Official髭男dism、満員の武道館でツアー終幕「声を出せない、最後のライブになるかもしれないね」

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Official髭男dismの全国ホールツアー「SHOCKING NUTS TOUR」最終公演が2月16日に東京・日本武道館で開催された。

Official髭男dism「SHOCKING NUTS TOUR」2月16日公演の様子。(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

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「SHOCKING NUTS TOUR」は、ヒゲダンの結成10周年を記念したツアー。全国9都市で21公演が行われ、総動員数は約10万人となった。ツアーファイナルには1万人を超える観客が来場し、開場前には日本武道館の最寄り駅である九段下駅構内に行列が発生した。

藤原聡(Vo, Piano)(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

開演時刻を15分ほど過ぎ、満を持して鳴り響いたのは「Pretender」のイントロ。場内に大きな拍手が鳴り響く中、藤原聡(Vo, Piano)が美しいビブラートをかけながら歌い上げる。「Tell Me Baby」ではバスドラムの四つ打ちがフロアを揺れ動かし、藤原は観客とともに手を高く掲げてダンス。曲が終わると彼は「大阪らへんから来た人たちは無事到着できているだろうか? 新幹線が今日止まってしまったということで、大丈夫そうかな……?」と開演が遅れた理由を明かし、ファンを感激させる。ヒゲダンのライブではまだ声出しが解禁されていないことにも触れ「声を出さなくても、めちゃくちゃ楽しいライブを一緒に作ろうぜっていう思いでいるので、今日はみんなとそういったルールの中で、一緒に楽しんでいければなというふうに思っています」と話すと、それを快諾するように客席から大きな拍手が沸き起こった。

楢崎誠(B, Sax)(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

「Second LINE」「ビンテージ」「LADY」が続けざまに披露されたのち、突如始まったのはかくし芸のコーナー。楢崎誠(B, Sax)はアコギを抱えてセンターマイクの前へ。「申し遅れました。“楢崎まさよし”と申します」とファンを笑わせ、山崎まさよし「One more time,One more chance」のカバーを弾き語りで披露した。藤原は「もう何回かあるかもしれない、このコーナー(笑)」と観客に伝えたのち、ライブを再開。この日が初披露となった新曲「風船」、楢崎がベースからサックスに持ち替えて演奏した「Choral A」「夕暮れ沿い」を経て、ピンスポに照らされた藤原が「Subtitle」を歌い上げる。テレビドラマ「silent」の主題歌として広く世間に認知され、17週連続でオリコン週間再生数1000万回超えを達成したこの曲に、ファンは直立不動で聴き入った。

小笹大輔(G)(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

松浦匡希(Dr)(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

ここでライブは再びかくし芸のコーナーに。小笹大輔(G)が中心となって楢崎、松浦匡希(Dr)とともにインスト曲「カノンロック」を披露。8ビートの上で小笹の早弾きが炸裂し、曲の終盤では藤原も演奏に加わり観客を魅了した。藤原はヒゲダンの10年間を振り返り、「原点の曲たちは大事にしたいなという思いがあります。次の曲はすごく昔の曲なんだけど、このバンドメンバーで、リアレンジしてやってみようと思います」と話し「parade」を演奏。4人はそこに「115万キロのフィルム」「異端なスター」「宿命」を畳みかけ、圧倒的な演奏力を見せつけた。

Official髭男dism「SHOCKING NUTS TOUR」2月16日公演の様子。(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

Official髭男dism「SHOCKING NUTS TOUR」2月16日公演の様子。(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

ぽろぽろとピアノを弾きながら言葉を紡ぎ出す藤原。「次の曲がこのツアーの締めくくりであり、もしかしたら、みんなと俺たちが声を出せない、最後のライブになるかもしれないね」と語りかける。「ルールを守りながらのライブはどうでしたか?」という彼の問いかけに、観客は大きな拍手で応えた。続けて藤原は「コミュニケーションが奪われたライブも、すごく楽しかった。すごくパワーをもらった。それを経て、次の未来に進めるということ、とてもうれしく思っている。世の中さ、コロナに限ったことじゃないよ。『こうしなさい』『こうしたほうがいい』『みんなこうやっている』『だからお前もそうしろ』って、そんなことばっか言う世の中で。それに対して『声を上げよう!』『黙ったまんまじゃ、自分の夢も奪われちまうぞ!』って、そんな言葉をたくさん聞いた。でも、ぐっと堪えることが、自分の幸せにつながることだってあるんじゃないかな。全部に『それは違うだろ』『おかしいだろ』って言えた人なんてなかなかいないと思うよ。長い物に巻かれながら、清濁合わせ飲みながら、生きてきたんじゃないのかな」と熱を込めて語る。彼はそのまま「ミックスナッツ」を歌い始め、そこにバンド演奏と観客の手拍子が重なると、場内の熱気は急上昇。ど派手な照明がフロアを駆け巡り、藤原の華麗な歌声がこだまする。万雷の拍手が沸き起こる中、本編は幕引きとなった。

Official髭男dism「SHOCKING NUTS TOUR」2月16日公演の様子。(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

アンコールの拍手に迎えられて再び姿を現したヒゲダンは「Universe」を披露。ライブ終盤になってもまったく疲れを感じさせない藤原のハイトーンボイスに、観客はうっとりと聴き入る。アッパーチューン「Clap Clap」を経て、藤原はこの日最後の言葉を届け始めた。「暗い夜道にふと見たビルの灯り、マンションの灯り、車のライトやバイクのライト、街灯。そういうものって誰かが暮らしているという証じゃん。どれだけ自分が1人ぼっちになって、孤独に曲を作っていても、みんなはそうやって遠くから照らしてくれた。その光に頼りながら、ここまでやってきた」と語り、ミディアムバラード「破顔」を歌い上げる。曲中で「みんなと作りたい景色があります」と呼びかける藤原。ファンは各々スマートフォンを掲げ、360°の客席には無数の白い光が浮かび上がった。

Official髭男dism「SHOCKING NUTS TOUR」2月16日公演の様子。(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

この日のラストナンバーはヒゲダンの最新曲「ホワイトノイズ」。ステージ上に無数の火柱が上がり、メンバー4人の熱い演奏が繰り広げられる。藤原が腕を一杯に広げながら歌唱し、小笹のギターソロが炸裂したのち、ライブは華々しく終幕した。

※楢崎誠の「崎」は立つさきが正式表記。

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Official髭男dism「SHOCKING NUTS TOUR」2023年2月16日 日本武道館 セットリスト

01. Pretender
02. I LOVE...
03. Tell Me Baby
04. Second LINE
05. ビンテージ
06. LADY
07. 風船
08. Choral A
09. 夕暮れ沿い
10. Subtitle
11. parade
12. Anarchy
13. Cry Baby
14. 115万キロのフィルム
15. 異端なスター
16. 宿命
17. ミックスナッツ
<アンコール>
18. Universe
19. Clap Clap
20. 破顔
21. ホワイトノイズ

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