アルカラ主催「ネコフェス」でコラボも実現、仲間と神戸に熱狂もたらす

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兵庫県神戸市を舞台にしたライブサーキットイベント「ネコフェス2019」が6月23日に開催された。

アルカラのアンコールの様子。(撮影:西槇太一)

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アルカラが地元・神戸を盛り上げるために企画し、2013年から行っている「ネコフェス」。7年目を迎えた今年は昨年同様チキンジョージ、神戸VARIT.、ART HOUSE、Event-hall RAT、KOBE BLUEPORT、MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎、KINGSX、KINGSX BASE、クラブ月世界の9会場が舞台となった。

Saucy Dog(撮影:西槇太一)

Saucy Dog(撮影:西槇太一)

2階建てのライブハウス・神戸VARIT.には、アルカラの下上貴弘(B)とSound Scheduleがコラボレーションした“Sound Shimodule”やパノラマパナマタウン、感覚ピエロらが出演した。トップバッターを務めた「ネコフェス」初出演のSaucy Dogは、「煙」でライブを開始。石原慎也(Vo, G)の静かな弾き語りに、せとゆいか(Dr)と秋澤和貴(B)が音を重ねると、徐々に熱を帯びるバンドアンサンブルが観客の体を揺らしていく。せとはバンドを続ける中で自分たちにとって遠い存在だったアルカラと徐々に関係が深まり、「ネコフェス」への出演が叶った喜びを語り、客席を見渡した石原は「VARIT.にこんなに人が入ってるの見たことないよ」と感慨深げに述べた。新曲「雀ノ欠伸」やバラードナンバー「いつか」を聴かせたあと、石原が「全力で届けるんで全力で受け取ってください」と観客に呼びかけると3人は「グッバイ」をエネルギッシュに演奏してライブを終えた。

ウォールオブデスを発生させるヤマサキセイヤ(Vo, G / キュウソネコカミ)。(撮影:新倉映見)

キュウソネコカミ(撮影:新倉映見)

全9会場の中で最大のキャパを誇るチキンジョージの2番手として登場したキュウソネコカミは「MEGA SHAKE IT!」でライブを開始すると、続けて「メンヘラちゃん」を披露。煽りも交えたアグレッシブなパフォーマンスで観客を楽しませる。しかし「神戸こんなもんか?」と不満気なヤマサキセイヤ(Vo, G)は「TOSHI-LOWさん」でフロアに飛び込むと、オーディエンスの上に立って熱唱。続く「炊き上がれ召し上がれ」では観客にウォールオブデスを促し、力づくで熱狂を生み出していく。「バンド名にネコが“アルカラ”ここに出ているわけではないですよ。当時の僕の彼女がアルカラのファンで……」とヤマサキがアルカラとの馴れ初めを生々しく語り、笑いを起こすと、キュウソはキラーチューンを畳みかけ、「推しのいる生活」でフィニッシュ。会場にむせ返るような熱気を充満させて出番を終えた。

アフロ(MOROHA)(撮影:西槇太一)

MOROHA(撮影:西槇太一)

続いてチキンジョージに登場したMOROHAはキュウソとは打って変わり、観客に参加する余地をまったく与えない。アフロは「MOROHAのワンマンライブへようこそ。皆さん1つだけ俺たちにください。集中力くれ」と観客に語りかけ、緊張感を生み出すとUKが鳴らすギターの音色に乗せ、「ストロンガー」でほとばしる思いを放っていく。勢い余ってマイクケーブルが抜けるトラブルがありつつもアフロは「踏んできた場数が違うんだ!」と気迫で乗り越え、「俺のがヤバイ!」と絶叫。その後もオーディエンスがかたずをのんで見守る中、鬼気迫るパフォーマンスを畳みかけたアフロは「本当のワンマンライブっていうのは、たった1人誰も観てないところで、悔しくてやり切れなくて、それでも必死に進もうとするその瞬間のことを言うんだと思う。君が、あなたが、お前がワンマンライブをする場所はありますか?」という言葉を残してステージを去った。

ベッド・イン「バブル講座」の様子。(撮影:新倉映見)

キャバレーとして誕生したイベントホール・クラブ月世界には、クリトリック・リスやLAMP IN TERRENらが出演。KINGSXでの“おギグ”後にクラブ月世界に登場したベッド・インは、アルカラへの枕営業で勝ち取ったという企画「バブル講座」を行った。ステージにはベッド・インに加えて、アルカラの疋田武史(Dr)とクラブ月世界の女性スタッフがバブル時代風のメイクを施されるゲストとして登場。ベッド・インはヘアスプレーを使う際に「ハエが死ぬくらいかけます」と説明するなど、ユーモアあふれるトークで会場に爆笑を巻き起こしながら、ゲストの2人にメイクを施していった。メイク後に鏡で自身の姿を確認した疋田は「うおー!」と驚きの声を上げつつ、「でも、こんな感じな気がする」と納得した様子で、ベッド・インは「バーで会ったら逆ナンしちゃう」「わかるー」と絶賛。最後は「せっかくだから“写ルンです”しましょうか」と記念撮影を行って「バブル講座」を終えた。

HERE(撮影:新倉映見)

HERE(撮影:新倉映見)

「バブル講座」に続いて行われたHEREのライブには、サポートメンバーとして疋田がバブルメイクのまま参加。「盛り上がってますでしょうか、日本でもっともハイテンションなロックバンド・HEREでございます!」という尾形回帰(Vo)の口上と共に現れたHEREは「MANをZIしてROCKSTAR」でライブをスタートさせると、前のめりなパフォーマンスを繰り広げていく。疋田の要望をもとにセットリストを組んだというHEREは、もともとキャバレーだった会場にぴったりで妖艶な「さらば、カマキリ夫人」を披露。この曲で会場を大いに盛り上げた尾形は「残念ながらこの曲はCD化されておりませんが、いつかレコーディングしましょう」と宣言して観客を喜ばせた。その後もエキセントリックなパフォーマンスで観客を沸かせたHEREは、尾形の「張り裂けましょうよ、ロックで爆発しましょうよ!」という言葉から「己 STAND UP」を披露。会場に歓声を響かせてステージをあとにした。

MASS OF THE FERMENTING DREGS(撮影:西槇太一)

MASS OF THE FERMENTING DREGS(撮影:西槇太一)

高架下のライブハウス・MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎には、グッドモーニングアメリカやUNCHAIN、SIX LOUNGEらが登場。「ネコフェス」初出演となったMASS OF THE FERMENTING DREGSはトリ前に出演する。「せーの!」の掛け声から轟音を打ち鳴らしたマスドレは「かくいうもの」でライブを開始。「She is inside, He is outside」「あさひなぐ」を連発し、激しく鋭いサウンドをオーディエンスにぶつけていく。同じ神戸出身でありながらアルカラとはずっと接点がなかったことを明かした宮本菜津子(Vo, B)は、昨年マスドレのライブを訪れたアルカラの稲村太佑(Vo, G, Violin)にライブを絶賛されると共に出演オファーを受けたことを語ると「ありがとうの気持ちを演奏しようと思います」と告げ、「Sugar」を披露。続けてバラードナンバー「Skabetty」を届けたマスドレは「Delusionalism」で演奏のテンションを引き上げると、「べアーズ」で嵐のような爆音を浴びせて観客を圧倒した。

稲村太佑(Vo, G, Violin / アルカラ)(撮影:西槇太一)

アルカラ(撮影:西槇太一)

イベントの主催者である大トリ・アルカラの出番前、チキンジョージには長蛇の入場待機列ができ、フロアは隅から隅まで観客で埋め尽くされた。熱気満ちあふれる会場に現れたアルカラは「ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト」で勢いよくライブを開始。続けて披露された「アブノーマルが足りない」では、グッドモーニングアメリカのたなしん(B, Cho)がステージからフロアにダイブし、会場は熱狂的な盛り上がりを見せる。ライブ中、アルカラは今冬に日本コロムビア内のレーベル・TRIADから10thアルバム(タイトル未定)をリリースすることを発表。ニューアルバム収録予定の新曲「誘惑メヌエット」を披露し、稲村はバイオリンで美しい旋律を奏でた。

アルカラのアンコールの様子。(撮影:西槇太一)

アルカラと出演アーティスト。(撮影:西槇太一)

稲村は今年の「ネコフェス」についてSound Shimoduleやバブル講座などのコラボレーション企画が行われたことに触れ、「バンドマン同士がなんの迷いもなく高め合い、助け合う。それが『ネコフェス』の醍醐味」と熱く語り、「来年も絶対やるべきやと思うねん! できるとかできひんじゃなくて、俺はこう思うんですよ、『やるかやるかやるか』だ!」と曲名を叫んでライブを再開。さらに人気曲「メランコリア」でファンのボルテージを引き上げたアルカラは、マスコットキャラクターである「くだけねこ」と共に「くだけねこのうた」でライブ本編を締めくくった。興奮冷めやらぬ観客に呼び戻されて始まったアンコールには、数多くのアーティストが登場し、ステージは満員のフロアと変わらないほど大混雑。アルカラは仲間たちに囲まれながら「交差点」をパフォーマンスし、会場を和気あいあいとしたムードで包んで「ネコフェス」に幕を下ろした。

なおスペースシャワーTVでは、「ネコフェス2019」の模様を収めた特別番組が8月2日(金)23:00から放送される。

スペースシャワーTV「ネコフェス2019 -KUDAKENEKO ROCK FESTIVAL- 」

2019年8月2日(金)23:00~24:00

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