「俺たちの青春に付き合ってくれてありがとう」Dragon Ashの25周年を盟友たちが祝福した一夜

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Dragon Ashが昨日2月21日に東京・チームスマイル・豊洲PITにてデビュー25周年のキックオフとなるライブ「DRAGONASH 25th Anniv. LIVE "THE SILVER LILIES"」を開催した。

「DRAGONASH 25th Anniv. LIVE "THE SILVER LILIES"」の様子。(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

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1997年2月21日にミニアルバム「The day dragged on」でビクターエンタテインメントからメジャーデビューしたDragon Ash。デビュー当時はスリーピースバンドだったが、多彩なメンバーの加入の一方でオリジナルメンバーであったIKUZONE(B)との別離、ATSUSHI(Dancer)とDRI-V(Dancer)の勇退などさまざまな変遷を経て、2020年9月よりKj(Vo, G)、櫻井誠(Dr)、BOTS(DJ)、hiroki(G)、T$UYO$HI(B / The BONEZPay money To my Pain)の5人編成で活動している。そんな彼らのデビュー記念日ライブの会場には “ホーム”であるライブハウスが選ばれ、公演の模様は全国のファンに配信を通して届けられた。

Kj(Vo, G)(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

暗転と同時にバンドの25周年ロゴにスポットライトが当たり、hirokiが狼煙を上げるようにギターをかき鳴らす。続いて櫻井、BOTS、T$UYO$HIが順番に楽器を奏で、最後にKj(Vo, G)がギターをつま弾きながら「The Day dragged on」を歌い出した。25年前はギラギラとした瞳で、牙を剥くように歌っていたであろうKjだが、この日は柔らかな笑みを浮かべ、懐かしい1曲の歌詞を噛み締めるように歌う。しかし、オープニングナンバーのしみじみとした余韻もつかの間のこと。5人はBOTSの華麗なスクラッチが炸裂する「天使ノロック」、ツインギターならではの厚みのあるアンサンブルが印象的な「Public Garden」、メロディアスなサウンドに乗せKjが優しくフロウを繰り出す「Fever」、バンドの代表曲だがライブで演奏されることのほとんどない「Under Age's song」といった初期の楽曲を、現在のDragon Ashのスタイルにアップデートして次々と披露していく。さらに彼らは軽快なスカチューン「Just I’ll say」、ラテンミュージックをフィーチャーした「運命共同体」「Los Lobos」、ヒップホップサウンドに振り切った「Let yourself go, Let myself go」を立て続けにプレイ。さまざまなジャンルに取り組んできたバンドの音楽的な変遷を楽曲を通してオーディエンスや視聴者にアピールした。

「DRAGONASH 25th Anniv. LIVE "THE SILVER LILIES"」の様子。(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

櫻井誠(Dr)(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

「Beautiful」が紡いだ穏やかムードの中、櫻井が立ち上がりオーディエンスに向かって挨拶。「やっててすげえ楽しいです」とステージに立ち、自分たちの楽曲を演奏することに喜びを感じていることを語り、普段はあまりライブで演奏しない曲を盛り込んだセットリストを組んできたことを明かす。そんなMCから続いたのは、2001年リリースのアルバム「LILY OF DA VALLEY」の隠しトラックとして知られるミディアムチューン「花言葉」だった。さらに1999年リリースのアルバム「Viva La Revolution」よりラブソング「Hot cake」、1998年リリースのアルバム「Buzz Songs」よりパンクチューン「Iceman」という隠しトラックながらかつてのライブ定番曲が投下され、ファンを大いに驚かせていた。

アニバーサリーらしい選曲を挟み、ライブは“静”と“動”両方のサウンドを併せ持つ「Life goes on」で後半戦へ。ノイジーで勢いのあるサウンドの「Snowscape」、ヘビーなギターリフに乗せてKjが煽る「Revolater」を経て、「Episode 4」に突入するとスケボーキングのSHUN(Vo, Key)とSHIGEO(Vo, G)の2人がステージに合流。Kj、SHUN、SHIGEOの3人はハンドマイクでステージを縦横無尽に飛び跳ねながらマイクリレーを繰り広げ、熱狂の渦をフロアに作り出す。そして興奮冷めやらぬ中でKjはステージを去るゲストに向けて、「戻ってきたよ! SHUNさんとSHIGEOさんに拍手を!」と叫び、同じ時代を生きてきた旧知の仲間に感謝の思いを伝えた。

BOTS(DJ)(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

hiroki(G)(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

未来への希望が歌詞に反映された「ダイアログ」、「確かなのは唯一 we can't live without music」と切実な思いを歌い上げた「Jump」などメッセージ性の強いナンバーを続けたのち、5人が放ったのはライブの定番曲の「百合の咲く場所で」。コロナ禍前であればモッシュやダイブ、シンガロングが起きていたパートで、オーディエンスは拳を力強く突き上げる。その景色を前に、Kjは観客を称えるように拍手を贈った。

「Ladies and Gentlemen! Welcome ラッパ我リヤ!」というKjのシャウトでステージに現れたのはラッパ我リヤのMr.Q(MC)と山田マン(MC)の2人。Kj、Mr.Q、山田マンはヘビーなトラックの上で、「日本を変える真の音楽と お前の鼓膜直接 contact 心に響く凄まじい爆発音 いよいよ壁はなくなるぞ」と高らかにラップし、長年第一線で走り続けるアーティストとしての矜持と貫禄を見せつけた。盟友たちとの共演はこれだけで終わらず、「Lily」がエモーショナルに披露されたあとに今度は山嵐のSATOSHI(Vo)とGNz-WORDのKO-JI ZERO THREE(Vo)が現れ、「ROCK BAND」になだれ込む。楽器隊の演奏に乗せて、SATOSHIとKO-JI ZERO THREEはそれぞれが紡いだリリックを熱唱し、Kjはパフォーマンスをする2人に尊敬の眼差しを向け、自らもギターを弾きながら「We gotta be more strong so we believe our song」と伸びやかな声で歌い上げた。

T$UYO$HI(B / The BONEZ、Pay money To my Pain)(Photo by TAKAHIRO TAKINAMI)

いよいよライブもクライマックスというとき、Kjは「25年間、俺たちの青春に付き合ってくれてありがとう」とファンに向けて告げる。そこから奏でられたのは、「新時代」を意味する最新曲「New Era」だった。確かなキャリアと実績を誇りながらも、常に新しい音楽を追求し続けてきたDragon Ash。Kjは歌いながら「まだやり足りないからもうちょっと続けていくよ」と宣言し、Dragon Ashの旅が途上であることを明かす。そして5人が向かい合い最後の音を鳴らすと、大きく温かな拍手がライブハウス中に響き渡った。最後にBOTSが「30年、35年、40年と続けていきたいので、皆さんよろしくお願いいたします」と改めてバンドとしての未来を約束したあと、配信用の画面にはバンドのロゴが大きくあしらわれたバスドラムと、それに寄り添うIKUZONEのぬいぐるみが大きく映し出された。

なお、ライブのアーカイブ映像は明日2月23日まで配信中。視聴チケットは2月23日20:00まで販売されている。

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Dragon Ash「DRAGONASH 25th Anniv. LIVE "THE SILVER LILIES"」2022年2月21日 チームスマイル・豊洲PIT公演セットリスト

01. The Day dragged on
02. 天使ノロック
03. Public Garden
04. Fever
05. Under Age's song
06. Just I’ll say
07. 運命共同体
08. Los Lobos
09. Let yourself go, Let myself go
10. Beautiful
11. 花言葉
12. Hot cake
13. Iceman
14. Life goes on
15. Snowscape
16. Revolater
17. Episode 4
18. ダイアログ
19. Jump
20. Canvas
21. 百合の咲く場所で
22. Deep Impact
23. Lily
24. ROCK BAND
25. New Era

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