挫・人間、憧れのオーケンと印度化&ダメ人間

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挫・人間がライブ「サーチライト」を10月30日に東京・新宿red clothで開催。大槻ケンヂと競演した。

セッションする大槻ケンヂと挫・人間。

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「サーチライト」は挫・人間が不定期開催しているライブイベントシリーズ。過去には忘れらんねえよなども出演しており、今回バンドは下川リオ(Vo, G)が中学時代から敬愛してやまないと語る大槻ケンヂとのツーマンライブを企画した。

大槻ケンヂ

大槻ケンヂ

大槻ケンヂ

左から大槻ケンヂ、下川リオ(挫・人間)。

そんな記念すべき今回の「サーチライト」の先攻は大槻。最近のトレードマークとなった血染めの白いスーツ姿で登場した彼はごあいさつとばかりに、大槻ケンヂと絶望少女達「林檎もぎれビーム!」と、エディット・ピアフのカバー「愛の讃歌」をカラオケで熱唱。いきなりの大ネタ2連発に盛り上がるフロアが「林檎!」「もぎれ!」「ビーム!」の大合唱を繰り広げると、大槻は「愛の讃歌」のアウトロでシャンソン歌手よろしくフロア最前列の観客と握手をして回り、その歓声に応えていた。

さらにアコースティックギターを手に暗黒大陸じゃがたら「タンゴ」をカバーした大槻は「なめていたトローチを本番前に捨ててくるのを忘れて、ノドに張り付くから歌いにくい」などとボヤきながらも、筋肉少女帯「死んでゆく牛はモー」「香菜、頭をよくしてあげよう」をコミカルかつセンチメンタルにプレイ。続けて「せっかくだから出てきてくださいよ」と、20年前の筋肉少女帯Tシャツを着込んだ下川を招き入れ、2人でラブソング「あのさぁ」を優しく歌い上げた。

「メンバーを紹介してよ」と促された下川が挫・人間のメンバーを1人ひとりステージに呼び込むと、大槻は「年とるとね、何言っても意外とバレない」と、メンバーが全員20代前半と若いのをいいことにホラを連発。渋谷系に影響を受けたと語るアベマコト(B)には「オレ、ピチカート(・ファイヴ)に田島貴男さんの前にいたんだから」とカマし、夏目創太郎(G)には「オレ、LUNA SEAにいたんだよ。真矢くんの前!」と適当なことを言い募る。そして「挫・人間さんについていくんだぞ!」とシャウトすると、フロアの「日本を印度にしてしまえ!」の大合唱を煽って、挫・人間と「日本印度化計画」をセッション。さらに「OK、OK! もう一発イケるかい?」と「踊るダメ人間」を続けるキラーチューンの連発で自身のステージに幕を引き、「またLUNA SEAで会いましょう」と、挫・人間とともにステージをあとにした。

挫・人間

対する挫・人間は、大槻とのセッションの勢いそのままに「人類」「足のない女の子」を爆音で叩き込むと、ノンキなメロディに乗せて「ちんちん大臣 ごめんなさい」とリフレインしていたかと思えば、突如King Crimson「21世紀のスキッツォイド・マン」のリフをインサートする「ちんちん大臣」をプレイ。テンション高く自らのライブをスタートさせた。

続くMCで下川は「大槻さんのすごいファンなんで楽しかったんですよ」と先のセッションを振り返るも「でも究極のインドア系じゃないですか。もう帰ってもいいなと思ってます」「でも帰ったらイベントが成り立たなくなるから、喝を入れるよ!」とステージドリンクの入ったペットボトルを握りつぶすなど、天然なのか計算なのかイマイチ測りかねる言動を繰り広げる。曰く「モテたくて作った曲その1」である「ハヤヲ」をドロップしたのちのMCでも彼は「のび太がしずかちゃんと結婚したら『ドラえもん』は終わるんですよ」「それと同じで、もうバンドを辞めてもいいな」と大槻愛をぶちまけ続けるが、「どのくらい好きかっていうと僕のアナルカントがですね……」と話が脱線し始めると、ポッポ(Dr)はその言葉をかき消すかのように8ビートを刻み始め、夏目とアベもそれに追随。「オレが大槻さんの話をしてるのに!」と叫ぶ下川を尻目に「パーティーボーイは残らず殺せ!」「怪我したばかりの右脚狙え!」と繰り返す「何故だ!!!」へとなだれ込んだ。

以降4人は「メンヘラと恋愛したいっていう妄想の産物」こと、キャッチーなメロディが耳に残る1曲「天使と人工衛星」や、某FM局から放送NGを喰らった「タマミちゃん」などをパフォーマンス。ときには「『愛の讃歌』と『タンゴ』のカバーカッコよかったね。オレらもカバーをやろう」と「Let It Go」をうろ覚えのまま熱唱し、ときには「中学生の頃、クラスメイトを実名で出して惨殺するマンガを描いてたんだけど、今はその表現の方法がバンドになっただけ」と語る、とっちらかりまくった下川のMCを挟み込つつ、ライブ最終盤へとその歩みを進めていく。

ところが本編ラストでは「人生に1日でもいい日があれば生きていける」という中島らもの一節を引用した下川が「今日は『マイ天国、ゲット!』って感じ」と笑って、夏目、アベ、ポッポとともにドラマチックなバラード「天国」を披露。直前までとは打って変わって感動的なムードを現出させてフロアの喝采を集めた。

「鳴り止んじゃうのが怖いから」とアンコールの拍手が始まった直後にステージに舞い戻った4人が「サーチライト」のラストナンバーにセレクトしたのは「サラバ17才」。下川が学生時代に好きだった同級生を思って書いた「全力のラブソング」だ。この曲でフロアとともに「消えろ死ねよ消えろ消えろ」と声を張った挫・人間は、そのアウトロで夏目が鳴らしたギターのフィードバックノイズが響く中「ありがとう」を繰り返しながらステージをあとにした。

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サーチライト
2014年10月30日(木)東京都 新宿red cloth セットリスト

大槻ケンヂ / ゲストプレイヤー

01. 林檎もぎれビーム!
02. 愛の讃歌
03. タンゴ
04. 死んでいく牛はモー
05. 香菜、頭をよくしてあげよう
06. あのさぁ / 下川リオ
07. 日本印度化計画 / 挫・人間
08. 踊るダメ人間 / 挫・人間

挫・人間

01. 人類
02. 足のない女の子
03. ちんちん大臣
04. ハヤヲ
05. 何故だ!!!
06. 天使と人工衛星
07. タマミちゃん
08. ピカデリーナ受精
09. 天国
<アンコール>
10. サラバ17才

読者の反応

ハマ・オカモト @hama_okamoto

下川よかったねぇ。みたかったな。 “@natalie_mu: 挫・人間、憧れのオーケンと印度化&ダメ人間 http://t.co/KUlyC4K8RY”

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