BUMP OF CHICKEN、誇れる看板を背負った3年ぶりライブハウスツアー完走

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BUMP OF CHICKENの全国ライブハウスツアー「BUMP OF CHICKEN TOUR 2022 Silver Jubilee」のファイナル公演が、12月13日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)にて開催された。

「BUMP OF CHICKEN TOUR 2022 Silver Jubilee」12月12日公演の様子。(Photo by Taku Tatewaki)

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BUMP OF CHICKENがライブハウスでツアーを行ったのは、2019年開催の「BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark」以来約3年ぶり。今年7月に千葉・幕張メッセ国際展示場で行われた結成25周年ライブに続くツアーとして、全12公演にわたって開催された。

藤原基央(Vo, G)(Photo by Taku Tatewaki)

開演時刻を迎えたフロアから満員の観客が見守る中、藤原基央(Vo, G)、増川弘明(G)、直井由文(B)、升秀夫(Dr)がステージに登場。藤原が高々とギターを掲げ、ほかの3人もファンに向けて力強く拳を挙げた。一瞬の静寂のあと、最初に披露された楽曲は「アカシア」。オーディエンスの手首に付けられた自動制御のリストバンド型ライト・PIXMOBが赤と黄色に輝く中、藤原は「会いたかったぜ!」と力強く叫んだ。疾走感に満ちた心地よいビートと切ない歌詞の世界に観客が身を委ねた「K」、レーザー光線がきらめく中で華々しく奏でられた「天体観測」と、その後も場内の高揚感を煽る楽曲が次々と披露された。

藤原は満員の会場を見渡し「大丈夫? 調子悪い人いない?」と気遣いつつ、「まずはお礼を言わせてほしい。みんなすげえルール守ってくれてるんだなと、本当にありがとう」と、マスクを付けて声を出さないオーディエンスに感謝を述べた。「しゃべると泣いちゃうかもしれないんで(笑)、しゃべらないでおきます」と語った藤原は、言葉の代わりに「なないろ」を熱唱。PIXMOBの7色の光が、増川が奏でるキラキラとしたギターの音色をより華やかに彩った。

増川弘明(G)(Photo by Taku Tatewaki)

イントロで升がシェイカーを振り、増川と直井が指を鳴らしてみせた「Flare」では、4人が一体となった力強いコーラスワークで観客を感動に導く。「66号線」を終えたあと、藤原は今回のツアーを振り返り「仙台から始まって、途中で誰かがコロナになって……そのときの記憶を振り返ると頭の中がザザーッてなる……」と、自身の新型コロナウイルス感染により公演中止の危機が迫った当時の思いを明かした。一方、増川はまもなく27周年を迎えようとするBUMP OF CHICKENのファンについて「結成時点で生まれてなかった人?」とフロアに問いかけ、「けっこういるね! そんな接点ゼロだった俺らのライブに来てくれて、発見してくれてありがとう」と呼びかけた。

直井由文(B)(Photo by Taku Tatewaki)

「ひろくんのあとのMCはハードルが高いんよ……(笑)」と苦笑いした直井は、「冬はリップクリームがなくなりやすくて。なくなったら買い足すけど、1年経つとコートのポケットから去年のリップクリームが出てくる(笑)」という“冬あるある”でファンの笑いを誘う。普段はMCをしない升も、ドラムセットの後ろから生声で「ありがとう、最後まで楽しんでいって!」と呼びかけ、オーディエンスから大きな拍手を浴びていた。

後半で4人は、2010年リリースのアルバム「COSMONAUT」の収録曲「透明飛行船」をパフォーマンス。ライブでの披露は約10年ぶりとなったこの曲で観客を驚かせると、今度は最新曲「SOUVENIR」を披露した。藤原はステージを左右に行き来し、観客のクラップを促してみせる。場内の一体感が高まったところで、4人はバラード曲「花の名」を演奏し雰囲気を一気に変えた。藤原はギターを弾かず、ハンドマイクを握って熱唱。何度もフロアを指した藤原は「あなたとだけ 作れた今日がある」と歌詞を変えて歌い、自身の思いをこの日の会場に集まったファンに伝えた。

升秀夫(Dr)(Photo by Taku Tatewaki)

本編終盤では「アルエ」「GO」「ray」とアッパーチューンを連投。直前に「俺が気まぐれでハンドマイク使っちゃうと、スタッフがあわてて直してくれるんだよね(笑)」と申し訳なさそうに語っていた藤原だが、「GO」では抑えきれないように再びマイクを握り、「会えてうれしいぜ、東京!」と大きな声で叫んでいた。

アンコールの拍手に応えて再びステージに現れた4人は、今のシーズンにぴったりの「Merry Christmas」をしっとりと奏でる。温かみのあるアンサンブルで場内を感傷的なムードに導いたあとは、「ガラスのブルース」で再びオーディエンスの熱狂を誘った。通常ならば観客の大合唱が響く落ちサビでは、声を出せないファンの思いを汲み取るように増川と直井が耳に手を当ててフロアに向かってみせた。

演奏を終えた増川、直井、升がステージを去ったあと、藤原は幕張公演に続いて行われた今回のツアーへの思いを明かしつつ、26年目に入ったバンドの軌跡を「ものすごく誇らしい気持ちだけど、愚痴りたいこともあって。昔から『思ったとおりには伝わらないものだな』と思うこともたくさんあったんだ」と振り返った。メジャーデビューや初のタイアップ決定といった節目での心境を明かした藤原は「そういうモヤモヤは残ったまま、でもないがしろにはせずにやってきて。そうしたらコロナで3年間みんなに会えなくなってしまって、そんなふうになるとは思わなかった。だけど音楽を止めなかったら、3年ぶりにライブができて。今まで話したモヤモヤ、そのうちのどれかをやらなかったら今日この中の誰かに会えなかったかもしれない。そう考えると、俺は絶対間違ってなかったと思う」と力強く語り、この日一番大きな拍手を起こした。

「このBUMP OF CHICKENという看板に誇りを持っています。本当にありがとう」と話した藤原は、「ギルド」のイントロを力強く奏でる。増川、直井、升も現れ、25年間の思いをぶつけるような圧巻の演奏を繰り広げた。最後に4人は「ダイヤモンド」を披露。藤原は「4人でBUMP OF CHICKENです、君が選んだバンドです。新しい曲もできてるぜ! いつか世の中に放り投げるから、必ずキャッチしてくれよな!」と笑顔で語り、ツアーを締めくくった。

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「BUMP OF CHICKEN TOUR 2022 Silver Jubilee」2022年12月13日 Zepp Haneda(TOKYO)セットリスト

01. アカシア
02. K
03. 天体観測
04. なないろ
05. R.I.P.
06. Flare
07. 66号線
08. クロノスタシス
09. 透明飛行船
10. SOUVENIR
11. 花の名
12. アルエ
13. GO
14. ray
<アンコール>
15. Merry Christmas
16. ガラスのブルース
17. ギルド
18. ダイヤモンド

※記事初出時より、セットリストを追加しました。

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アイナ・ジ・エンド @aina_BiSH

アルエ、、ギルド、、、🥲 https://t.co/mPWzltIPIW

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