吉田山田の充実した春の記録、新たな表現にも挑戦した“2人きりのツアー”千秋楽

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吉田山田が昨日3月4日に静岡・LiveHouse 浜松 窓枠にてアコースティックツアー「吉田山田ツアー2023」の最終公演を実施した。

吉田山田(撮影:白石達也)

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山田義孝(Vo)(撮影:白石達也)

客電が落ち、温かい拍手で迎えられた吉田と山田。2人が定位置に付いても、ステージを照らす照明は暗いままで、山田は「音楽」の冒頭をアカペラで歌い始める。山田が歌い始めてもステージを照らす照明は暗いまま。吉田は山田が大きく息を吸う呼吸音を頼りにアコースティックギターを弾き始め、曲が進むにつれて徐々にステージを柔らかい暖色の光が照らす。ステージが完全に明るくなると、2人は「抱きしめてあげるよ 今夜 音楽で」という「音楽」の一節を高らかに歌い上げ、会場に集まったオーディエンスを歓迎した。2曲目「人間」の演奏が始まると軽やかなメロディにつられて客席からは自然と手拍子が上がりクラップの音が鳴り響く中で吉田と山田の歌声が会場内に響きわたる。山田が手を高く掲げてOKマークを作れば、それはライブの鉄板曲「OK」が披露されるサイン。オーディエンスも一斉にOKマークを掲げ、会場内は心地よい一体感に包まれた。

吉田結威(G, Vo)(撮影:白石達也)

「すっごい、いい夜になりますよ。今日は」と話し始めたのは吉田。それに同意した山田は客席を見渡しながら「ここから見えるみんなの顔がよすぎて、下敷きにしたい」と独特な表現で喜びを伝えた。吉田山田は5月17日に新作アルバム「備忘録音」のリリースを控えており、今回のツアーではアルバム収録曲がリリースに先駆けていち早く披露された。新曲「裸」では「生きているだけでいい」というシンプルながらも力強いメッセージを2人がユニゾンで熱唱。オーディエンスに着席を促してから披露された新曲「日曜日」は吉田がメインボーカルを務める楽曲で、山田はリコーダーでメロディを奏でたり、ハミングで声を重ねたり、トライアングルを叩いて楽曲にアクセントを付けたりと、普段の楽曲とは異なるアプローチで相方のパフォーマンスを支えた。

吉田山田(撮影:白石達也)

「日曜日」を皮切りに「日々」「赤い首輪」といった“日常”を歌う楽曲が立て続けに披露されたあとには、「春ノ詩」「桜咲け」と季節感あふれる楽曲が続く。立春の日である2月4日にツアーをスタートさせ、春の訪れを感じながら各地を回ってきた2人は「2023年、僕らはすごく充実した春を過ごせています」とファンに報告。新作アルバム「備忘録音」の制作も一段落したことを知らせた彼らは、「使ったことのないメロディ、使ったことのない歌詞を盛り込んだめちゃくちゃ難しい曲」という曲紹介から2月に先行配信された新曲「焼き魚」をパフォーマンス。吉田山田としては異色な楽曲を届けることで、アルバムへの期待感を煽った。

アコースティックギターを弾き終え、ピースサインを掲げる山田義孝(Vo)。(撮影:白石達也)

ライブ終盤、吉田は突然アコースティックギターを弾き始め、オリジナルソングを山田に歌わせるコーナーを始める。「餃子」や「うなぎ」など、浜松の名物をテーマにした歌を強要しつつ、最後は「ワクワク 窓枠」と会場名を連呼するオリジナルソングでひと盛り上がり。「YES!!!」の間奏では吉田が弾いていたアコースティックギターを山田に手渡して伴奏を委ね、ハーモニカのソロを吹くひと幕も。さらに吉田は山田にアコギを弾かせたまま傍に置いてあったもう1台のギターを弾き始め、2人で即興のセッションを始める。これまで「楽器が弾けない」と発言し続けてきた山田がギターをかき鳴らしたことで客席からは盛大な拍手が上がり、気をよくした山田は高らかにピースサインを掲げてみせた。本編の最後に披露されたのは彼らの代表曲の1つ「約束のマーチ」。「あなたの何気ない言葉に救われて、ここに立っています」という山田のMCがそのまま歌詞に表れているかのような、ファンへの感謝の気持ちを歌ったこの曲が届けられると、客席からはこの日一番の拍手が巻き起こった。

吉田山田(撮影:白石達也)

アンコールに応えて再びステージに登場した山田は「今日、最高だったでしょ?」と笑顔でファンに問いかける。さらに彼は3月17日に始まるバンド編成による東名阪ツアーを心待ちにしていることを明かし、「次のライブは、今日より最高にするという目標がある」と話した。吉田は自身の音楽活動を振り返りながら「一番すがすがしい気持ちで、なんの迷いも曇りもなく音楽をできている実感がある」と力強く語った。彼らが最後に披露したのは、新作「備忘録音」のボーナストラック盤に収録される新曲「最後の歌」。文字通りこの日“最後の歌”を届け終えた2人は「生きて生きて生き抜いて、また待ち合わせしましょう」と、ファンと再会の約束を交わし、2人きりのアコースティックツアーを締めくくった。

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吉田山田「吉田山田ツアー2023」2023年3月4日 静岡 LiveHouse 浜松 窓枠 セットリスト

01. 音楽
02. 人間
03. OK
04. 裸
05. 全部そのままのキミでいい
06. 日曜日
07. 日々
08. 赤い首輪
09. 春ノ詩
10. 桜咲け
11. 焼き魚
12. もやし
13. 押し出せ
14. YES!!!
15. 約束のマーチ
<アンコール>
16. 最後の歌

吉田山田「吉田山田ツアー2023」※終了分は割愛

Band Set

2023年3月17日(金)愛知県 Zepp Nagoya
2023年3月19日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2023年3月21日(火・祝)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)

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吉田山田Official @yoshidayamada

静岡・浜松窓枠で行なった<吉田山田ツアー2023>Acoustic Setの最終公演のレポートを掲載頂きました!
フルバンド編で開催するBand Setもお楽しみに! https://t.co/w7mxFFQ3L4

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