャンアダルトの3名。マジヤスメは昨年の「WACK合同オーディション」参加者、チャンアダルトは昨年の「豆柴の大群なりの合宿」参加者で、ノノ3は初参加ながら初日から積極的な姿勢をどんな場面でも見せていた。チャンアダルトは合宿中に行われた学力テストで圧倒的1位を獲得する以外、あまり振るわなかったが、どこか人を惹きつける力があることは渡辺も感じていた模様。そんな彼女は最終日の早朝に行われた敗者復活を懸けたトランプの神経衰弱で見事に勝利して戦線に復帰した。

maho(ExWHYZ)

チャンアダルト

最終日の朝、mahoは6日目の“ブレイキングダウン”方式の対決で候補生に敗れ、「1カ月間白塗り生活」の罰ゲームを受けることに。現役メンバーがナルハワールド以外全員白塗りになるという、インパクトのある絵面になった。雨の降る中、最後の早朝マラソンでは戦線に復帰したチャンアダルトが最下位でゴール。彼女は2日目から7日目に行われた早朝マラソンのすべてで最下位だった。

「WACK合同オーディション2023」7日目 最終審査の様子。

「WACK合同オーディション2023」7日目 最終審査の様子。

最終日は候補生チーム対現役メンバーチームによるパフォーマンス対決で、課題曲はGANG PARADE「LAST」。合宿の最終審査にふさわしいメッセージ性が詰まったエモーショナルな曲を、2組はそれぞれ気持ちを込めて届けた。渡辺は審査後、「長い長い1週間ももう終わりです。今回は順位を付けないですが、メンバーも候補生もいろいろ考えること、思うこと、学ぶことがあったんじゃないかと思います。このあと最終の合格発表になりますけど……悩ましいなという感じです。ひとまず、1週間よく食らい付いてもらったと思います。お疲れさまでした」と参加者たちをねぎらった。

悩む渡辺淳之介。

しかし合格者発表の直前、渡辺は廊下で膝を着き、悩みに悩んでいる様子だった。「マジで悩んでる。嫌な未来が見えるんですよ。でもどっちの未来も見える。成功する道はそっちな気がする」「全然、腹が決まらない」などと話していた。

左からレオナイクスワイズ、チャンアダルト、アイカ・ザ・ポリス、hitorikko。後ろにはWACK所属アーティストが集結。

チャンアダルトのBiS加入決定時の様子。

チャンアダルトのBiS加入決定時の様子。

合格発表時、ステージには合宿参加メンバーのいないBiSH、都内某所を含むWACK所属全グループのメンバーが集結。そのステージの前に最終審査にまで勝ち残ったアイカ・ザ・ポリス、hitorikko、レオナイクスワイズ、チャンアダルトの4名が並ぶ。渡辺は「BiSH、該当者なし。豆柴の大群、該当者なし。ExWHYZ、該当者なし。ASP、該当者なし」と発表していき、続けて「BiS、チャンアダルト」と発表。チャンアダルトは合格を言い渡され、泣きながらBiSメンバーの待つ壇上へと上がった。

hitorikkoのBiS加入決定時の様子。

アイカ・ザ・ポリスのBiS加入決定時の様子。

レオナイクスワイズ

WACKメンバー一同から拍手が湧き起こる中、渡辺は続けて「hitorikko」「アイカ・ザ・ポリス」と名前を挙げ、2人もBiSの元へと向かう。合宿に参加していたトギーは、3名の合格に白塗り姿で大泣きした。そして都内某所、GANG PARADEには該当者がいないことが発表され、1人残ったレオナイクスワイズは不合格という結果に終わった。合格者発表の終了後、彼女はこの結果を非常に悔しがっており、再チャレンジする姿勢を見せた。ニコニコ生放送の生中継終了後、壇上ではBiSメンバーと合格者のもとにBiSHのメンバーが声をかけに行き、1週間の健闘を称えた。BiSは5月に新体制お披露目ライブを行う。

WACK新グループ・KiSS KiSS。

なお合格者発表では、WACK新グループ「KiSS KiSS」の結成もアナウンスされた。メンバーはGANG PARADEの全13名中、活動キャリアの若いキラ・メイ、キャ・ノン、チャンベイビー、ナルハワールド、アイナスター、カ能セイの6名。彼女たちは6月21日に1stアルバム(タイトル未定)をリリースする。

新体制BiS

BiSとBiSHメンバー。

「WACK合同オーディション2023」エンディングの様子。

3名の合格者を出した「WACK合同オーディション2023」の募集開始時、渡辺は募集ページにこんなことを書いていた。「とうとうBiSHの解散日時も発表されWACKも泥舟感がどんどん増してきている今日この頃ですが、1度できたことはまたできるはずw BiSHが東京ドームでやれるのだからもう一回はあるでしょうと言うことでw」「やるならとことん!! 今のWACKを変えてやるぜって人待ってます!!」。渡辺の予想を裏切るような、例年にない流れの合宿になったという意味では、候補生たちがWACKに新しい風を吹かせたとも言える。BiSHは6月29日に東京ドームでのワンマンライブをもって解散。新体制のBiS、新たに結成されたKiSS KiSSをはじめ、WACK所属グループの今後の動きにも注目だ。

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ニコニコ生放送「【前半】全て見せます!WACKオーディション合宿2023完全密着 6泊7日の死闘」

配信日時:2023年3月19日(日)14:30~
配信URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv340295940

ニコニコ生放送「【後半】全て見せます!WACKオーディション合宿2023完全密着 6泊7日の死闘」

配信日時:2023年3月22日(水)12:00~
配信URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv340295970

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